26kp-41





携帯版はコチラから



鈴木 悠悟(中京3年)投手 177/75 右/右 





 「コントロールがいい」





 なかなか高校生の投手で「コントロールがいいな」と思える投手はいないのだが、この 鈴木 悠悟 は数少ないそういった投手の一人だった。


(投球内容)

 非常に
力みなくバランスの取れたフォームから投げ込む正統派といった感じで、3年夏の甲子園では 5回2/3イニングで6安打、3四死球、4三振 といった成績を残している。

ストレート 135キロ〜144キロ
☆☆☆★ 3.5

 球速こそ140キロ前後と驚くほどのものはないが、
打者の手元までの伸びや球威は悪くなかった。打者の外角にきっちり集められる制球力があるのも強みだが、ランナーを出すと乱れてしまうところが今後の課題だろうか。

横変化 スライダー
☆☆☆★ 3.5

 体の近くでキュッと小さく曲がる、
実戦的なスライダーを投げ込んでくる。特に、左打者の内角膝下や右打者の外角低めなど、低めに集められるところが大きい。

縦変化 スプリット ☆☆★ 2.5

 現状は「縦の変化もある」といった感じで、それほど大事な場面では使えていない印象。今後こういった球を相手に意識させられるようになると、ピンチでも単調にならずに打ち取ることができそうだ。


緩急 カーブ
☆☆☆ 3.0

 単調にならないように緩い球を織り交ぜようという意識は、甲子園でも感じられた。まだまだ、本当の意味でまっ直ぐとスライダー以外の球の精度に課題を残しているということだろう。

投球以外の技術
☆☆☆ 3.0

 クイックは1.15秒前後と平均的。二塁走者へはしっかり目配せできていたが、一塁走者をしっかり確認できずに投げる時があるので、盗塁を許す場面も見られた。牽制自体は決して下手ではない。コースいっぱいで出し入れできるような制球力はあるので、ボールを長く持つなど「間」を意識した投球も身につけたい。

(投球のまとめ)

 体格も中背で、非常にオーソドックスなフォーム。それ故に、ボールが良くてもイニングが進んでいくと慣れられて捕まってしまいがちだ。だからこそ、単調にならないような投球術や変化球のバリエーションを広げ、投球に「怖さ」や「嫌らしさ」を身につけていきたい。





(投球フォーム)


 セットポジションから足を引き上げる勢いはまずまず。軸足一本で立った時に膝から上がピンと伸びがちで力みは感じられるものの、うまくバランスは保って立てている。理想的な立ち方としては、後ろから見てYの字に見えるのが理想で、トの字 になるような形は避けたい。

<広がる可能性>
☆☆☆☆ 4.0

 お尻の一塁側への落としはまだ甘さが残るもののそこまで悪くない。そのため、カーブやフォークといった球種を投げるのに、ある程度スペースを確保して腕を振ることができる。

 「着地」までの地面の捉え方もそれなりで、体を捻り出す時間も適度に稼げている。そういった意味では、将来的にもっと武器になる変化球の習得も期待できそうだ。


<ボールの支配>
☆☆☆★ 3.5

 グラブは最後まで内に抱えられ、外に逃げようとする遠心力を内に留めている。そのため軸はブレにくく、両サイドへのコントロールはつけやすい。一方で、足の甲での地面への捉えが浅く、浮き上がる力を十分には抑えられていない。こうなると球筋が高くなりやすいはずだが、彼は「球持ち」が良くボールを押し込めている。そのため、そこまでボールが高めに集まったり、抜ける球は見られない。

<故障のリスク>
☆☆☆☆ 4.0

 お尻の落としも適度にできているので、極端な縦の変化などに依存しすぎない限りは肘などへの負担は少なさそうだ。腕の送り出しにも無理は感じられず、肩への負担も問題なさそう。普段から脱力を意識しているので、疲労を溜め込みやすいということもなさそうだ。

<実戦的な術>
☆☆☆ 3.0

 「着地」までの粘りは悪くないが、ボールの出どころは並ぐらい。そのため打者としては癖がなく、苦もなく捉えられてしまうかもしれない。また腕は振れているものの、ボールの出どころが見やすいため、打者は縦の変化などに空振りをしてくれない可能性がある。投げ終わったあとに一塁側に大きく流れるなど、まだまだリリースまでにエネルギーのロスが見られる。

(フォームのまとめ)

 フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、「開き」と「体重移動」に改善の余地がありそうだ。足の甲の抑えが浅い割には高めに集まらず、故障のリスクも少ない。将来的にもっといろいろな球種を磨いて、投球の幅を広げていける可能性を秘めた癖のないフォームでもある。あとは、いかに投球の中で嫌らしさや怖さを出していけるかだろう。


(最後に)


 プロのレベルに混じっても確かなコントロールや技術は通用しても、いかに自分の特徴を出していけるかが鍵になりそうだ。本人は投手志向が強いそうで、野手としての可能性を模索するのは投手がダメだった時になるかもしれない。非常にセンスが良いのでそちらでの可能性も感じさせる素材だが、ドラフト指名となると育成会議くらいになるかもしれない。ただ、攻守にセンスを感じさせる選手なので、あえて☆(下位指名級)の評価を記してみたい。


蔵の評価:
☆(下位指名級)


(2026年夏 甲子園)