26kp-26
| 平 凌也(倉吉総合産2年)投手 180/67 右/右 | |
昨夏は背番号3を付けて登板していた 平 凌也。右の本格派で、投手に専念してトレーニングを積んでいければ、将来的にプロの世界も見えてくるかもしれない素材だ。 (投球内容) 180センチ67キロと、まだ線の細さを感じさせる。少し肩で投げるような仕草は気になるが、真上から投げ込んでくる。 ストレート:常時135キロ〜後半程度 ☆☆★ 2.5 昨夏の時点では、まだ驚くほどの球威・球速ではなかったが、高めの真っ直ぐには力があった。全体的に高めに集まりやすく、制球はアバウトだったものの、大まかに両サイドへ投げ分けるコントロールは備わっている。順調に伸びてくれば、夏には常時140キロ台前後から中盤あたりまで期待できるのではないだろうか。真上から投げ下ろしてくるため、打者としては数字以上に角度を感じさせる。 横変化(スライダー):☆☆★ 2.5 横滑りするスライダーを時折織り交ぜてくる。まだこの球の精度やキレは発展途上だが、それだけにこの球で確実にカウントを整えられるようになると、投球の安定感も増してきそうだ。 縦変化(フォーク?):☆☆ 2.0 実戦ではほとんど見られなかったが、他にも縦の変化がありそうな気配はある。ただし、まだ信頼できる球種とは言えず、余裕がないと使ってこられないのかもしれない。この球を決め球(フィニッシュボール)に使えるようになれば、投球の幅はぐっと広がるだろう。 その他:☆☆☆ 3.0 クイックは1.05秒前後でまとめられ、走者へ目配せをしてから投げ込めているため、盗塁は仕掛けにくい。普段は野手として出場しているだけあって、打球への反応も良好。走者を出しても冷静に対峙できていた。投手としてのセンスは、適度に感じさせる。 (投球のまとめ) まだまだ発展途上の投手であり、高校生活の間にどこまでのレベルに到達できるか?それでも素材としては確かなものがあるため、春にはドラフト候補としてクローズアップされてくるのではないだろうか。その成長次第では、高卒でのプロ入りの是非も決まってきそうだ。 (投球フォーム) セットポジションから足をゆっくりと高い位置まで引き上げてきます。こうしたゆったりとした入りを見ると、先発タイプなのかもしれません。軸足一本で立った際も、膝から上がピンと伸び切らず、力みは感じられません。適度にバランスを保って立つことができています。 <広がる可能性> ☆☆☆ 3.0 引き上げた足を地面に向けて伸ばすため、お尻の一塁側への落としには甘さが残ります。ただし、カーブやフォークといった球種が投げられないほどではなく、その変化がやや不十分になるかもしれない、といった程度です。 「着地」までの地面の捉えは平均的で、体を捻り出す時間は並み。そのため現状は、曲がりの大きな変化球よりも、スライダーやチェンジアップ、あるいは球種のある小さな変化を中心にピッチングを組み立てていくタイプになりそうです。 <ボールの支配> ☆☆☆ 3.0 グラブが最後には体から離れてしまい、外に逃げようとする遠心力を内に留め切れていません。そのため軸がブレやすく、両サイドの制球が乱れる要因となっています。足の甲での地面の捉えはできており、「球持ち」自体も悪くないように見えます。ただ、ボールが高めに集まりやすい点を見ると、リリース時に十分押し込めていない可能性があります。動作自体は悪くないので、下半身が安定してくれば低めの球も増えてきそうなフォームです。 <故障のリスク> ☆☆ 2.0 お尻の落としに甘さはあるものの、現状カーブやフォークを多投していないため、神経質になるほどではないかもしれません。しかし、テイクバック時に肩が背中のラインよりもかなり後ろまで入り込んでいる点や、投球側の肩が上がりグラブ側の肩が下がるなど、肩への負担が大きそうな点は気になります。現状、そこまでの力投派ではないため疲労蓄積は平均的でしょうが、今後は投げるためのスタミナ作りが必要です。 <実戦的な術> ☆☆☆ 3.0 「着地」までの粘りは平均的ですが、体の開きは抑えられています。そのため、打者からはボールの出どころが見えにくい可能性があります。ただし、振り下ろした腕がまだ体に絡んでこないなど、腕の振りの強さや「球持ち」の粘りに課題を残します。 体重を乗せてリリースはできているものの、投げ終わったあとに体が大きく一塁側に流れるなど、生み出したエネルギーをロスしてしまっています。股関節の柔軟性を養いつつ、下半身の筋力を強化して理想のステップ幅を見つけられれば、爆発的なボールも身につけられそうです。 (フォームのまとめ) フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」のうち、「開き」以外の動作には改善の余地がありそうです。特に制球を司る動作において、グラブをしっかり抱えきれず暴れてしまう点や、肩への負担が大きそうな点は懸念材料です。将来的に武器となる変化球を習得できるかどうかは、これからのフォーム次第ではないでしょうか。 (最後に) 肉体的な成長だけでなく、フォームや投球術にも課題が多い素材型です。それだけに、たとえ春に140キロ台を連発できるようになったとしても、高卒でのプロ入りが最善の選択かどうかは慎重な判断が必要でしょう。 まずはこの恵まれた資質に対し、どれだけ真摯に野球と向き合っていけるか。そこにかかっていると言えます。そのため、春季大会での成長を見届けてみたいところです。 (2025年夏 鳥取大会) |