26ky-35
| 保西 雅則(日本航空石川3年)投手 野手編 190/103 右/右 | |
今年の高校生の中でも、打球の飛距離に関しては屈指ではないかと思われるのが 保西 雅則。3年夏の金沢商業戦では、内角寄りの球に詰まりながらも、レフトポール際にあわや本塁打かという大飛球を放っている。しかもその打球は、なんとスタンド上段まで到達していた。 走塁面:☆☆(2.0) 一塁までの塁間は、右打席から4.8秒ぐらい。このタイムを左打者に換算しても4.55秒ほどと、かなり遅い部類に入る。ただし、1年夏からの公式戦成績では23試合で4盗塁を記録しており、数字ほど全く動けないというわけではないようだ。 守備面:☆☆☆(3.0) 普段は投手としてマウンドに上がっているが、三塁守備の動きも少し確認できた。ハンドリングやフットワークは思ったよりも良く、プロの環境でしっかりと鍛えれば三塁手としてもやっていけるのではないかという期待を抱かせてくれる。投手としても150キロ前後を計測する能力があり、肩の強さという意味でも申し分なさそうだ。 (打撃内容) 3年間の公式戦記録は 23試合で2本塁打、12打点、打率.393。圧倒的な飛距離を誇るが、決して粗さや脆さを感じさせるタイプではない。 <構え> ☆☆☆★(3.5) 右打席からあらかじめ前の足をベース側に置き、つま先立ちした状態で構える。腰の据わり具合や全体のバランスは良く、両目で前をしっかりと見据える姿勢も悪くない。 <遅めの仕掛け> 投手の重心が沈むタイミングで自分のかかとを踏みしめてタイミングを合わせ、本格的に動き出すのは重心が前に移動していく段階という「遅めの仕掛け」を採用している。この始動は、ボールをできるだけ引きつけてからコンタクトするため、天性の長距離打者や生粋の2番打者などに多く見られるスタイルで、始動が遅すぎなくならないように注意したい。 <足の運び> ☆☆☆(3.0) 足を軽く浮かし、ベースから離れる方向に踏み出すアウトステップを採用している。始動から着地までの「間」はあまり長く取れないため、あらかじめ狙い球を絞り、その球を逃さない「鋭さ」が求められる。また、アウトステップすることから、内角への意識の高さもうかがえる。 踏み込んだ前の足は、インパクトの際に何とか動かずに我慢できている。ただ、引っ張る打球を狙うのであれば、多少足元が動いてでも腰の回転を優先させたく、その形はできていた。また外角へ逃げていく球や低めの球に、ある程度対応できる形になっている。 <リストワーク> ☆☆☆★(3.5) 打撃の準備である「トップ」の形を早めに作ることで、始動の遅さを補っている。バットの入射角もそれほど遠回りにはなっておらず、バットのヘッドが下がらないため、広い面でボールを捉えてフェアゾーンに強い打球を飛ばしやすい。 インパクト後も大きなスイングで強烈な打球を生み出している。もっとも、それほど打球に角度をつけるスイングというわけではなく、長打が出るのは引っ張った打球に限定される傾向がある。とはいえ、内角の厳しい球をさばく際には、肘をうまく使って器用に畳めていた。 <軸> ☆☆☆★(3.5) 足の上げ下げが静かなため、目線の上下動は少なめ。腰が少し早く開いて胸が早く見えてしまう面はあるが、足元が踏ん張ることで外角球の球にも対応できていた。軸足も地面からまっすぐ伸びており、きれいな軸回転でスイングできている。軸足の内ももの筋肉も発達しており、強烈な打球を生み出す大きな原動力となっている。 (打撃のまとめ) 思った以上に打撃の粗さがなく、安定したスイングをしている一方で、現状は意外にも打球に角度がつきにくい印象がある。そのため、長打はどうしても引っ張って巻き込んだ打球に限定されがちだ。プロ入り後、持ち味である長打をより活かせるスイングをどこまで磨いていけるかがカギになりそうだ。 (最後に) 投手として培われた強い体幹に加え、内角球のさばきく技術も悪くない。大きな脆さを感じさせない点も含め、高校の先輩である 内藤 鵬(オリックス)と比べても遜色のない素材と言える。プロで三塁手としての適性がありだと判断する球団があれば、評価が大きく跳ね上がっても不思議ではない。恐らくドラフト会議でも、3位前後の指名になるのではないのだろうか。 蔵の評価:☆☆(中位指名級) (2026年夏 石川大会) |