26ky-15
| 田中 旭(梼原)一塁 178/80 右/左 | |
双子の弟・駈がセンス溢れる右の本格派として注目を浴びる一方、兄の 田中 旭 は一見するとドラフト候補とは縁遠いタイプに映る。長打力や俊足といった派手なツールはなく、守備も一塁に限定される。しかし、その対応力に満ちた打撃は非凡であり、マウンド上の弟を鼓舞し続ける献身的なプレイスタイルは、数字以上にチームへの貢献度が高い。 【守備・走塁】 一塁守備は無難にこなすものの、特別に垢抜けた身のこなしは見られない。体格面では弟の駈よりもガッチリしており、その肉体からはより力強い出力を予感させる。 一塁到達 4.55秒前後 左打席からのタイムとしては、ドラフト候補の基準(4.1秒以下)と比較して明確に遅い部類に入る。上のレベルで足を武器にするタイプではない。 【打撃内容】 2年夏の高知商戦では「2番・一塁」として出場し、4打数2安打を記録。繋ぎの意識と高いミート力を披露した。 構え(☆☆☆★ 3.5) 左打席で前足を軽く引き、グリップの高さは平均的。背筋を伸ばし、両目でしっかりと投手を見据える姿勢が整っているため、球筋を正確に捉えられている。 仕掛け:遅め 投手の重心が前に移動する段階で、開いていた足を戻しつま先立ちになる。リリース後に踵を踏み込むスタイルだ。始動のタイミングとしては「遅めの仕掛け」に分類される。 足の運び(☆☆☆ 3.0) 浮かした踵をその場で踏み込むスクエアスタンス。始動から着地までの「間」がほとんどないため、本来は狙い球を絞る必要があるが、彼は手元でのタイミング調整に長けている。 つま先がインパクトの瞬間まで閉じているため、外角低めの逃げる球にもしぶとく食らいつくことができる。 リストワーク(☆☆☆ 3.0) トップの形を自然体で作れるため、力みなくボールを呼び込める。スイング軌道はインサイドアウトというより、外角の球を確実に捉えることに特化した軌道だ。ヘッドが最後まで残っているため、外角低めの球を拾う技術に長けている。 軸(☆☆☆☆★ 4.5) 田中旭の真骨頂は、まさにここにある。足の上下動がないため、目線の上下動が極めて少ない。体の開きを我慢でき、軸足が崩れずにボールを呼び込めている。この圧倒的な軸の安定感こそ、彼の対応力が非凡な最大の要因だろう。 【打撃のまとめ】 長打力で圧倒するタイプではないが、タイミングを合わせる対応力は特別なものがある。唯一の懸念材料は、バットを引くのが遅れトップを作るのが遅れる恐れがあること。上のレベルで150キロ近いスピードボールに対峙した際、バットを引く動作が間に合うか。ここらへんは、最終学年での進化を見極めたいポイントである。 【総評】 現状、高校から直接プロ入りするようなタイプではない。しかし、大学や社会人といった高いレベルに身を置き続けるべき選手だ。一塁手というポジションを考えると、今後はさらなる長打力の上積み、あるいは他ポジションへの挑戦が必要になるかもしれない。 それでも、この「軸の安定感」と「対応力」があれば、上の舞台でも特別な打者になり得るポテンシャルを秘めている。兄弟で切磋琢磨し、高知の夏を沸かせる存在になることを期待したい。 (2025年夏 高知大会) |