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小坪 碧人(柳川3年)投手 183/85 左/左 





 「指名されると思う」





 全国的には無名だが、プロ志望届を提出した 小坪 碧人。指名に際し「育成ならばお断り」といった条件を付けていない限り、今年のドラフトで確実に名前が呼ばれそうな実力派左腕だ。


(投球内容)

 3年夏の福岡大会では2試合に登板し、3回戦の福岡城東戦で敗退した。
計13.3分の1イニング(13回1/3)を投げ、被安打8、与四死球7、奪三振18、防御率0.68 という安定したな数字を残している。

ストレート 140キロ前後〜MAX 147キロ
☆☆☆★(3.5)

 適度に勢いを感じさせるストレートを投げ込んでくる。7四死球と数字上は制球に粗さを感じさせるものの、ボール自体が
打者の外角に決まる確率は高い。しいて言えば高めのゾーンに集まりやすい傾向は見られるが、ボールに十分な威力があるため、その点があまりマイナスに感じられない。

横変化 カット・スライダー
☆☆☆★(3.5)

 左打者に対しては
外角低めに切れ込むスライダーで空振りが奪えていた。ボール自体の曲がり具合も精度も悪くなく、他にも小さくカウントを整えるカット気味の変化球を交えるなど、しっかりと使い分けができている印象だ。

縦変化 ツーシーム
☆☆☆★(3.5)

 右打者の外角へ小さく逃げながら沈むツーシーム気味の球種を持つ。変化の幅自体は大きくないものの、
コントロールが外角低めにまとまっており、非常に有効なボールとなっていた。

投球以外の技術
☆☆☆(3.0)

 クイックタイムは1.15秒前後と平均的であり、左投手らしく一塁ランナーにしっかり視線を送りながら投げられている。フィールディング時の
送球でやや雑な動きが見られた点は気になったが、ベースカバーなどの敏捷性が低いわけではなさそうだ。まだ細かい駆け引きといった高度な投球術こそ見られないものの、マウンド度胸も含めて総合力は悪くない。

(投球のまとめ)

 ストレートの威力は高校生として基準以上であり、縦・横の変化球の質も高い。数字ほど制球に粗い印象はなく、マウンドさばきなども上々だ。順調に階段を登っていくことができれば、将来的に支配下登録され、一軍の戦力として飛躍する未来も十分に想像できる素材である。


(投球フォーム)

 セットポジションから、足を引き上げる勢いや高さは並程度である。軸足一本で立った時に膝から上がピンと伸びがちになり、やや力みが感じられる。これが余計な力みを生み、制球を乱す要因につながりやすい。立った時の形も「トの字」になりやすく、全体のバランスとしてもやや体が突っ込みやすい形状となっている。

<広がる可能性>
☆☆☆(3.0)

 引き上げた足を地面に向けてまっすぐ伸ばしているため、お尻の三塁側(左投手の場合)への落としにはやや甘さが残り、カーブやフォークといった縦の変化球の曲がりが鈍くなりやすい。ただ、現時点ではそうした球種を投げるケースが確認できなかったため、当面は影響が少なそうだ。

 「着地」までの地面の捉えは平均的で、体を捻り出す時間も並程度である。現時点では球速のある小さな変化球を中心に、投球の幅を広げていくタイプになりそうだ。

<ボールの支配>
☆☆☆(3.0)

 グラブは
最後まで内にしっかりと抱えられており、外に逃げようとする遠心力を内に留めることができている。したがって軸はブレにくく、両サイドへの投げ分けは安定しやすい。一方、足の甲で地面を捉えている時間は短く、浮き上がろうとする力を十分に抑え込めているとは言い難い。「球持ち」も並程度であり、球筋は高めに集まりやすい傾向がある。やはり制球の課題を挙げるとすれば、横よりも縦のコントロールの安定感ということになりそうだ。

<故障のリスク>
☆☆☆★(3.5)

 お尻の落としに甘さは残るものの、現時点でカーブやフォークといった球種を多用していないため、体に過度な窮屈さを強いられる機会は少なそうである。腕の送り出しにも無理は感じられず、決して猛烈な力投派というわけでもないため、疲労を過度に溜め込みやすいタイプではなさそうだ。

<実戦的な術>
☆☆☆(3.0)

 「着地」までの粘りは平均的だが、ボールの出どころ自体はしっかりと隠せている。ただ、投げ終わったあとに腕が体にしっかりと絡みついてくるような粘っこさや、腕の振りの鋭さがもう少し欲しいところで、現状はまだ打者がその勢いに吊られにくい感じがする。ボールにまだ十分な体重が乗せきれていない印象もあり、この点が改善されてくれば、打者の手元での球威や強さは一段と変わってくるはずだ。

(フォームのまとめ)

 投球フォームの4大要素である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」のうち、特に致命的な欠点はないものの、全体的に「粘り」が欲しいところだ。制球面では高低のコントロールに課題が残るが、故障リスクの低さは大きな明るい材料である。あとは、いかにしてプロの舞台で絶対的な「武器となる球」を確立していけるかが鍵になりそうだ。


(最後に)


 まだ自身のピッチングスタイルや「色」を十分に確立しきれていない印象はあるが、裏を返せば、ここからいかようにも化ける可能性があるということでもある。本人の意識と育成環境次第で、大きな化け方をしてくれそうな下地はある。

 世間一般の評価としては育成指名あたりが妥当かもしれないが、個人的には「支配下級」の評価を与えてみたいと思わせる、非常に面白味のある好素材だった。



蔵の評価:
☆(下位指名級)


(2026年夏 福岡大会)