26ky-11
| 石田 雄星(健大高崎2年)中堅 170/72 右/左 | |||||||||||||||||||
走攻守のすべてにおいて「野球が上手い」と実感させられる 石田 雄星。世代を代表する外野手の一人だが、そのセンスの高さは本物なのか。ドラフト候補としての視点から検証してみたい。 (走塁・守備面) 一塁到達タイムは、左打席から 4.0秒前後 をマークする。これはドラフト候補として「中の上」クラス。プロで足を最大の売りにできるレベルかは精査が必要だが、水準以上の脚力があるのは間違いない。1年秋の群馬大会では5盗塁を決めているが、その後の公式戦では数字上の盗塁数はそれほど多くない。しかし、相手の守備位置や隙を突いてセーフティバントを試みるなど、視野の広さと判断力は特筆すべきものがある。 中堅手としても、打球への反応や落下点への入りに迷いがない。送球も中継まで丁寧に投げられており、地肩も「中の上」クラスの強さを備える。現状の守備も図抜けているとまでは言えないが、すべてのプレーにおいて基準以上の安定感がある。一冬を越え、これらの身体能力がさらに向上してくるかに注目したい。 (打撃内容) 長打で圧倒するというよりは、広角に打ち返す巧打が持ち味。破壊力よりも対応力が勝ったタイプと言える。2年夏までの公式戦成績を分析する。 OPS:1.143 1.000を大きく超えており、高校生としては極めて高い得点生産能力を示している。 IsoP:.166 長打率から打率を引いた数値。中距離打者としてのポテンシャルは十分だが、外野手としてプロの門を叩くには、ここからどれだけ長打を上積みできるかが鍵となる。 BB/K:1.25 四球数÷三振数。1.00を超えれば優秀とされる。三振が非常に少なく、選球眼とコンタクト能力の高さが数値にも如実に表れている。
構え(評価:☆☆☆ 3.0) 左打席で足を引き、グリップは平均的な高さ。腰の据わりや全体のバランスは標準的だが、両目で前を見据える姿勢が良い。球筋を正確に追えている証拠だ。 仕掛け(評価:早め) 投手の重心が沈む時に動き出す「早めの仕掛け」を採用。対応力を重視するアベレージヒッターに多く見られる始動のタイミングだ。 足の運び(評価:☆☆☆☆ 4.0) 足を上げ、真っ直ぐからベース側にインステップして踏み込むことがある。始動から着地までの「間」が十分取れており、スピードの変化にも対応しやすい。踏み込みからは、内角・外角ともに捌こうという意識が見える。踏み込んだ前足がインパクトでブレないため、低めや外に逃げる球にもしっかり食らいついていける。 リストワーク(評価:☆☆☆☆ 4.0) トップを早めに作れているため、速球に差し込まれる心配が少ない。外角の球に対しても、インパクトまでロスのないスイングだ。単なるミート重視に終わらず、外角に対してはバットのしなりを活かし、低めの球もヘッドを残して捉えられる。レフト方向への流し打ちも巧みだ。 軸(評価:☆☆☆☆ 4.0) 足の上げ下げがあっても目線の上下動は静か。体の開きを我慢でき、軸足を起点とした綺麗な回転スイングができている。ボールをポイントまで呼び込めている証拠だ。 (総評) 打撃技術の完成度は極めて高い。単に技術があるだけでなく、捌けるコースが非常に広い。高校生としてはA級の能力の持ち主だが、プロの外野手という括りで見ると、現状では「突き抜けた特徴」に欠ける面もある。昨今のOPS重視のスカウティングにおいては、その点が評価の分かれ目になるかもしれない。 本人がすでに進学を口にしている点については、自身の現在地を冷静に把握している証左であり、納得感がある。より高いレベルでもこの「図抜けたセンス」と「好成績」を維持し続け、混ざってもやっていける「本物感」を証明できるか。最終学年のみならず、その先のステージまで長く見守るべき選手である。 (2025年夏 甲子園) |