26ky-33
| 佐伯 真聡(花咲徳栄3年)捕手 177/81 右/右 | |
打撃が売りのライバル・内藤 蒼(浦和学院)に比べると、佐伯 真聡 は守りがしっかりした捕手との印象を受けた。 (ディフェンス面) コミュニケーションと観察眼 普段はそれほどジェスチャーなどを交えてアピールする感じではないが、気になることがあると、しっかり体で投手に意図を伝えようとする。投手と一緒に試合を作っていこうという感じでもなく、「俺について来い」といったタイプでもない。冷静に状況を見定めて、必要に応じて指示を出していくタイプではないのだろうか。 構えとキャッチング 重心を低く屈め、低めへの意識を強く持つように構える。ミットもしっかり示して投手に的を付けやすくするなど、そういった配慮はできている。ミットはフレーミングを駆使するというよりも、動かさずに力強くボールを止め置くタイプ。低めの球に対しては少々上から被せにいくだけに映るのは気になるものの、ワンバウンドするような球には下から素早くミットを出すなど、決して動きの悪い選手ではない。 スローイングとリード 二塁までの送球は1.9秒前後と平均的。しかし、捕ってから投げるまでの動作に無駄は少なく、地肩もドラフト候補として 中の上 ぐらいはありそう。A級の強肩捕手ではないものの、プロの基準レベルのスローイング能力はありそうだ。リードに関しては、あくまでもバッテリー間の組み立てに終始しており、まだまだ相手を見て配球を組み立てるといったことはできていない。相手がどのような球を狙ってきているのか、そういったことを探るレベルには達していない。ただし、高低だけでなく両サイドを意識した、ストライクゾーン全体を使った組み立てはできていた。 (ディフェンスのまとめ) きめ細やかに投手の気持ちを察するといったタイプではないが、気になることがあれば積極的に指示を出せる捕手。普段は座って返球していても、走者が出塁すれば立って返球するなど、雑なプレーは見られない。キャッチング・フットワーク・送球なども際立ってはいないが、高校からプロに入るレベルには達していると判断でき、ディフェンスに関してはプロを意識できる総合力に優れた捕手といった感じがする。 (打撃内容) 新チーム以後は、捕手ながら4番を任されている。甲子園では無安打のまま終わってしまったが、夏の埼玉大会では 7試合で0本塁打ながら11打点、打率.321と、勝負強さを示すことができた。 <構え> ☆☆☆ 3.0 右打席から大きく足を引き、グリップは前に伸ばすように添えている。深く腰は据わっており、両目で前を見据える姿勢も並ぐらい。ただし全体のバランスとしては、癖のある個性的な構えとなっている。 <仕掛け> 平均 投手の重心が下がりきった底のあたりで動き出す「平均的な仕掛け」を採用。この始動のタイミングは、ある程度の確実性と長打力を兼ね備えた中距離打者や、勝負強さを売りにするポイントゲッターに多く見られる。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 足を大きく引き上げてベース側に踏み込む、インステップを採用。始動から着地までの「間」はそこそこで、速球でも変化球でもスピードの変化にそれなりに対応できている。踏み込んでくることからも、外角への意識が強そうだ。 踏み込んだ前の足は、インパクトの際にブレずに我慢できている。そのため、逃げていく球や低めの球にも食らいつくことはできる。ただし打球は引っ張りが多いので、無理にそういった球を引っ張ろうとして引っ掛けてしまうことは少なくない。右方向にも打てる形はできているので、意識次第では改善も可能だろう。 <リストワーク> ☆☆☆★ 3.5 打撃の準備である「トップ」の形を作るのは自然体で、力みなくボールを呼び込めている。バットの振り出しは、上から振り下ろしてくるインサイドアウトのスイング軌道。彼のスイングが引っ張り中心であることを考えれば、理にはかなっている。 ボールの下にバットを潜らせてインパクトするため、打球に角度はついてもフェアゾーンに飛ぶ確率は低い。そのため決して確実性が高いスイングとは言えず、またバットのしなりを活かしたスイングでもないため、プロの強い球を木製バットで打ち返すのには苦労しそうだ。現状は引っ張り込める球をいかに叩くかに懸かっており、打てる幅は広いとは言えないだろう。 <軸> ☆☆☆★ 3.5 足の上げ下げはあるので、目線の上下動は並ぐらい。体の開きも我慢できているが、踏み込むぶん足元は少し窮屈そうに見える。そのため内角のさばきがどうなのかは気になる部分だが、上からインサイドアウトでバットが出てくるため、インステップであってもそこまで内角が苦になる感じではない。むしろ引っ張りきれない外角の球への対応の方が、課題としてありそうだ。 (打撃のまとめ) 名門校の4番を任されるだけあって、ヘッドスピードが非常に速いのが目立つ。ただし技術的にはまだまだ幅が狭い印象であり、これをいかに広げていけるかが鍵になりそうだ。現状はそれほど長打が目立っているわけではないが、打球に角度を付けて飛ばすことができるスイングではある。フォロースルーなどの動作が改善されていけば、オーバーフェンスするような打球も増えてくるかもしれない。 (最後に) これまで正直言うと、何度か見てもピンと来るものを感じる選手ではなかった。今回改めてじっくり見ることで、ディフェンス力はプロレベルであることが分かった。ただし、圧倒的な肩があるとか、打撃が突出しているといった印象はなく、個人的には☆(支配下級)までの評価には至らなかった。実際のドラフト会議でも下位~育成あたりの指名になると見ている。果たして会議当日にはどのような判断になるのか、密かに注目して見守りたい。 (2026年夏 甲子園) |