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新城 楓雅(奈良大付3年)投手 190/84 右/右 





 「1位もあるかもね」





 この夏確認した高校生の中でも、最も印象的だったのが 新城 楓雅 の投球だった。昨年から「順調に行けば上位指名されるかもしれない」と期待してきたが、そのイメージ通りに最後の夏に向けてしっかりと仕上がってきた。


(投球内容)

 この夏の奈良大会では、チームを決勝まで導いた。あと一歩のところで甲子園には届かなかったが、
31イニングを投げて24安打、13四死球、22三振、防御率2.32 といった成績を残している。

ストレート 145キロ前後~MAX150キロ
☆☆☆☆ 4.0

 
球筋全体が高かったり制球に多少のバラつきはあるものの、ボール自体の勢いや強さは全国でも指折りのレベルであることは間違いない。さすがに全国レベルの天理や智弁学園相手だと、甘くなった真っ直ぐを打ち返されるケースも少なくなかった。

横変化 スライダー・カット?
☆☆☆ 3.0

 小さく横にズレるカット気味の球と、大きめに曲がるスライダーがあるようだ。この球でしっかりとカウントを整えられている。

縦変化 チェンジアップ・フォーク
☆☆☆ 3.0

 昨年よりも、縦の変化球を積極的に投げるようになっていた。ストライクゾーンに沈むチェンジアップのような球と、ボールゾーンに落ちるフォークがある。この2つの球種が別物なのか、上手く使い分けているのかは不明だが、現状は空振りを奪うというよりも「低めに沈めて引っ掛けさせる」意味合いが強い。昨年見られた、もう少し遅く沈むパームのような球は見られなくなった。

緩急 カーブ
☆☆☆★ 3.5

 曲がりながら沈むカーブのような軌道の球がある。ただし、もう少し球速はありそうで、縦割れのスライダーなのかもしれない。むしろ、昨年のパームように見えた球がこの球なのかもしれないが、ブレーキも良く効いており投球のアクセントになっている。

投球以外の技術
☆☆☆ 3.0

 クイックは1.15秒前後と平均的。走者への目配せなどはそこまで徹底されていないため、走者としてはスタートを切りやすいかもしれない。その辺を察してか、牽制も適度に入れてくる。現状は、それほどボールを長く持ったり投げるタイミングを変えたりといった高度な投球技術までは確認できなかった。

(投球のまとめ)

 真っ直ぐが昨年より良くなっており、制球のバラつきこそ見られるもの
の確かな成長が感じられた。むしろ高く評価したいのは、各変化球のキレだけでなく、低めに集まる傾向が強い点だ。そういった意味では「ただ真っ直ぐが速い投手」にとどまらず、将来的に優れた変化球も交えた総合力の高い投球が期待できそうだ。





(投球フォーム)

 セットポジションから、足を引き上げる勢いは並みぐらいだが、高い位置まで引き上げてくる。軸足一本で立った時には、膝から上がピンと伸び切ることなく適度に余裕があるのは良いところで、そのためバランス良く立てている。

<広がる可能性>
☆☆☆ 3.0

 お尻の一塁側への落としに甘さがあるので、体を捻り出すスペースが充分ではない。そのため、カーブやフォークといった球種が投げられないことはないが、その変化が鈍くなる恐れがある。

 「着地」までの地面の捉えも、足を前にステップさせているものの並みぐらい。そういった意味では、体を捻り出す時間は平均的で、将来的に曲がりの大きな変化球を習得できるかは微妙な印象を持った。それでも昨年よりは、「着地」までの時間が稼げるようになっている点には好感が持てる。

<ボールの支配>
☆☆☆ 3.0

 グラブは最後まで内に抱えられているので、外に逃げようとする遠心力を内に留めることはできている。したがって軸はブレにくく、両サイドへのコントロールはつけやすい。ただし、まだ足のつま先のみが地面を捉えている形であり、浮き上がろうとする力を充分には抑え込めていない。ボールが高めに集まりやすいのは、そのせいではないのだろうか。

<故障のリスク>
☆☆☆★ 3.0

 お尻の落としに甘さが残る割に、カーブやフォークなどのひねり出して投げる球種を多く使ってくる。それだけ窮屈になりやすく、肘などへのケアには充分注意したい。それでも腕の送り出しには無理は感じられず、肩への負担はそこまで高くはなさそう。それほど力投派でもないので、疲労も溜めやすくはなさそうだ。

<実戦的な術>
☆☆★ 2.5

 「着地」までの粘りは並みぐらいだが、ボールの出どころはある程度隠せている。ただし、投げ終わったあとに体に絡んでくるような腕の振りではないので、まだまだ打者は釣られにくいのかもしれない。ボールにまだ充分に体重が乗り切る前にリリースを迎えており、これが前にグッと乗るようになってくると格段に変わってきそうだ。

 ただし、昨年はもっとボールが見やすかったことを考えると、このへんは成長・改善の跡は感じられた。


(フォームのまとめ)

 フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、特に「体重移動」に改善の余地がありそうだ。故障のリスクは平均的で、高めに集まりやすい制球に課題を残す。将来的に武器になるほどの変化球を習得できるかは微妙だが、現時点で変化球のキレや精度は高校生としては悪くない。昨年よりも緩やかではあるが、技術的な改善や成長は感じられた


(最後に)


 実際の投球も技術的な部分も、あくまでも成長途上の投手との印象は残る。しかし、昨年と比べてもこちらのイメージ通りには伸びてきている。恵まれたスペックなども考えると、今後の指導や取り組み次第では、桁違いな投手へと変貌しても不思議ではない。そういった未来像を描ける球団によっては、2位どころか外れ1位あたりで指名されても、私は全然驚かない。そのぐらい、素晴らしい可能性を持った投手ではないのだろうか。


蔵の評価:
☆☆☆(上位指名級)


(2026年夏 奈良大会)


 




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新城 楓雅(奈良大付2年)投手 188/80 右/右 





 「スカウト好みの素材」





 旧チームではリリーフとして経験を積み、新チームからはエースの重責を託された 新城 楓雅 。体格、リーチの長さともにプロのトレンドに合致する「投手体型」であり、マウンドに立つだけで周囲を威圧する雰囲気がある。


【2025年秋季成績と分析指標】

WHIP
0.93(1イニングあたりに許した走者数。1.00を切ればプロ級の制圧力)

K/9
7.20(9イニング換算の奪三振数。長身から投げ下ろす角度の利が表れている)

K/BB
2.40(奪三振と四死球の比率。3.0を超えると優秀とされるが、素材型としては及第点)


投球回数
被安打
四死球 奪三振  防御率
15回 9 5 12 0.60


(投球内容)

ストレート:135キロ〜140キロ中盤 
☆☆★(2.5)

 2年夏の時点では130キロ台後半がメインだったが、秋には最速140キロ台中盤まで引き上がった。特筆すべきはWHIP
0.93という数字。球筋が高いという課題はありながらも、1イニングに一人もランナーを出さない計算であり、長身ゆえの角度が打者にコンタクトを許していないことがわかる。

変化球(スライダー):
☆☆☆(3.0)

 横滑りする軌道でカウントを整える。K/9
7.20という奪三振率を支えているのは、追い込んでからのこのスライダーの精度だろう。

変化球(チェンジアップ・パーム?):
☆☆★(2.5)

 非常に球速が遅く、シュート回転しながら沈む独特の球種。パームボールに近い変化を見せる。モノにできれば、さらに奪三振率(K/9)の向上が期待できる。

(投球のまとめ)

 現状は「完成」には程遠いが、K/BB
2.40という数字からは、大型投手特有の「自滅する危うさ」が比較的少ないことが見て取れる。タイプとしては 達 孝太(日本ハム)に近く、この制圧力のままスケールアップできれば、ドラフト上位候補への浮上も現実味を帯びてくる。





(投球フォーム)

 セットポジションから、勢いよく高々と足を引き上げる。序盤からエネルギーを放出するスタイルで、資質としては
リリーフ向きの爆発力も感じさせる。

<広がる可能性> 
☆☆(2.0)

 引き上げた足をそのまま直線的に下ろすため、軸足のお尻がバッテリーライン上に残りやすく、体を捻り出すスペースが不足している。そのため、カーブやフォークの習得には工夫が必要だ。現状は、球速差のある小さな変化を磨くのが現実的な路線だろう。

<ボールの支配> 
☆☆☆(3.0)

 グラブを内に抱え込み、体の開きを抑える意識は高い。軸がブレにくく、左右の制球は安定しやすい構造だ。ただし、リリースの瞬間に
足の甲が浮きやすく、力むとボールが上ずる傾向がある。球持ちが良いだけに、抜けるような球はあまり見られない。

<故障のリスク> 
☆☆☆(3.0)

 負担の大きい縦の変化球を多用していないため、現時点での肘への懸念は少ない。腕の振りにも無理はなく、肩への過度な負担は見られない。力任せに投げるタイプではないため、疲労蓄積の面でも比較的安心できる。

<実戦的な術> 
☆☆★(2.5)

 「着地」までの粘りがやや淡白で、
ボールの出どころが打者から見えやすいのが難点。角度はあるが、打者からすればタイミングを合わせやすい要素を含んでいる。しかし、体重移動の改善と筋力アップが進めば、打者の手元で伸びる「体感速度の速い球」へと進化するはずだ。

(フォームのまとめ)

 フォームの4大動作で見ると、
「着地」と「開き」に大きな改善の余地がある。足元の安定感が増せば、高めに集まりやすい制球も改善されるだろう。何よりも「武器になる変化球」を見出せるかが、今後の命題となる。


(最後に)

 非常に恵まれた資質の持ち主であり、順調にいけば最終学年には150キロ到達も期待できる。制球や変化球の精度など課題は山積しているが、その「未完成さ」こそが最大の魅力。プロの世界で磨けば化けるという評価を下す球団も現れるはずだ。一冬越えて、どの程度「投手らしく」変貌を遂げているか、確認できる日が待ち遠しい。


(2025年夏 奈良大会)