26dp-25





携帯版はコチラから



西平 晴人(日体大4年)投手 180/90 左/左 (近大附属出身) 
 




 「的が絞り難い」





 荒れ球と肘の突っ張った癖のあるフォームから繰-り出される投球は、打者にとって中々狙いが定め難い厄介なタイプだ。そんな投手が、西平 晴人 という投手ではないのだろうか。


(投球内容)

 この春のリーグ戦では、
4勝0敗、防御率1.06(2位)の好成績を残したものの、大学選手権の慶應戦では先発するも1回1/3イニングでK.O.されている。ちなみに、この春のリーグ戦成績は以下の通りである。


シーズン 
投球回数
被安打
四死球 奪三振 防御率 K/BB WHIP K9 BB9
4年春  34回 25 10 25 1.06 2.50 1.03 6.62 2.65


ストレート:140km/h~140km/h台後半 ☆☆☆★(3.5)

 一見荒っぽそうな投球に見えるのだが、ボールは意外に
外角に集められている。ただし、細かい制球が利くわけではないため、欲しい時にしっかりストライクが取れなかったり、ゾーン内に甘く入ってくることも少なくない。もっとも、34イニングで10四死球(与四死球率2.65)なので、コントロールも許容範囲だろう。

横変化(スライダー):
☆☆☆(3.0)

 それほどスライダーの割合が多いわけでもなく、多彩な変化球の一つといった感じだ。そのため、相手に狙いを絞らせず、ストライクカウントを稼ぐのに役立っている。

縦変化(チェンジアップ):
☆☆☆(3.0)

 この球もさほど多く使ってくるわけではないが、むしろ打者を打ち取るという意味では、スライダーよりも有効に作用している。

緩急(カーブ):
☆☆☆(3.0)

 スライダーやチェンジアップの割合が多くない中、かなり緩いこの球をアクセントに使ってくる。打者の空振りを誘う球ではないが、真っ直ぐとのスピード差やカウントを整えるのに使ってくる。1イニングあたりの奪三振(
K/9)も約6.62個ということで、決して多いとは言えない。

投球以外の技術 
☆☆☆(3.0)

 クイックは1.05秒前後~1.2秒ぐらいと幅があるが、これが意図して投げるタイミングを変えているのかは不明だ。牽制などは確認できなかったが、走者にしっかり目配せをしてスタートを切らせ難くできていた。それほど巧みな投球術や駆け引きをしているようには見えなかったが。

(投球のまとめ)

 冒頭にも触れたように、荒れ球と変化球を交えて狙いが絞り難い投球が持ち味だ。相手が悩んでいる間にズバッと真っ直ぐが決まることもある。その辺りがうまく散っている時は良いものの、慶應戦で見せたように粗さが全面に出てしまうと、早い回でノックアウトされてしまう危うさも兼ね備えている。






(投球フォーム)

 実際の投球を見ても半信半疑なところがあるため、フォームを分析して考えてみたい。セットポジションから足を引き上げる勢や高さは並みぐらい。軸足一本で立ったときにも膝から上が伸びがちで力みが感じられ、全体のバランスとしてはもう一つといった印象を受ける。

<広がる可能性>
☆☆(2.0)

 引き上げた足を地面に向けて落とすような、立ち投げに近い形になっている。そのため、体を捻り出すスペースが十分に確保できず、カーブやフォークといった縦の変化球を投げるのには本来あまり適していない。その割に大きなカーブは投げられているので、その点はあまり気にしなくてもよいのかもしれない。

 「着地」までの地面の捉えも早く、体を捻り出す時間が足りない。こうなると、曲がりの大きな変化よりも、球速のある小さな変化を中心に投球の幅を広げていくことになりそうだ。

<ボールの支配>
☆☆☆(3.0)

 
グラブは最後まで内に抱えられ、外に逃げようとする遠心力をしっかりと内に留めることができている。実際の投球でも外角中心にボールを集めることができていた。その一方で、足の甲での地面の捉えが浮いてしまい、ボールが高めに集まりやすい。「球持ち」に関しては平均的で、それほど繊細なコントロールをつけられるタイプではなさそうだ。

<故障のリスク>
☆☆(2.0)

 お尻が落とせていない割にカーブを結構使ってくるので、体が窮屈になって肘などに負担が出ないとよいのだが。また、ボールを持つ側の肩が上がり、グラブを持つ側の肩が下がるなど、腕の送り出しにも負担がかかりやすい。そこまで力投派だとは思わないが、
体のケアには十分注意したい。

<実戦的な術>
☆☆☆(3.0)

 「着地」までの粘りは短いものの、ボールの出どころはしっかりと隠せている。そのため打者にとっては、見えないところからピュッとボールが出てくる感覚に陥りやすい。また、腕の振りがそこまで強くはないため、ここがもっと振れるようになると、打者もさらに差し込まれそうになるだろう。まだしっかりと体重が乗った状態でリリースできていないため、打者の手元までの勢いや球威はそこまで感じられない。

(フォームのまとめ)

 フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」のうち、「開き」以外の部分には改善の余地が残されている。制球面では高めに集まりやすい球筋が見られ、故障のリスクも小さくない。将来的に、いかに武器となる球を見出していけるかが鍵になりそうだ。


(最後に)


 的が絞りづらい投球に、独特の癖の強い投げ方。さらに角度を生かした球筋でもあり、打者としては捉えづらい嫌らしさがある。その一方で、かなりリスキーなフォームでもあるだけに、評価の分かれるタイプではないだろうか。この個性を生かした投球ができるか、秋まで追いかけて見極めて行きたい。


蔵の評価:
追跡級!


(2026年 大学選手権)