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 長屋 竣大(23歳・ENEOS)投手 175/75 右/右 (浜松開誠館-立命館大出身)





 「リリーフなら即戦力」





 浜松開誠館時代から注目された速球派だったものの、立命館大ではリーグ戦で多くの経験を積みながらもプロまでは届かなかった 長屋 竣大。しかし、社会人の名門・ENEOSに進み、その才能が本格的に開花しつつある。


(投球内容)

 ENEOSでもリリーフとして活躍し、都市対抗では東芝の補強選手として東京ドームで154キロを記録した。26年度は、
10回2/3、10安打、2四死球、10三振、防御率0.84 といった優秀な成績を残している。

ストレート 140キロ台後半〜150キロ台中盤
☆☆☆☆(4.0)

 常時150キロ前後を記録できるボールの勢いと球威は、プロでも
一軍を十分に意識できる強さがある。ただし、これだけのボールがありながら、10回2/3のイニングで10安打を浴びているように、数字の割に打者に合わせられやすい傾向があるのかもしれない。制球に多少のバラツキはあるものの、同じく10回2/3で2四死球と四死球率は低い。大学時代から投球回数の3分の1以下に抑えるなど、四死球で自滅するタイプではないようだ。

横変化 スライダー
☆☆★(2.5)

 曲がり自体はスイーパーのように大きく横に変化する球を持っている。ただし、曲がりすぎて制御できないことも多く、現状は右打者に対してもあまり多用してこない。これならば、カットボールなどの小さな曲がりの変化球を磨くべきではないだろうか。

縦変化 チェンジアップ
☆☆☆☆(4.0)

 この直球の勢いを活かした縦の変化が素晴らしい。チェンジアップでありながら、
フォークのような鋭い落差を発揮している。そのため、投球の多くはこの球とのコンビネーションが軸となっている。

投球以外の技術
☆☆☆★(3.5)

 クイックは0.95〜1.10秒と、かなり素早く投げ込んくる。ピンチでも
冷静さを失わず、自分のピッチングに徹していたのは非常に印象的だ。このあたりは、大学・社会人と多くの修羅場を経験してきたことがしっかりと生きている。

(投球のまとめ)

 一辺倒に力で押すだけの投手ではなく、
ピンチでも周囲の状況を冷静に見て投球を組み立てることができる。直球との見極めが困難なチェンジアップも強力な武器になっており、単なる「速いだけの投手」ではないことがよく分かる。今すぐにでも、リリーフであれば一軍の舞台でやれるのではないかと思わせる力量がある。





(投球フォーム)

 続いてフォームの観点から、プロで即戦力になりうるのか考えてみたい。セットポジションから足を曲げ伸ばしつつ、足を引き上げる勢いや高さは非常に十分だ。軸足一本で立った時には膝から上がピンと伸び切ることなく立てており、余計な力が入っていない。

<広がる可能性>
☆☆☆★(3.5)

 比較的お尻を一塁側に落とせており、適度に体を捻り出すスペースを確保できている。そういった意味では、カーブやフォークなどの縦方向の変化球を投げるのにも適したフォームと言える。

 「着地」までの地面の捉えは平均的で、ここがもう少し粘れると体を捻り出す時間をさらに長く確保できそうだ。そうすればもっと曲がりの大きな変化球の習得も期待でき、新たな武器になるかもしれない。もっとも、現状のままでもチェンジアップはプロで十分に空振りを奪える代物となっている。

<ボールの支配>
☆☆☆★(3.5)

 
グラブは最後まで体の近くに収まっており、外に逃げようとする遠心力を内にしっかりと留めている。そのため軸はブレにくく、両サイドへの制球は安定しやすい。やや足の甲での地面の捉えが浅いため、力を入れて投げるとボールが上ずってしまう恐れはある。それでも「球持ち」が比較的良いため、指先まで力を伝えられて制球が大きく乱れるのを防げている。

<故障のリスク>
☆☆☆☆(4.0)

 お尻はある程度落とせているため、カーブやフォークといった球種を投げても体が窮屈になりにくい。腕の送り出しにも無理は感じられず、肩への負担も少なそうだ。多少力んで投げる時があるため疲労が全く溜まらないとは言えないが、そこまで神経質になる必要はなさそうだ。

<実戦的な術>
☆☆☆★(3.5)

 「着地」までの粘りは平均的で、ボールの出どころが
見えるタイミングが早い印象を受ける。そのため、打者から合わされやすい要因になっている。ボールには適度に体重を乗せてリリースできているものの、まだ一塁側に重心が流れる傾向があり、さらに改善できる余地が残されている。

(フォームのまとめ)

 フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」のうち、
「球持ち」以外には改善の余地がありそうだ。特に、ボールの出どころが見えやすい点が、被安打の多さに繋がっていると考えられる。制球を司る動作は悪くなく、故障のリスクも少なそう。あとは、いかに新たな武器となる球種を見出せるかがカギになりそうだ。


(最後に)

 高校時代の「荒れ球の速球派」という素材から、大学での多くの経験を経て、社会人でかなり高い実戦力を兼ね備えた投手へと成長を遂げた。
直球とチェンジアップという明確な武器があり、短いイニングであれば一軍の舞台でも十分に通用すると思わせる。ドラフトでも4位前後での指名が期待でき、プロ1年目からリリーフ陣に割って入るような活躍が期待できそうなレベルに到達したと判断したい。


蔵の評価:
☆☆(中位指名級)


(2026年 都市対抗)