26ky-7
| 山田 凜虎(智弁和歌山2年)捕手 177/76 右/右 | |
智弁和歌山の正捕手として、ディフェンス面での信頼感は全国でも指折りの存在である 山田 凜虎 。先輩の渡部海が「強肩強打」で圧倒するタイプなら、山田は投手の良さを引き出し、試合を細部からコントロールする「きめ細やかさ」が最大の魅力である。 【ディフェンス面】 構えとキャッチング 重心を低く保ち、投手が低めに的を絞りやすい構えを徹底している。ミットをピタリと止めて示すことで、投手に安心感を与える配慮が光る。キャッチングや投手への返球一つひとつに雑なところがなく、走者がいれば素早く立ち上がって返球するなど、常に隙がない。 コミュニケーションと観察眼 一球ごとに細かなジェスチャーを交え、投手と対話しながら試合を組み立てる。特筆すべきは、その「気配り」だ。投手のわずかな異変を察知してタイムを取るタイミングが絶妙である。また、マウンドから戻る際に「投手からベースがより見えるように」とホームベース周りの土を払う姿は、まさに天性の捕手であることを強く実感させる。 スローイングとリード 二塁送球タイムは1.95〜2.05秒前後。地肩の強さはドラフト候補として平均的だが、精度を重視した安定感のある送球を見せる。リード面では、打者の初球の入りが時折安易になる場面も見受けられるが、高低を広く使い、視野の広いリード構成が持ち味だ。 【打撃内容】 2年春の選抜では準優勝に貢献。3年夏は甲子園出場を逃したものの、和歌山大会準決勝でレフトスタンドへ本塁打を放つなど、勝負強さとパンチ力は健在だ。 <構え> 評価:☆☆☆★ 3.5 右打席で前足を少し引き、カカトを浮かせて構える。腰を深く沈めたバランスの良いフォームで、肩口からボールを凝視する姿勢には高い集中力が漂う。 <仕掛け> 遅すぎ 投手の重心が移動し、リリース直前になってから本格的に動き出す「遅すぎる仕掛け」が懸念点。このタイミングだと、プロレベルの球速やキレに対し、木製バットで対応するのは相当な筋力とヘッドスピードが必要になる。上のレベルを見据えるなら、始動を若干早める必要に迫られるかもしれない。 <足の運び> 評価:☆☆☆ 3.0 小さくステップして真っ直ぐ踏み出す。始動から着地までの「間」がほとんどないため、狙い球を絞り、一撃で仕留めるスタイル。インパクトの際に踏み込んだ足元が動く癖があり、逃げていく外角球や低めの変化球への対応には苦労しそうだ。 <リストワーク> 評価:☆☆☆★ 3.5 「トップ」を早めに作ることで、始動の遅さをカバーしている。インサイドアウトの軌道で、特に内角球を巻き込んで引っ張る力には目を見張るものがある。長打の多くがこの「巻き込み」から生まれている。 <軸> 評価:☆☆☆ 3.0 上下動は少ないが、体の開きを我慢できず軸足の形が崩れる場面がある。右方向を意識できている時は安定しているため、スイングの使い分けの精度向上が待たれる。 【総評】 ディフェンス能力と捕手としての資質は、全国の高校生の中でもトップクラスだ。数字に現れにくい「投手への気配り」や「試合を作る力」は、プロの現場でも高く評価されるポイントだろう。 一方で、ドラフト候補として見た場合、地肩や打撃の破壊力において、圧倒的な「A級の素材」とまでは言い切れない面もある。しかし、「しっかり守れる捕手」の価値は非常に高い。最終学年で外角球を力強く弾き返す力強さが加われば、中位指名ゾーンで名前が挙がる存在としてマークし続けたい逸材だ。 (2025年夏 和歌山大会) |