26sy-10
| 高 義博(22歳・オイシックス新潟) 遊撃 172/75 右/右 (関西創価出身) | |
この夏のフレッシュオールスターで放った逆転打が強く印象に残っている 高 義博。彼に対して本格的に注目し始めたのは、守備や走塁の卓越した能力以上に、実はその鮮烈な一打がきっかけであった。 走塁面:☆☆☆☆(4.0) 右打席からの一塁到達タイムは4.20秒〜4.30秒台を計測することが多い。このタイムを左打者に換算すると3.95秒〜4.05秒相当となり、ドラフト候補としては 中の上クラスのスピードと言える。しかし、NPB二軍公式戦(イースタン・リーグ)に参戦しているオイシックス新潟に所属する彼は、同リーグで48盗塁を記録してダントツの盗塁王に輝いた。盗塁死は14個にとどまり、盗塁成功率も.774と高い水準を誇る。走者の合格基準と言われる7割を大きく上回っており、走塁の精度としても合格ラインと言える。 守備面:☆☆☆☆★(4.5) 彼の最大の魅力は、圧倒的な守備範囲の広さにある。遊撃守備におけるUZR(守備による失点防ぐ指標)は+14.0を叩き出し、2位の選手の+11.5を大きく引き離して二軍全体でも群を抜く数字を残した。実際のプレーを見ても、「まさか」と思うような深めの打球に追いついてアウトにするシーンが日常茶飯事である。 守備の安定感という点でも、守備率.978を記録。信頼できるプロのショートの基準とされる.970以上をクリアしており、確実性も申し分ない。捕球に至るまでのフットワークも非常に丁寧で、雑なプレーは見られない。普段はそこまで強肩を前面に出すタイプではないものの、ダイビングキャッチからの素早い送球でアウトにするなど、ショートとしてプロで必要な肩の強さもしっかりと持ち合わせている。 単に足が速い、あるいは動きが良いというだけでなく、技術の精度という部分でも極めて高く評価できる。守備・走塁に関しては、すでにNPB一軍の舞台に入っても目立つレベルの位置に到達していると言っても過言ではない。 (打撃内容) 打撃成績は 109試合(390打数)で5本塁打、30打点、49四死球、66三振、打率.254 という数字を残した。今すぐNPB一軍の球速・変化球に対応できるレベルとまでは言えないものの、引っ張った際には思いのほかパンチ力のある長打を放つ。一方で、展開や球種に応じてセンターから右方向へきっちり打ち返す柔軟さも持ち合わせている。 <構え> ☆☆☆★(3.5) 右打席で軽く前足を引き、かかとを少し浮かせた構え。グリップを高めに置く強打者スタイルの構えを採用している。腰をしっかりと据え、両目で投手を見据えるバランスや姿勢は標準的だが、打席内での集中力の高さが伝わってくる。 <始動> 平均 投手の重心が沈み切った底のあたりで動き出す「平均的な仕掛け」を採用している。この仕掛けは、一定の対応力と長打力を兼ね備えた中距離打者や、勝負強さを売りにするポイントゲッターに多く見られるタイミングである。 <足の運び> ☆☆☆(3.0) 足を軽く上げて回し込み、ベース側へ踏み込んでいくインステップを採用している。始動から着地までの「間」はそこそこ取れており、速球にも変化球の緩急にもそれなりに対応できている。インステップ気味に踏み込む軌道からも、外角球への意識の強さが窺える。 気になるのは、インパクトの際に足元が早く地面から離れてしまう点だ。引っ張る分には構わないが、外へ逃げていく変化球や低めの球に対しては苦しい対応を強いられそうだ。右方向への打撃を見ても引きつけて上手く打ち返してはいるが、そうした打撃が可能なのは甘い球や高めのゾーンに限定される傾向がある。 <リストワーク> ☆☆☆★(3.5) 打撃の準備である「トップ」の形を力みなく自然体に作れており、振り出しのロスを感じさせない。バットの入射角に癖がなく、インパクトの際にもバットの先端(ヘッド)が下がらないため、フェアゾーンに打球が飛びやすい。特に引っ張る際にはヘッドスピードが鋭く、身体の見た目以上に力強い打球を生み出している。 <軸> ☆☆★(2.5) 足の上げ下げが静かなため、目線の上下動は最小限に抑えられている。問題はやはり、インパクトで足元が早く離れてしまうことだ。これにより外角の逃げる球や低めの変化球への対応力が制限され、打てるゾーンが狭まっている印象を受ける。また、インステップする分、内角球のさばきが窮屈に見える場面もある。 (打撃のまとめ) スイング軌道自体に癖がない点は好材料だが、足元の粘り・軸の不安定さゆえにミートの確実性には課題を残す。それでもボールを限界まで引きつけて右方向へ打ち返す技術自体は持っているため、改善の余地は十分にある。一軍で常時打てるレベルの打力を身につけるには数年の育成期間を要するかもしれないが、将来性は豊かだ。 (最後に) NPB二軍の舞台でトップクラスの数字を叩き出した走力と遊撃守備は、今年のドラフト候補の中でも際立った存在感を放っている。特に今年は二遊間候補が深刻な不足傾向にあることを考えると、彼が育成枠まで残るとは到底思えない。打撃面においても決して線が細くひ弱なわけではないため、あとはプロのキレに対応できるゾーンの広さと確実性をどこまで高められるかだ。 また今年からチームのキャプテンを任されるなど、内部からの信頼度も高い。首脳陣も技術だけの成長だけでなく、プレーへの関わり方にも変化が見られていると高く評価されている。 また即戦力とは言えないものの、守れるショートを最優先で補強したい球団にとっては、今年の候補の中でも最上位クラスのターゲットになる。ドラフト本会議の4位前後の(中位指名)では名前が呼ばれるのではないだろうか。 蔵の評価:☆☆(中位指名級) (2026年 二軍公式戦) |