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松平 快聖(神奈川大4年)投手 191/88 右/右  (市原中央高出身) 





 「凄く良くなっている」





 190センチを超える長身ながら、下から腕が出てくる 松平 快聖。この春は、真っ直ぐでグイグイ押す力強さが加わってきた。


(投球内容)

 この春は 
8試合に登板し4勝4敗。しかし、防御率1.93 で最優秀防御率に輝いている。ただし、チームは大学選手権への出場を逃している。

ストレート 135キロ前後
☆☆☆★(3.5)

 「下手の球速は上手の+15キロぐらいに匹敵する」といつも言っているが、130キロ台中盤でも、
打者には150キロ近い感覚に感じられているのではないだろうか。そのためこの春は、各打者が振り遅れる場面が目立っていた。球威が増しただけでなく、両サイドへもしっかりコントロールできていた。下手特有の浮き上がる球筋や内角を厳しく突ける投球は相当希少価値の高いボールを投げていたことになる。

横変化 スライダー
☆☆☆(3.0)

 右打者には外角に逃げていくスライダーとのコンビネーションで組み立ててくる。この球は空振りを誘うほどではないが、カウントはしっかり稼げている。

縦変化 シンカー
☆☆☆★(3.5)

 左打者に対してはこの球とのコンビネーション。右打者にも時々織り交ぜてくる。この球では結構
三振も奪えていた

投球以外の技術
☆☆☆☆(4.0)

 クイックは0.9秒台の高速で投げ込んでくる。それでいて非常に鋭い牽制も織り交ぜてくるため、走者としてはスタートが切りづらい。フィールディングの動きも良く、190センチ台の大型選手だが実に
動きは俊敏だ。今後は、ボールを長く持つ、投げるタイミングを変えるなど、そういった投球術が身についてくれば、投球の幅もさらに広がりそうだ。

(投球のまとめ)

 昨年に比べるとボールの勢いや強さが増し、そのうえ制球力も安定していた。このような投球を続けられるのであれば、
プロでも1年目から戦力になれるのではないかと思えるほどだった。





(成績から考える)

 今度は、残した成績から彼の今後の可能性について考えてみたい。

リーグ戦 
投球回数
被安打
四死球 奪三振  防御率
4年春 56回 38 18 29 1.93

 この春に記録した投球回56、防御率1.93という安定感は、単なる偶然ではなく優れたセイバーメトリクスの指標によっても裏付けられている。

 まず、投球全体の安定感を測るうえで重要となるWHIP1.00という優れた数字をマークしている。WHIPとは1イニングあたりに何人の走者を許したかを示す指標であり、これが1.00前後というのは、走者を背負う場面が少なく安定した投球ができていた証拠だ。被安打(38本)と四死球(18個)を合わせた走者の出塁が非常に巧みに抑えられていることがわかる。

 また、制球力の安定度を示すBB/9(9イニングあたりで許す四死球の割合)は約2.89となり、3.0を切る安定した制球力を示している。四球から無駄にピンチを広げない安定した試合メイクが、この春の防御率1.93という好結果に直結したと言える。

 一方で、奪三振能力を示すK/9(9イニングあたりで奪える三振の割合)は約4.66という数値になる。極端な本格派のように圧倒的な数の三振を奪うタイプではないものの、前述した「下手特有の浮き上がる球筋」や「150キロ近い体感速度」に代表されるように、打者が思わず振り遅れる質の高いストレートやコンビネーションで効率よく凡打の山を築く投球スタイルがデータからも浮き彫りになる。

 このように、四球を抑え、走者を最小限に食い止めながら打者を詰まらせる投球スタイルは、プロの舞台や上のカテゴリにおいても非常に計算が立ちやすい要素である。ボールの勢いや投球術にさらなる磨きがかかれば、プロの世界でも早い段階からブルペンや先発の一角として計算できる魅力を秘めている。


(最後に)

 リーグ通算20勝を記録した実績はあるものの、プロの1軍でいきなり先発を期待するには投球の奥行きが物足りない。しかし、ことリリーフであれば、1年目から貴重な戦力になりうるのではないかと思っている。すべてのカテゴリーを見ても、
今年ナンバーワンのサブマリンであることは間違いないだろう。もしプロ志望であれば、ぜひチームに1人加えてみたいと思う球団も出てきそうだ。


蔵の評価:
(下位指名級)


(2026年 春季リーグ戦)


 








松平 快聖(市原中央2年)投手 191/83 右/右 





  「アンダーハンドも探しています」





 毎年ドラフト戦線を見渡してみても、なかなか下手投げのドラフト候補は見当たらない。そんな中、その可能性を秘めているかもしれないのが、この 松平 快聖 なのだ。


(投球内容)

 190センチを超える大柄なサブマリンなのだが、最大の魅力は制球力が安定しているということ。変則フォームの投手は得てして、制球に課題がある選手が多いからである。

ストレート おそらく120キロ台 
☆☆ 2.0

 下手の球速は、上手投げのプラス15キロぐらいにすると、おおよそのイメージができると私はいつも書く。正確な球速はわからなかったが、おそらく投げている球は120~125キロぐらいだったのではないかと。これを上手投げに換算すると、135~140キロぐらいという感じか。ただし、このぐらいの球速ならば、高校からのプロ入りは難しいだろう。やはり、安定してあと5キロ~10キロ前後は引き上げたいところではある。

 この選手の良いところは、細かいコントロールはまだないものの、四死球で自滅する心配が無さそうだということ。まだボールの切れや勢いは平凡で、それほど打者の空振りを誘えるほどではないのだが。このへんが、高めの浮き上がってくるような球で空振りが奪えてくると、ドラフト候補として見えてくるのではないのだろうか。

変化球 シンカー・スライダー・カーブなど 
☆☆☆ 3.0

 打者の空振りを誘うほどではなかったが、適度に沈んでタイミングを狂わせるシンカーを持っている。他にも小さく横滑りするスライダーなどがある。また一度浮き上がって沈むようなカーブは、ちょっと高校生ではみたことがない軌道で、要所で使ったら効果的ではないかと思うのだ。全体的にコントロールが悪くない割に、変化球も一定レベルにあるところが、この選手の推せる材料の1つではないかと。

その他

 大型のアンダーでも、クィックは1.0~1.1秒ぐらいとまずまず。牽制も適度に上手いし、フィールディングの動きも悪くない。大型でも、動きが緩慢ではないところに、この選手の可能性を感じさせる。

(投球のまとめ)

 現状ドラフト候補になりうるほどなのかと言われると微妙なのだが、一定のまとまりと総合力のある投手であることは間違いない。もう少し真っすぐの勢い・キレが増して来ると、変化球や制球力が悪くないだけに面白い存在になりうるのだが。


(最後に)

 なかなか高校生のサブマリンを追いかけた経験がないので、この時期にこのぐらいやれていればという目安がない。私が確認したのは、夏の市立柏戦。しかし、秋の大会では、強豪・拓大紅陵 を破るなどの活躍も魅せたという。ぜひ、春季大会から投球を確認しに行きたい一人ではないのだろうか。


(2021年夏 千葉大会)