26kp-30





北口 晃大(八戸学院光星3年)投手 187/85 右/右 





 「面白いと思います」





 まだ発展途上の投手ではあるので高い評価はできないものの、近い将来モノになるのではないかという思いが強い 北口 晃大。下位指名で獲得できるのであれば、オススメの一人にあげたい。


投球内容

 恵まれた体格から投げ下ろしてくる、右の本格派。この春の選抜では3試合に登板し、その実力が全国レベルでも通用することを実証した。

選抜大会での成績


 数字面から見ても、素材型一辺倒では片づけにくい内容です。K/9(9イニングあたりの奪三振数) は 9.00。1イニングに1個のペースで三振を奪っており、全国レベルの相手にも空振りを取る下地は示せています。

 また、
H/9(9イニングあたりの被安打数) は 7.11与四死球率(9イニングあたりに与えた四死球) は 2.37。被安打も四死球も極端に多くなく、本文で触れた「制球に大きな不安がない」「長打を浴びにくそう」という評価を、数字もある程度裏づけています。

 さらに、
WHIP相当(1イニングあたりにどれだけ走者を許したかを見る目安) は 1.05。走者を溜め込み過ぎずに投げられていたことがわかります。なお、今回の記録は「四死球」表記のため厳密な与四球系指標とは少し異なりますが、補足材料としては十分に見られる数字です。

投球回数
被安打
四死球 奪三振  防御率
19回 15 5 19 2.37


球種別評価

ストレート 140キロ~MAX147キロ ☆☆☆ 3.0

 球速的には、常時140キロ台~最速で147キロに到達。ただし、ボールそのモノの球質といった意味では、
まだまだ高校生の球といった気がします。しかしながら、ボールを両サイドに散らせるコントロールがあり、高めにもそれほど集まらないので、長打を浴び難い傾向にはありそうです。

横変化 スライダー 
☆☆☆ 3.0

 小さく横滑りする、カットボールのようなスライダーを使ってきます。カウントを整えることはできますが、それほど打者の空振りを誘う、そういった球ではありません。

縦変化 フォーク 
☆☆☆ 3.0

 スライダー以上に多く使ってきますが、空振りを誘うというよりも、引っ掛けさせる役割の方が大きいように思います。

緩急 カーブ 
☆☆ 2.0

 現状は滅多に見ることはできず、余裕がないと使って来ない印象です。

その他 
☆☆★ 2.5

 クイックは、1.2秒前後と、やや遅く見えます。フィールディングなどは下手ではないのですが、まだ打者との駆け引きなどの細かい投球術はこれからといった感じです。

投球のまとめ

 まだ肉体的にもボールの質という意味でも、発展途上です。しかし、その割に制球に大きな不安がなく、変化球の切れなども悪くありません。

 セイバーメトリクス的に見ても、奪三振をしっかり確保しながら、走者を極端に溜め込まない投球ができており、単なる「将来性だけの素材」ではないことがうかがえます。

 それだけに、ただの素材型とは言えず、しっかり体を作りつつ、経験を積んで技術を身につけてゆければ、かなりの確率でプロでも一軍で活躍する、そういった投手に育つのではないのでしょうか。





(投球フォーム)

 セットポジションから、足を引き上げる勢いは静かで、高さも並ぐらい。比較的静かな入りであり、
先発タイプなのかもしれません。

 軸足一本で立った時にも、膝から上がピンと伸び切ることなく、力み無く立てています。全体的にバランスを保って立てているので、好感が持てます。

広がる可能性 
☆☆☆★ 3.5

 引き上げた足を地面に向けがちなので、お尻の一塁側(右投手の場合)の落としには甘さ残します。そういった意味では、カーブやフォークなどの変化が鈍くなる恐れはあるものの、そういった球を投げられないほど窮屈では無さそうです。

 前に大きくステップさせて、体を捻り出す時間を確保。カーブやフォークといった球種以外ならば、変化の大きな球を習得して武器にして行ける可能性を感じます。

ボールの支配 
☆☆☆ 3.0

 グラブは最後まで内に抱えられ、外に逃げようとする遠心力を内に留めることができている。したがって軸はブレ難く、両サイドのへのコントロールは安定している。

 一方で、足の甲での地面の捉えが浅く、浮き上がろうとする力を抑えられず、力を入れるとボールが上吊りそう。それでもリリースでボールを押し込めているのか、球筋が高いと言ったことは無さそうです。

故障のリスク 
☆☆★ 2.5

 お尻の落としには多少窮屈さは感じられる上に、フォークなどを結構投げるので肘などのケアには十分注意したいところ。
それ以上に気になるのは、ボールを持っている肩が上がり、グラブを持っている肩が下がるなど、腕の送り出しに無理が感じられるところがどうだろうか?けして力投派ではないので、そこまで疲労を溜めやすいということは無さそうだが。

実戦的な術 
☆☆☆ 3.0

 「着地」までの粘りは作れており、体の開きも平均的。ただし、縦の変化が見極められて振ってもらえないことが多いので、ボールの出どころがある程度見やすい可能性があるのかもしれない。

 手足が長いので振り下ろした腕は体に絡んでくるが、腕の振りにはもっと鋭さが欲しいところ。また、ボールにも体重を乗せてからリリースできているように見えるものの、投げ終わったあと
一塁側に重心が流れるので、作り出したエネルギーをロスしてしまっている恐れがあります。

フォームのまとめ

 フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、特に
「体重移動」に改善の余地が残されています。足の甲の抑えが浅い割にボールが上吊っていないので、この点は神経質にならなくて良いかもしれません。腕の送り出しに無理があり、肩などへの負担は気になる材料ではあります。将来的には、決め球を習得できるかまでは微妙だが、変化球全般のキレは良いタイプになるのではないのだろうか。

最後に

 素材としての高い将来性を考えても、現状は下位指名~育成ぐらいの評価ではないのだろうか。しかし、夏の大会までにさらなる成長が実感できれば、さらに上の順位での指名も期待できそうです。

 数字面でも、三振を奪える一方で走者を溜め込み過ぎない投球ができており、現状は粗削りでも、土台そのものは悪くないことが見て取れます。現状は、「下位指名で獲得してこそ、美味しい選手」との色彩が強いが、夏までにその評価が変わって来るだろうか?


蔵の評価:(下位指名級)


(2026年 選抜大会)