26ky-12





長山 武蔵(日本ウェルネス沖縄2年)投手&三塁 183/85 右/左 





 「ちょっとニキータっぽい」





  秋季九州大会の舞台で、内角球を完璧に捌きライトスタンドへ叩き込んだ。その豪快なスイングと打球の軌道は、一昨年に愛知・豊川高校で暴れ回りヤクルト2位指名を受けた モイセエフ・ニキータ を彷彿とさせる。


(守備・走塁面)

 新チームからはエースナンバーを背負うが、マウンドに上がらない際は三塁を守る。

走力:一塁到達タイムは左打席から4.3秒強。高校生野手としても「中の下」クラスの脚力であり、足を武器にするタイプではない。

守備:三塁手としての動きはやや緩慢で、身のこなしに軽快さは欠ける。投手として130km/h台半ばを計測する地肩の強さはあるが、現時点では
守備範囲や判断力に課題が残る。

 将来的には投手よりも「野手の素材」としての魅力が勝るが、プロのスピード感を想定すると三塁固定はやや厳しく、左翼手や一塁手への転向が現実的な選択肢となるかもしれない。






(打撃内容)

 最大の魅力は、粗削りながらも
圧倒的なパワーと腕っぷしの強さにある。守備・走塁のマイナスを補って余りある「長打の天賦の才」を感じさせる。

<構え>
☆☆☆★(3.5)

 左打席で前足を軽く引き、重心を高く保つスタイル。腰を沈めないため全体の安定感には欠けるが、両目でしっかりと投手を見据え、
力みのない自然体で立てている点は好材料だ。

<仕掛け>
早め

 投手の重心が沈み込む段階で動き出す「早めの始動」を採用。本来は対応力を重視するアベレージヒッター向けのタイミングだが、長山の場合はこれに天性のスイングスピードが加わる。高校レベルでは「大砲」だが、プロの舞台では
中距離ヒッターとしての資質も秘めたタイプと言える。

<足の運び>
☆☆☆★(3.5)

  足を軽く上げ、外側へ踏み出すアウトステップ。始動から着地までの「間」が取れているため、緩急への対応力は備えている。ベースから離れるステップからも、内角を強く意識していることが伺える。

 インパクトの際、踏み込んだ前足の壁が崩れないため、アウトステップ気味でも低めの球を拾うことは可能だ。ただし、引っ張りへの意識が強そうで、
外角への対応には依然として脆さが残る。

<リストワーク>
☆☆☆★(3.5)

 トップを早めに作れるため、速球に差し込まれる懸念は少ない。バットを上から最短距離で振り下ろす軌道で、
内角球を強烈に引っ張る技術は一級品。一方で、外角球に対してバランスを崩される場面が目立ち、いかに「外の球を叩けるスイング」を確立できるかが、将来を左右する分岐点となるだろう。

<軸>
☆☆☆(3.0)

 上下動の少なさは平均レベル。体の開きは我慢できているが、低めの変化球に誘われると
上体が突っ込み、軸足の形が崩れやすい点は改善の余地がある。


(打撃のまとめ)

 一発長打の
破壊力は今世代でもトップクラスだが、外角や変化球への対応など、現時点では「素材型」の域を出ない。圧倒的なパワーはあるものの、それを確実性に結びつける爆発力がもう一段階欲しいところだ。一冬を越え、手が付けられないほどの無双状態に入れば、高卒でのプロ入りも一気に現実味を帯びてくる。


(最後に)

 現状では技術的な粗さが目立ち、守備・走塁の貢献度も低いため、現時点での指名有力候補とは言い難い。しかし、今年の沖縄県勢の中では
屈指のスケール感を誇る野手。その圧倒的な将来性に「賭けてみたい」と思わせる華がある。最終学年でどこまで化けるか。夏まで継続して追いかける価値が十分にある、ロマン溢れるスラッガーだ。


(2025年 秋季九州大会)