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樫村 佳歩(23歳・セガサミー) 投手 166/71 右/右 (水城-立正大出身)
 




 「指名はありそう」





  立正大から入社1年目ながら、チームの廃部決定に伴う特例措置として今年のドラフトの舞台に上がることになった 樫村 佳歩。その実力はいかなるものか。


(投球内容)

 上背こそないものの、大きな肩幅を持つがっしりとした体型のパワー型投手である。2026年度の公式戦成績は、
20回2/3イニングを投げて被安打18、四死球4、奪三振18、防御率3.92 といった内容となっている。数字だけを見れば、現時点ではそこまで圧倒的な成績とは言えない。

ストレート 140キロ台中盤〜MAX 153キロ
☆☆☆★(3.5)

 常時150キロ前後を計測するストレートの勢いは、まさに
一軍級のボールと言える。ただ、そのボールがかなりバラツキやすく、制球力に不安を残している。また、打者に合わせられやすい軌道なのか、上背がないゆえの角度の無さが影響しているのか、数字の球速ほど打者が差し込まれていない印象を受ける。

横変化 カット・スライダー
☆☆☆(3.0)

 140キロ前後の小さく変化するカットボールと、130キロ台のスライダーを状況に応じて使い分けているようだ。それほどバタバタと空振りを奪う球種ではないものの、カウントを整える上では有効に機能している。

縦変化 ツーシーム
☆☆☆★(3.5)

 左打者に対して、大きく沈むツーシーム系のボールを効果的に投げ込んできている。この球種は
しっかりと空振りを奪える武器になっているが、逆に右打者相手に対しての決め手にかける点が今後の課題となりそうだ。

緩急 ナックルカーブ?
☆☆☆(3.0)

 120キロ前後の球速帯で、独特のカーブのような軌道を描く球種が見られる。通常のスライダー系とは異なり、ナックルカーブ的な変化をする球種だと考えられる。

投球以外の技術
☆☆☆(3.0)

 クイックタイムは1.10秒〜1.15秒前後とまずまずの水準であり、走者への目配りも適度にできている。投球のタイミングを外したり、ボールを長く持ったりするといった高度な駆け引きは見られないものの、ピンチの場面でも冷静に対処できている点は好感が持てる。

(投球のまとめ)

 ストレートのコマンド(制球力)が粗いために四死球が重なったり、球速のわりに打ち返されたりするシーンが散見される。左打者には強烈な縦の変化がある一方で、右打者への決め手にはやや物足りなさが残る。大卒1年目という若さもあり、まだ全体的に
「成長途上の投手」という印象を受ける。





(投球フォーム)

 ワインドアップから足を引き上げる勢や高さは並程度である。軸足一本で立った時に膝から上がピンと伸び切るようなことがなく、
力みなく立てている点は素晴らしい。

<広がる可能性>
☆☆☆☆(4.0)

 お尻が一塁側に適度に落とされており、体を捻り出すスペースがしっかりと確保できている。そのため、カーブやフォークといった変化球を投げる上で必要となる体の使い方の下地ができている。

 「着地」までの地面の捉え方も適度に粘れており、体を捻り出す時間も十分である。こうした特性があるため、カーブやフォークに限らず、さらに曲がりの大きな変化球を習得していく余地も十分に期待できる。

<ボールの支配> ☆☆☆(3.0)

 グラブは最後まで体の方にしっかりと抱えられており、外に逃げようとする遠心力を体内に留めることができている。したがって軸はブレにくく、両サイドへのコントロール自体はつけやすい。

 一方で、足の甲で地面を捉えている時間が短く浮き上がりがちになるため、上体が浮こうとする力を十分に抑え込めていない。それがボールの高めへの浮きやバラツキを招く要因となっており、リリースでもボールを十分に押し込みきれていないため、制球が乱れやすくなっている。


<故障のリスク>
☆☆☆☆(4.0)

 お尻の落としがしっかりとできているため、カーブやフォークなどの球種を多めに使ったとしても、肘などへの負担は比較的少ないと考えられる。腕の送り出しを見ても肩への過度な負担は少なそうである。ただ、全体的に多少力んで投げてしまう癖があるため、疲労を過度に溜め込まないようなケアには注意したい。

<実戦的な術>
☆☆☆(3.0)

 「着地」までの粘りは作れているものの、ボールの出どころ自体はやや打者から見やすいように思える。その傾向が、ストレートの角度の無さと相まって、球速の割に被安打が多くなっている要因かもしれない。

 腕の振りは平均的であり、欲を言えば投げ終わった後に腕がもっと体に絡みついてくるような「粘り」が欲しいところだ。また、ボールにしっかりと体重を乗せてからリリースできていないため、この点が改善されれば、打者の手元でのボールの勢いや体感スピードは大きく変わってきそうだ。


(フォームのまとめ)

 投球フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」において、「着地」以外の部分にはまだ改善の余地を残している。故障のリスクが低い美しいフォーム形状である反面、高低を中心とした制球を司る動作には課題を抱えている。それでも、将来的に武器となり得る変化球を習得していけるだけの身体的な下地がある点は、非常に明るい材料と言える。


(最後に)


 右打者への決め手やフォームの改善など、大卒1年目らしくまだ成長途上にあるとの印象は否めない。ただ、ファームで1〜2年しっかりと鍛え上げられ、創意工夫を重ねていけば、将来的に一軍のリリーフ陣として活躍する姿も十分に描ける。

 そうした意味において、変化球に優れた速球派として、どこかの球団が指名に踏み切る可能性は十分に秘めていると見ている。


蔵の評価:
☆(下位指名級)


(2026年 都市対抗)