26kp-15
| 平田 玲翔(大分商3年)投手 188/80 右/右 | |||||||||||||||||||||||||||||||
昨年までは直球の速さにこそ魅力があったものの、制球が粗く、ただ速い球を投げ込むだけの素材といった感じだった 平田 玲翔。しかし、最終学年になって実に落ち着いて投げられるようになってきた。 (投球内容) 夏の甲子園・日本文理戦では、ショートアームから150キロ台を連発。甲子園での2試合では、いずれもリリーフ登板ながら強烈なインパクトを残した。 ストレート 145キロ~151キロ ☆☆☆☆ 4.0 決して無理に速い球を投げようという感じでなくても、150キロ前後の球速が出るのは彼の魅力だ。ボールのバラツキは見られるものの、初戦の日本文理戦では7回を投げて2四死球と制球も安定していた。続く英明戦ではじっくり見られたこともあり、5回で6四死球を与えるなど、本当のコントロールがまだ身についていないのは課題か。しかし、以前のような荒れ荒れのコントロールという感じではなくなっていた。ボールも球威溢れる剛速球というよりも、切れ味鋭い快速球タイプの球質だった。 横変化 スライダー ☆☆☆ 3.0 横滑りするスライダーで、しっかりカウントを整えられる。打者の空振りを誘う球ではないが、この球で確実にカウントを稼げることが大きい。 縦変化 チェンジアップ・スプリット ☆☆☆ 3.0 まだ絶対的な落差はないものの、低めにこういった変化をする球があるのだと意識づけできることは大きい。まだこれらの球の精度が発展途上のため、英明戦では振ってもらえずカウントを悪くしてしまう場面もあった。 投球以外の技術 ☆☆☆★ 3.5 クイックは1.05~1.1秒ぐらいとまずまず。走者が出ればしっかり目配せもできており、走者の進塁を許しにくい。フィールディングの動きも良く、野手としての可能性も感じさせる。それほどボールを長く持ったり、微妙なコースで出し入れするような投球術は見られなかったものの、ピンチでも冷静に対処できていた。そういった精神的な成長が、一冬を越えて大きく変わってきた点なのだろう。 (投球のまとめ) まだ時々危うい姿が顔を覗かせることはあるものの、下級生の頃に比べると格段の成長が感じられる。本格的なコントロールが確立されていないところが、プロレベルに混ざった時に伸び悩む要因になりかねないが、現在はそこまで制球の不安も薄れている。また、本人は投手としてのこだわりが強いということだが、野手としての可能性も捨てきれず、その両方の可能性を視野に入れれば不安な部分も消し飛んでしまいそうな素材ではある。 (成績から考える) 2年秋と3年夏の成績を比較してみたい。 .セイバーメトリクス用語の解説 WHIP:1イニングあたりに何人のランナーを出したかを示す指標。数値が低いほど走者を出す確率が低く、安定した投球ができていることを表します。 K/BB:奪三振数を四死球数で割った値。投手の制球力と支配力を示し、値が大きければ大きいほど無駄なランナーを出さずに三振を奪えている優秀な成績となります。 K9 (奪三振率):9イニングを投げた場合に平均して何個の三振を奪えるかを示す指標。高ければ高いほど三振を奪う能力(球威や変化球のキレ)が高いことを示します。 BB9 (与四死球率):9イニングあたりに平均して何個の四死球を与えるかを示す指標。低いほどコントロールが安定しており、自滅のリスクが少ないことを表します。
成長した部分(大きく改善された点) 1 圧倒的な打たれ強さとイニングイーターとしての進化(WHIPの劇的改善) 最も顕著な成長は、WHIPが 1.50 から 1.08 へと大幅に改善された点です。2年秋は1イニングあたり1.5人の走者を背負う苦しいピッチングでしたが、3年夏は1.08という極めて優秀な水準を記録しました。 ここが成長: 投球回数が約2倍(15.1回 → 29.6回)に倍増し、より長いイニングを任されるエース格へと成長したにもかかわらず、被安打をわずか12本に抑え込みました。打者の芯を外す投球術や全体の制圧力(打たれにくさ)が格段に向上しています。 鈍化した・課題となった部分(悪化した点) 1 奪三振能力の低下と制球の乱れ(K9・K/BB・BB9の数値悪化) 一方で、セイバーメトリクスのプロセス系指標には明確な衰えや課題が見て取れます。特にK/BBは1.80 から 1.05 へと急降下し、ほぼ「1.0(三振数と四死球数がほぼ同数)」の状態に陥っています。 K9(奪三振率):10.57 → 6.37 と大きく低下。以前は圧倒的に三振を奪えていましたが、夏はバットに当てられるケースが増加しました。 BB9(与四死球率):5.87 → 6.07 と悪化。もともと四死球が多い傾向にありましたが、イニングが増えても改善されず、依然として高い水準で推移しています。 ここが鈍化・課題: 三振を奪う力が落ちた一方で四死球が増加(あるいは割合が高止まり)したため、カウントを悪くする場面が増えています。3年夏に防御率は 1.82 と見かけ上は安定して見えますが、プロセス(内容)としては非常にヒヤヒヤする内容だったことが分かります。 (成績からわかること) 2年秋から3年夏にかけて、投手としてのスタイルに大きな変化が見られました。 【進化の側面】 経験を重ねてイニングイーターとしてのスタミナと、被安打を最小限に抑える「打たせて取る(あるいは芯を外す)ピッチング」が高度に身につきました。防御率の良さが示す通り、試合を作る能力は確実に向上しています。 【今後の課題】 その反面、球威やキレの低下によって三振が取れなくなり、四死球による自滅のピンチが増えています(WHIPが低いのは被安打が奇跡的に少ないため)。次のステージでさらに上のレベルを目指すためには、「四死球を減らすこと(BB9の改善)」、そして「カウントを有利に運ぶ制球力や空振りを奪える球種・球質の追求」が不可欠な課題となります。ただしこの数字は、全国大会レベル(甲子園)の数字も含まれていることは、秋の成績との比較の中で留意しないといけない点ではあります。 (最後に) いずれにしても、制球力の不安は未だに課題として残り、縦の変化球も発展途上であることから、決め手に欠ける面もうかがえます。それだけに、150キロ台の速球は魅力たっぷりであるものの、素材としてはかなりリスキーな一面は否めません。 しかし、右打席から一塁までの到達タイムが4.05秒前後(左打者換算で3.8秒前後に相当)という脚力はプロでも上位クラスであり、バネの利いた走る姿には惚れ惚れするものがあります。ショートアームから150キロを投げ込む強肩や、フィールディングの動きの良さからも野手としての可能性も強く感じさせます。大分大会で打率.476をマークした打撃センスもあり、仮に投手として大成できなくても、野手として大化けする可能性を十分に感じさせてくれる素材です。 本人は投手へのこだわりが強いとの話ですが、プロ入り後は「二刀流」というよりも、まずは投手としての可能性を追求し、万が一の場合は野手に転向するという選択肢を取ることになるでしょう。そういった意味では、リスクのある素材だと評価したとしても、それを補って余りある野手の魅力が評価を相殺・プラスに押し上げるように思います。投打両方の高いポテンシャルを評価した上で、上位指名すべき選手ではないでしょうか。ドラフトでも3位前後での指名が期待できそうです。野手としては、右打者と左打者の違いはあるものの、近畿大時代の 糸井 嘉男(日本ハム1位〜阪神)を彷彿とさせます。 蔵の評価:☆☆☆(上位指名級) (2026年夏 甲子園) |
| 平田 玲翔(大分商2年)投手 186/75 右/右 | |||||||||||||||||||
ビシッとミットに突き刺さるような速球は、今年の九州地区でも屈指の素材である 平田 玲翔 。現時点では「素材型」の域を脱していないが、そのポテンシャルは数字の面からも非常に高い魅力と課題を突きつけている。
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投球回数
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被安打
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四死球 | 奪三振 | 防御率 | K/BB | WHIP | K9 | BB9 |
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| 15回1/3 | 13 | 10 | 18 | 1.76 | 10.57 | 5.87 | 1.80 | 1.50 |