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 藤澤 涼介(24歳・東京ガス)中堅 187/87 右/右(佐野日大-横浜国大出身) 





 「あまり変わっていなかった」





 横浜国大時代から、非凡な身体能力と高いポテンシャルを有していた 藤澤 涼介。しかし、当時はプロで何としても飯を食ってやろうという「ギラギラしたもの」が感じられず、社会人へ進んだのも大いに納得のいくところだった。そして、再びドラフト解禁を迎えた社会人2年目の今年。フタを開けてみれば、そういった内面の部分は以前と変わっていなかった。


走塁面:
☆☆☆★(3.5)

 一塁までの到達タイムは、右打席から 
4.30秒前後。これを左打者に換算すると4.05秒前後と、基準タイムをやや上回る程度だ。大学日本代表合宿の50メートル走で全体2位のタイムを叩き出した本来の脚力からすると、やや物足りない数字ではある。今年の公式戦でも22試合で盗塁は4個にとどまっており、圧倒的な走力がありながらも、盗塁技術や積極的な意欲という意味では物足りなさが残る。

守備面:
☆☆★(2.5)

 打球への反応はイマイチで、捕球もどこか恐る恐る行っているような印象があり、
守備に関してはかなり見劣りするのが確かだ。高い身体能力を買われてセンターを任されているものの、社会人のレギュラーセンターの動きとしては物足りなさを覚える。肩自体は中の上クラスの力がありそうだが、送球に自信がないのか、弱々しいスローイングになってしまうことも少なくない。今年のスポニチ大会でも、ホームへの返球で捕手の頭をはるかに越えていくような大きく逸れた送球を投げていた。肩の強い弱いの問題ではなく、送球の精度やメンタル的な部分も大きいそうだ。

 プロでセンターをこなせるだけのベース(肩や足のポテンシャル)は備えているものの、それがどこまでプロの環境で磨かれ、本人が本気で努力できるかに懸かっていると言える。






(打撃内容)

 社会人1年目と2年目の成績を比較して、成長や変化について考えてみたい。イメージ的には、社会人一年目以上に対応力を増した印象である一方、長打は薄れた印象を受けている。

年度  打率 打数 安打 本塁打 打点 三振 四死球 出塁率 長打率
25年  .391 69 27 4 16 9 6 .440 .667
26年  .411 90 37 4 17 13 10 .470 .662


打率: .391 ⇒ .411(
上昇)

出塁率: .440 ⇒ .470(
上昇)

長打率: .667 ⇒ .662(微減)

OPS: 1.107 ⇒ 1.132(
上昇)

IsoP(長打力指標): .276 ⇒ .251(
低下)

BB/K(選球眼指標): 0.67 ⇒ 0.77(
向上)

 まず特筆すべきは、打率および出塁率の向上に伴い、総合的な打撃力を示す
OPSが1.107から1.132へとさらにスケールアップしている点だ。打数が69から90へと増加してマークした数字であるため、単なるまぐれではなく、社会人投手への対応力が確実に向上している証拠と言える。

 選球眼やアプローチ面を見ると、四死球が増加したことで
BB/K(四死球と三振の比率)が向上しており、ボールを見極める余裕や打席内での粘り強さが出てきている。三振の割合も大きく増えておらず、非常に優れたアプローチを維持している。

 一方で、懸念されていた「長打の薄れ」についてもデータに表れている。単打や塁打の増加により打率は上がっているものの、純粋な長打力を表す
IsoP(長打率から打率を引いた数値)は.276から.251へと低下しており、本塁打数も2年連続で4本にとどまった。圧倒的な身体能力を持つ割には、長打を量産するスタイルから、鋭い打球で広角に安打を重ねるアベレージヒッター的な確実性重視の打撃へとシフトしている様子がうかがえる。

 進化している部分
(対応力、出塁率、確実性)と、あまり変わっていない・あるいは物足りない部分(長打の爆発力)が数字としても綺麗に分かれており、これが彼のポテンシャルと実際の成績のギャップを紐解く大きな手がかりとなりそうだ。

スカウト視点の補足・感想

「対応力の進化」と「長打の物足りなさ」の完全な数値化:

 打数・安打・四死球・長打率の推移から、「打率・出塁率・OPSは上がっているのに、IsoP(純粋な長打力)は下がっている」という現象が綺麗に浮かび上がります。「長打は薄れたが対応力は増した」という直感が、セイバー指標で完璧に裏付けられる形になっています。実際打撃フォームも、それほど昨年から変わっていないように思えた。



(最後に)

 社会人で4割を超えるような成績を残せる打者は稀であり、しかも対戦相手がいずれも企業チームであったことを加味すると、この数字は驚嘆に値する。長くバットを豪快に振り回すスタイルでありながら、これだけの高い対応力を発揮しているのは異常とも言えるほどだ。彼の「プロで何としても生き抜いてやるという強い野心が感じられない部分」をその本質(マイナス要素)と見るか、あるいは「まだ本当の意味で潜在能力が引き出されていないだけで、底知れない伸び代が多分にある」と見るかで、評価は大きく分かれるのではないだろうか。

 特に今年の公式戦で、無安打に終わった試合がわずか1、2試合しかないという安定感も驚異的である。そういった
素材としての凄みやスケール感は、今年のドラフト候補の中でも間違いなくNo.1だと評価したい。一方で、プロで大成できるのかと言われると、私自身は半信半疑なところが抜けず、不安を完全に払拭するには至らなかった。

 それでも、ドラフトでは1位級の素材であり、悪くても2位の前半には指名されるのではないかと見ている。うまくその才能が引き出されれば、将来は「右の柳田悠岐(ソフトバンク)」クラスの日本を代表する打者に育つかもしれない。その能力が確かならば、一年目からプロでも異彩を放つ活躍を魅せるはずだ。


蔵の評価:
☆☆☆☆(1位指名級)


(2026年 都市対抗)


 




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 藤澤 涼介(23歳・東京ガス)中堅 187/87 右/右(佐野日大-横浜国大出身)





 「眼の色は変わってきたか?」





 横浜国大時代から強打の外野手として注目されてきた 藤澤 涼介 。しかし、実際に生で見ていると、プロで飯を食っていこうという「ギラギラしたもの」が感じられず、社会人に進んだのも納得できる部分があった。社会人1年目から目覚ましい活躍を見せてきたが、再びプロ解禁の年を迎える今年、その眼の色は変わってきているのか。改めて注目してみたい。


【走塁面:
☆☆☆★(3.5)】

 一塁までの塁間タイムは、右打席から4.4秒前後(左打者換算で4.15秒前後に相当)と、ドラフト候補としては平凡な数字だ。2025年度の公式戦20試合で4盗塁を記録。大学日本代表候補合宿の50メートル走では、全体2位の5.97秒を記録するなど、
脚力自体は一級品のものを持っている。ただし、盗塁技術や走塁への意欲については、今年見極めてみたいポイントである。現状では、まだその圧倒的な走力を実戦で示しきれてはいない。

【守備面:
☆☆☆(3.0)】

 脚力を考えれば守備範囲は広いはずだが、飛んでくる打球への反応やキャッチングに関しては、まだ恐る恐る守っている印象が強い。大学時代から守備に関しては「並」の評価であり、肩もさほど強い部類ではない。社会人日本選手権を見る限り、現状で守備力が大きく改善されているようには見受けられなかった。






【打撃内容】

 
天性の長距離砲といった趣で、芯で捉えた時の飛距離は圧巻だ。しかし、昨秋の日本選手権では、右方向中心のチームバッティングに徹していたように思える。社会人レベルでも際立つ打力を見せているが、2年目はどういった方向性でプレーするのだろうか。

■セイバーメトリクス補足指標

OPS:
1.107 (出塁率+長打率。打者の総合的な得点貢献度を表す指標。1.000を超えるとリーグ最高級の評価となる)

IsoP:.
276 (長打率ー打率。純粋な長打力を示す指標。一般に.200を超えれば長距離砲とされる中、.270超は驚異的な数値)

BB/K:
0.67 (四球÷三振。選球眼と打席での粘り強さを示す指標。1.00を超えると優秀とされるが、長距離砲としては合格点)


 打率 打数 安打 本塁打 打点 三振 四死球 出塁率 長打率
 .391 69 27 4 16 9 6 .440 .667


【打撃メカニズム詳細】

<構え>
☆☆☆★(3.5)

 右打席で両足を揃えたスクエアスタンス。グリップを高く添え、バットを長く持った強打者スタイルだ。腰の据わり、両目で前を見据える姿勢も安定しており、全体のバランスは整っている。

<仕掛け:
遅め>

 投手の重心が沈み込み、前へ移動する段階で動き出す「遅めの仕掛け」を採用。ボールを限界まで引き付けてから動き出すこのタイミングは、
天性の長距離打者によく見られる傾向だ。

<足の運び>
☆☆☆★(3.5)

 足を軽く上げ、スクエアからややベース側へ踏み込むインステップ。始動から着地までの「間」が短いため、狙い球を逃さず仕留める鋭さが求められる。ただ、タイミングがズレた際、一度ベース側に「チョン」と
ステップし直して合わせる器用な一面もある。意識が外角寄りにあるためか、踏み込んだ前足がインパクトの際もブレずに粘れる。そのため、逃げていく球や低めの球にも食らいつくことができ、右方向へきっちり打ち返す打撃が可能だ。

<リストワーク>
☆☆☆(3.0)

 「トップ」を早めに作ることで、始動の遅さを補っている。ただ、早い段階でバットを引くためリストの遊びが少なく、柔軟性はそれほど高くない。バットの出し方はインサイドアウトではないため、インパクトまでに多少のロスはあるが、
内角球に対して肘を畳んで引っ張る技術は持っている。スイングの弧が大きく、捉えた時の打球の伸びは素晴らしい。

<軸>
☆☆☆★(3.5)

 目線の上下動は少ない。腰は早めに開くタイプだが、足元の粘りで開きを最小限に留めている。軸足の使い方が少し窮屈に見えるため、根本的に内角捌きが得意なタイプではないだろう。甘い真ん中から外角寄りの球を引っ叩くのが、最も得意なパターンに見える。


【総括・最後に】

 始動が遅くても緩急に対応でき、チームバッティングに徹して右へ打ち返す器用さがある。一方で、IsoP(純粋な長打力)が示す通りの稀代の長打力を持ちながら、チームバッティングに傾倒しすぎるのは惜しい気もする。
豪快さを失わず、いかに高いレベルでバランスを取れるかが鍵となるだろう。

 素材を活かしきれていない面はあるが、数字上は社会人トップクラスの一流の証を刻んでいる。今シーズン、その成績を維持できるか、そして何よりプレーの端々から「野球で飯を食うんだ」という明確な意志が感じられるようになるか。その精神面の進化に注目したい。


(2025年 日本選手権にて)


 








藤澤 涼介(横浜国大3年)外野 186/86 右/右 (佐野日大出身) 





「まだまだだけど」





 国立大の横浜国大に、ドラフト候補になりうる強打者がいる、その男の名前は 藤澤 涼介 。神奈川リーグでは通算5本塁打を放ち、秋の大学日本大学合宿にも招集され、連日の紅白戦でヒットを放って魅せた。


(守備・走塁面)

 一塁までの正確なタイムは計測できなかったが、合宿参加メンバー中2位となる、5.97 をマーク。昨年は、2シーズンで5盗塁を記録するなど、徐々に脚力を活かすプレーができるようになってきた。

 外野手としての守備・キャッチング・反応などは並といった感じで際立つものはなかった。また、外野からの返球は、ドラフト候補としては、やや物足りない印象を受けた。走力は確かだが、守備・肩には物足りなさを残している。






(打撃内容)

 3年秋のシーズンは、13打点をあげて、
リーグの打点王に輝いている。どちらかというとと、スラッガーというよりも、広角に打ち返す中距離・ポイントゲッタータイプではないかとみている。打球も、右方向への打球が目立つ。

<構え> 
☆☆☆★ 3.5

 両足を揃えたスクエアスタンスで、グリップを高めに添えた強打者スタイル。腰の据わり具合・両眼で前を見据える姿勢・全体のバランスと悪くないが、構えた時に体のどこも動かさず
「揺らぎ」の動作がないせいか? 何処か固いというか脆い印象は受ける。

<仕掛け> 遅すぎ

 投手の重心が下がりきった、前に移動する段階で動き出す「遅めの仕掛け」を採用。この仕掛けは、できるだけボールを引き付けてから叩くので、天性のスラッガーや生粋のニ番打者などに多くみられる仕掛けです。今のところ、彼がどちらなのかは正直わかりません。

<足の運び> 
☆☆☆ 3.0

 足を小さくステップさせ、真っすぐ踏み出してきます。始動から着地までの「間」が短いので、狙い球を絞ってその球を逃さないことが求められます。真っすぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたい意志の現れか?

 真っすぐ踏み出した足は、
インパクトの際にもブレずに止まっています。そのため、逃げてゆく球や低めの球にも食らいつくができます。ただし、腰が早めに開くので、そこまでそういった球が得意ではないのかもしれません。

<リストワーク> 
☆☆☆ 3.0

 打撃の準備である「トップ」の形は早めに作れているので、速い球に立ち遅れ難くなっています。バットの振り出しは、
少し遠回り出てくるので、腰が早く開く割に、内角のさばきが得意では無さそう。外角も腰が開く分、そこまで逃げてゆく球や低めに強いわけではないのかもしれません。

 それでもバットの先端であるヘッドはそこまで下がっていませんし、
インパクト後は大きな孤を描きながら、しっかり振り切れています。タイミングさえ合えば、右方向へ大きな打球が飛ぶタイプなのかもしれません。

<軸> 
☆☆☆ 3.0

 足の上げ下げは静かなので、目線の上下動は少なめ。体の開きも我慢できているのですが、軸足の形が少し崩れがちなのと、
内モモの筋肉にはまだ強さが感じられません。この辺が強くなってくると、打球の速さや飛距離も変わってきそうです。

(打撃のまとめ)

 内角や外角厳しいところは難しそうな感じで、
さばけるゾーンは狭いのかなといった印象を受けます。スイング軌道がやや遠回りなのも、気になる部分もあります。しかし、ポイントが後ろの方で、右方向にも大きな打球が飛ぶタイプなのかもしれません。


(最後に)

 脚力があったり、大きな打球を飛ばせたりと、素材としての魅力はあります。ただし、国立大の選手のせいか? まだ
体つきやスイング自体に弱さが感じられ、ドラフト候補としてはやや物足りません。最終学年でどのぐらい変わってくるかだと思いますが、大学から直にというよりも、社会人などを経由してからといった候補になってゆくかもしれません。いずれにしても、神奈川リーグでは注目の打者だと思うので、注視して見守って行きたい一人です。


(2023年 松山合宿)