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諸岡 杜和(市立船橋2年)投手 174/77 右/左 





 「投げっぷりがいい」




 昨夏の千葉大会で一躍話題となり、甲子園でも先発のマウンドに上がった 諸岡 杜和 。体格こそ決して大きくはないが、最終学年に向けての成長次第では、150キロの大台すら見えてくるポテンシャルを秘めた本格派右腕だ。


(投球内容)

 中背の体格ながら、マウンド上では非常に
気持ちのこもった投球を見せる。夏の甲子園・明豊戦では先発の大役を任され、4回2失点と堂々の全国デビューを果たした。夏の大会までの公式戦成績は以下の通り。

【セイバーメトリクスによる補足分析】

WHIP
1.23 (説明:1イニングあたりに許した走者の数。1.20前後が「エース級」の基準であり、安定して試合を作れていることが分かる。)

K9
8.46 (説明:9イニング換算での奪三振数。高校生で8.0を超えれば高い奪三振能力を持っていると言える。)

BB9
2.60 (説明:9イニング換算での与四球数。3.0を切れば制球力は優秀な部類。荒削りな印象もあるが、数字上は崩れていない。)


投球回数
被安打
四死球 奪三振 防御率 K/BB WHIP K9 BB9
27回2/3 26 8 26 0.00 3.25 1.23 8.46 2.60


ストレート:130キロ台後半〜140キロ台中盤(評価:☆☆☆ 3.0

 まだボールにバラつきはあるものの、
高めの速球には勢いがあり、打者の空振りを誘えている。すでにコンスタントに140キロ台を刻める馬力があり、短いイニングであれば140キロ台後半も期待できるほど。一冬を越えて、どの程度凄みを増してくるか非常に楽しみだ。

横の変化:スライダー(評価:
☆☆☆★ 3.5

 真っ直ぐ以上に信頼を置いているのが、
体の近くで鋭く曲がるスライダーだ。この球でしっかりカウントを整えられるため、投球リズムを崩さずに投げ進めることができている。

縦の変化:フォーク(評価:
☆☆★ 2.5

 昨夏の時点では投球割合は低い。それでも縦への落差は十分感じられたため、精度が上がればストレートを生かす強力な武器になるだろう。

緩急:カーブ(評価:


 持ち球としては存在すると思われるが、観戦した試合では確認できず、今後の確認事項としたい。

その他(評価:
☆☆☆ 3.0

 クイックタイムは1.05〜1.15秒と基準をクリア。走者へ目配せしながら自分の投球ができていた。フィールディングや牽制は平均的だが、
マウンド度胸が良く、内角を強気に攻める姿勢は高く評価できる。





(投球フォーム分析)

 セットポジションから足を上げる勢いはあるが、引き上げる位置はそれほど高くない。気になるのは、軸足一本で立った際に膝から上がピンと伸び切り、力みが感じられる点だ。いわゆる「トの字」に近い形になりやすく、体が突っ込みやすい状態で立ってしまっている。

<広がる可能性>(評価:
☆☆★ 2.5

 お尻の落としに甘さは残るが、縦の変化球を投げるためのスペースは最低限確保できている。ただ、現状は「着地」までの時間が短く、体を捻り出す時間が十分ではない。そのため、球速のある小さく動く変化球を主体に、ピッチングを組み立てていく形になるだろう。

<ボールの支配>(評価:
☆☆★ 2.5

 投げ終わりにグラブが体から離れがちで、軸がブレて両サイドの制球を乱す要因になっている。足の甲での地面の捉えも浅く、高めに浮きやすい傾向があるが、指先の「球持ち」の良さでカバーしている印象だ。

<故障のリスク>(評価:
☆☆ 2.0

 腕を真上から振り下ろすフォームであり、肩への負担がやや懸念される。また、常に力一杯投げるスタイルであるため、疲労の蓄積も気掛かりだ。故障リスクを避けるためにも、より脱力した状態からリリースに力を集約する動作を覚えたい。

<実戦的な術>(評価:
☆☆☆ 3.0

 「着地」までの粘りが短く、ボールの出どころも見えやすい。打者からすればタイミングを合わせやすい恐れがある。「開き」の早さを修正し、打者に球種を悟らせない工夫ができれば、空振りの数はさらに増えるはずだ。

(フォームのまとめ)

 「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」の4大動作のうち、「球持ち」以外には改善の余地が多い。特に
故障リスクと制球面に不安を残す「リスキーな素材」という側面は否めない。しかし、この粗削りな部分こそが伸びしろとも言える。


(最後に)

 2年夏の時点で常時140キロ台を叩き出すスピード能力と、その
「投げっぷり」の良さは大きな魅力だ。一冬を越えた成長次第では、150キロ近い球を連発していても不思議ではない。 現時点で即プロと言い切るには課題もあるが、春季大会で関東を代表する速球派として注目を集めるのは間違いないだろう。その進化の過程を、今後も追い続けていきたい。


(2025年夏 千葉大会)