26ky-1
| 牟禮(むれ)翔(九州国際大付2年)中堅 182/82 右/右 | |||||||||||||||||
大きな弧を描くスイングからも、将来的にホームラン打者になれる可能性を秘めている 牟禮 翔。今後、非常に楽しみな素材である。 (守備・走塁面) 一塁到達タイムは右打席から4.15秒前後。これを左打者に換算すると、3.9秒前後に相当する俊足である。現在、それほど盗塁を積極的に仕掛けるプレースタイルではないが、足は基準以上のものを持っている。今後、走塁への意識がどこまで高まるか注目したい。 むしろ驚いたのは、中堅手としての動きの良さだ。この脚力を生かし、守備範囲は想像以上に広い。それだけでなく、打球勘やキャッチングも基準以上で、落下点への入り方に無駄がない。さらに、次のプレーを想定した捕球もできていた。 肩は低く伸びてくる強肩というわけではないが、遠くに長く投げられる地肩の強さがある。走力同様、肩も 中の上~上の下クラス はあると見て良いだろう。将来的には、プロでもセンターを守れるレベルの運動能力と守備力を備えていると言えそうだ。 (打撃内容) この秋の神宮大会を見る限り、変化球への対応が一つの鍵となる印象を受けた。セイバーメトリクス的に見ると、出塁率+長打率を合算したOPSは.393+.821=1.214と非常に高い水準に達しており、総合的な打撃生産力の優れさが裏付けられる。また、長打率から打率を引いたIsoP(純粋な長打力)は.428と突出しており、パワー型のスイングが数字にも表れている。一方、四球と三振の比率(BB/K)は1.25と良好で、選球眼の良さとコンタクト能力のバランスも取れている。 秋季九州大会と神宮大会の成績は以下の通り。
<構え> ☆☆☆ 3.0 右打席から前足を軽く引いて、グリップを高めに構える。腰の据わり、両目の視線、全体のバランスともに平均的で、無難な構えと言える。 <仕掛け> 早め 投手の重心が下がり始めるタイミングで動き出す「早めの仕掛け」を採用している。このタイミングは対応力を重視するアベレージヒッターに多く見られる。彼が将来的にアベレージタイプになるかは別として、現在は対応力を優先していることがうかがえる。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 足を軽く上げて回し込み、ベースから離れた方向に軽く踏み出すアウトステップを採用。始動から着地までの「間」が取れているため、速球・変化球ともにスピードの変化には幅広く対応可能に見える。ただし実際には、緩い球に苦戦している印象がある。 アウトステップ気味のため内角への意識が強いが、踏み込んだ前足はインパクト時にブレず、甘い外角球や低めを我慢して叩けている。内角をさばくのが得意というよりは、苦手を補うためにアウトステップを採用している可能性がある。 <リストワーク> ☆☆☆ 3.0 トップの形は自然体で力みなく作れており、ボールを呼び込めている。バットを振り出す際は早めに肘を下げて、飛んでくるボールのラインにバットを入れてくる。やや遠回りにバットが出るが、これにより遠心力を生かした大きな弧のスイングとなっている。 木製バットになれば、長打力がより発揮されそうなスイングだ。インパクトまでのロスは感じられるが、ヘッドが下がっていないためボールとの接地面は広く、フェアゾーンに飛びやすい形になっている。 <軸> ☆☆☆☆ 4.0 足の上げ下げが静かなため目線の上下動は小さく、体の開きも我慢できている。軸足を起点にきれいに回転してスイングできている。強いて言えば、軸足内腿の筋肉がまだ発達途上で、打球の強さにはやや緩さが残る。 (打撃のまとめ) ボールを遠くに飛ばす資質は十分にあるが、芯で捉える精度には粗さが残る。おそらく選抜以降は、緩い変化球で抑えられる攻めが増えるだろう。そうした中でどれだけ結果を残せるかが、今後の鍵となる。 (最後に) 高い確率でボールを捉える技術はまだ物足りないが、遠くに飛ばす才能は確かにある。さらにこれだけの強打者でありながら、守備力・走力・肩も基準以上と、総合的な素材の良さが光る。一冬越えての成長次第では、上位候補に名を連ねてもおかしくない。タイプ的には、同じ福岡の高校出の 新庄 剛志(日本ハム)監督に似た雰囲気を持つアスリート系アーチストではないのだろうか。 (2025年秋 神宮大会観戦) |