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| 葛西 倖生(中央学院大)投手 173/80 右/右 (弘前学院聖愛出身) | |||||||||||||||||||||
上背はないが、ガッチリした体格からガンガン力のあるボールを投げ込んでくる 葛西 倖生。堂々としたマウンドさばきで、使いべりしないリリーフ投手としては面白い存在かもしれない。
(投球内容) この春のリーグ戦では、7試合全てに先発して、3勝4敗、防御率3.54 と、ドラフト候補としてはやや物足りない成績で終わった。3年秋には、松山で行われた大学日本代表候補合宿に参加している。 ストレート 145キロ前後~150キロ ☆☆☆★(3.5) ボール自体にはかなり力があり、それなりに見栄えはする。観戦した試合では、初回から148キロを連発し、自前のガンでも91マイル(146キロ)を記録していた。生で観戦した試合ではそこまで制球が悪いと感じなかったが、別の試合の模様を見ると球筋全体が高く見える。また、56イニングを投げて24四死球ということで、与四死球率は42.9%(※打者対戦数に対する割合)となり、制球がアバウトなのは間違いなさそうだ。あと、投球回数に近い数の被安打を浴びているところからも、ボールの力のわりに芯で捉えられやすい傾向があるのかもしれない。 横変化 スライダー ☆☆☆(3.0) 右打者には横滑りするスライダーとのコンビネーション。それほど空振りを誘うような球ではないが、カウントはしっかり整えられる。 縦変化 フォーク(チェンジアップ?) ☆☆☆(3.0) 左打者には、フォークだかチェンジアップのような球とで投球を組み立ててくる。この球も空振りを誘うというよりも、引っ掛けさせる意味合いが強そうだ。1イニングあたりの奪三振が0.66個(K/9:5.95)とボールのわりに平凡なのは、決め手不足を感じさせる。 緩急 カーブ ☆☆★(2.5) 他にも緩いカーブを投げてくるが、それほど投球の中で大きなウエイトは占めていなさそうだ。 投球以外の技術 ☆☆☆★(3.5) クイックは0.95〜1.05秒ぐらいとまずまず。牽制やフィールディングは平均的な感じだったが、マウンド度胸は良さそうな投手だった。 (投球のまとめ) 真っ直ぐの威力は確かなのだが、プロを想定すると現状は武器となるほどの球とは言えないように思う。それだけに、短いイニングでどのようなピッチングをするかは一度見てみたい気がする。 (投球フォーム) セットポジションから、足を引き上げる勢いは感じられる。そういった躍動感のあるフォームが、投げっぷりの良さを印象づけているのだろう。ただ、軸足一本で立ったときに膝から上がピンと伸びてしまい、力みが感じられる。こうなるとバランスを取ろうとして無駄な力が入るため、制球を乱す要因になりやすい。 <広がる可能性> ☆☆☆(3.0) 引き上げた足を地面に向けて伸ばすため、お尻の一塁側への落としには甘さが残る。したがって、カーブやフォークといった球種が投げられないことはないが、その変化は鈍くなりがちである。 「着地」までの地面の捉えは悪くないように見え、体を捻り出す時間もそれなりにある。武器になるほどの大きな変化は難しいかもしれないが、変化球全般のキレ自体は悪くないだろう。 <ボールの支配> ☆☆★(2.5) グラブは内に抱えられているものの、最後には体から離れてしまっている。こうなると外に逃げようとする遠心力を十分に抑え込めず、軸がブレる要因を作ってしまう。また、足の甲での地面の捉えもまだ少し浅く、浮き上がろうとする力を十分に抑えられていないようだ。そのため力んでしまうと、ボールが上吊りやすいのではないだろうか。 <故障のリスク> ☆☆(2.0) お尻の落としが甘い割に、縦の変化にフォークを使っているとすれば多少気になるところだ。体を捻り出すスペースが足りず窮屈になり、肘などに負担がかかりやすい。また、ボールを持っている肩が上がり、グラブを持っている肩も下がりがちである。そういった腕の送り出し方からも、肩への負担が懸念される。さらに、かなりの力投派であるため、疲労も溜まりやすい恐れがある。 <実戦的な術> ☆☆☆(3.0) 「着地」までの粘りは悪くないように見えるが、ボールの出どころは早く見えやすい。投球回数に近い被安打を浴びているのも、この「開き」の早さに原因がありそうだ。 しかし、腕の振りは強く、うまく出どころを隠せれば打者はもっとその勢いに釣られるはずだ。ボールにはしっかり体重を乗せてからリリースできており、打者の手元まで強い球は投げられている。 (フォームのまとめ) フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」のなかでは、「開き」に課題を感じる。制球を乱す原因や故障の不安もあるため、将来的に武器となる変化球を見出していけるかが鍵になりそうだ。 (最後に) 実際に生で見たときは、「短いイニングであればまた違って見えそうだ」とは感じた。しかし、投球の粗さやフォームの不安要素も多く、指名するにはそれなりの覚悟が必要そうである。それだけに、指名があるとすれば育成枠での指名になるのではないかと感じた。 (2026年 春季リーグ戦) |