26sp-1





梅田 健太郎(23歳・ヤマハ)投手 181/80 右/左 (横浜隼人-立正大出身)





 「社会人の筆頭格」





 今年の社会人ドラフト候補の中でも、投手で筆頭格にあたるのがこの 梅田 健太郎 だ。果たしてどのような投手なのか、検証してみたい。


(投球内容)

 右の本格派で、立正大時代から主戦として活躍。東都二部に在籍していたため目立たない存在ではあったが、リーグ戦では2位の防御率を記録するなど実績のある投手だった。社会人1年目からヤマハの主力となり、都市対抗・日本選手権の二大大会でも先発を任されている。


【指標の簡易解説】

K9(奪三振率): 1試合(9イニング)でいくつ三振を奪えるか。8.0を超えると高い奪三振能力を示す。

BB9(与四球率): 1試合でいくつ四球を出すか。2.0前後はプロでもトップクラスの制球力。

K/BB: 三振と四球の比率。3.5を超えると「優秀」とされ、投手の能力を最も反映すると言われる。

WHIP: 1イニングあたりに許した走者の数。1.10以下は球界を代表するエース級の数値。



投球回数
被安打
四死球 奪三振 防御率 K/BB WHIP K9  BB9
53回2/3 42 12 49 3.35 4.08 1.01 8.22 2.01


ストレート(145キロ前後〜150キロ):☆☆☆★(3.5)

 
角度と球威を感じさせる真っ直ぐで、常時145キロ前後の球速を刻んでくる。制球(コマンド)にはかなりバラツキがあるのだが、思いのほか威力があるため、打者は甘い球でも詰まることが多い

横変化(カーブ? スライダー?):
☆☆☆★(3.5)

 120キロ台中盤の、曲がりながら沈むパワーカーブ(あるいはスライダー)のような球でしっかりカウントを整えてくる。真っ直ぐが荒れる分、
この球への信頼度は高い。曲がり自体も鋭く、投球の良いアクセントになっている。

縦変化(フォーク・チェンジアップ):
☆☆☆(3.0)

 縦の変化を積極的に使っており、落ちる確率も高い。ただし、ボールが見極められやすいのか、
振ってもらえない場面も少なくない。この球の精度が上がってくれば、投球はグッと楽になるだろう。

緩急:


 140キロ台後半の真っ直ぐと、130キロ台中盤の縦の変化、120キロ台中盤のカーブ系。全体的に球速帯が高めで、あえて緩い球で見せる場面は少ない。

その他:
☆☆☆(3.0)

 クイックは0.95〜1.05秒前後とまずまず素早く、牽制やフィールディングの動きも良い。ただし、意図的にボールを長く持ったり、投球タイミングを変えたりといった細かな投球術はこれからの課題。特に立ち上がり、リズムに乗れず苦しむ場面が散見された。

【投球まとめ】

 
真っ直ぐで見せ球にしつつ変化球で仕留めるタイプ。指標を見ると、K/BB:4.08、WHIP:1.01と、社会人1年目としては驚異的な安定感を見せている。特に被安打と四死球が非常に少なく、走者を溜めない投球が最大の魅力だ。指名解禁年となる今年のアピール次第では、ドラフト中位以上での指名を十分に意識できる。





(投球フォーム)

 セットポジションから足を引き上げる勢いは平均的だが、位置自体は高い。軸足一本で立った際に膝から上が伸び切ることなく、力みのないバランスの取れた立ち姿だ。

<広がる可能性>:
☆☆☆(3.0)

 足を高く上げ、お尻を一塁側にしっかり落とせている。体を捻り出すスペースを確保できているため、変化球も無理なく投げられる構成だ。ただし、着地までのタメが平均的なため、打者を圧倒するほどのキレを習得できるかは今後の課題か。

<ボールの支配>:
☆☆☆(3.0)

 グラブを内に抱え、軸がブレにくいため両サイドの制球はつけやすい。一方で、
着地時に足の甲が浮く傾向があり、下半身の粘りがやや欠ける。それを真上から投げ下ろすことでカバーしている。

<故障のリスク>:
☆☆★(2.5)

 お尻を落としてスペースを作れているため、肘への負担は少なそうだ。その一方で、右肩が極端に上がり、左肩が下がるため、腕の送り出しにおける
肩への負担が気にかかる

<実戦的な術>:
☆☆☆(3.0)

 着地までの粘りは平均的で、
ボールの出所がやや早く見えている可能性がある。タイミングは合わせられやすいタイプだが、角度と球威で打ち損じを誘えている。

【フォームまとめ】

 「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」において、全体的にもう少し「粘り」が欲しい。制球の指標(BB9:2.01)は非常に良いが、フォーム的には肩への負担が大きそうなのが懸念材料。
プロで武器となる球を見いだせるかが鍵になる。


(最後に)

 社会人の候補としてはトップクラスの実力。特にK/BBWHIPといった指標はプロ基準でも非常に優秀で、安定感は折り紙付きだ。あとは、一軍の強打者をねじ伏せる
「圧倒的な何か」を今年示せるか。すでにヤマハのエース格だが、さらなる高みを見据えた投球に期待したい。


(2025年 日本選手権)