26kp-25
| 藤本 絆那(滝川二2年)投手 181/79 右/右 | |
スラッとした投手体型から繰り出される勢いのあるボールを見ていると、来年のドラフト候補に間違いなく名を連ねるだろうと確信させられる 藤本 絆那。 (投球内容) 夏の兵庫大会では、神戸国際大附属戦でパーフェクトな救援を見せるもチームは惜敗。秋の大会でも強豪・報徳学園の前に涙を呑んだ。 ストレート:130キロ台後半〜140キロ台中盤 ☆☆☆★(3.5) 球威で押す「豪速球」というよりは、勢いとキレで勝負する「快速球」といった球質。全体的に高めに抜ける、あるいは集まる傾向があるが、両サイドに散らせる制球力は備えている。ただし、真っ直ぐのコマンド(狙ったところへ投げる能力)に関しては、想像以上にアバウトな印象だ。 横変化(スライダー/カットボール):☆☆★(2.5) 小さく曲がるスライダー、あるいはカットボール系の球種を持つ。まだ投球における割合は低く、精度やキレといった点では発展途上。この球で確実にカウントを整えられるようになれば、投球に大きな余裕が生まれるだろう。 縦変化(スプリット):☆☆★(2.5) 縦に沈むスプリットも持っているようだが、こちらも投球の主軸にはなっていない。この球で空振りが奪えるようになれば、フィニッシュボールとして大きな意味を持ってくるはずだ。 (投球のまとめ) 現状、投球全体が一つの「形」になっておらずコンビネーションとして機能しきれていない。その最大の要因は、変化球の精度とキレが不足している点にある。真っ直ぐには確かな勢いがあるものの、制球がアバウトなため、チームでもリリーフとしての起用が多くなっているのではないか。 (投球フォーム) セットポジションから、足を引き上げる勢いや高さは平均的。軸足一本で立った際、膝から上がピンと伸びきってしまう傾向があり、立ち姿に力みを感じる。このタイプは制球がアバウトになりやすい。また、上体が突っ込みやすい「トの字」に近い形になる点も気になる。 <広がる可能性> ☆☆★(2.5) 引き上げた足を二塁側へ送り込むことでバランスを取っているが、軸足のお尻がバッテリーライン上に落ちやすい。そのため、体を縦に捻り出すスペースを確保できず、カーブやフォークといった「捻り」を必要とする球種には適さない構造に見える。現状は、スライダーやチェンジアップ、あるいは球速のある小さな変化を中心に投球の幅を広げていくことになるだろう。 <ボールの支配> ☆☆☆★(3.5) グラブがフィニッシュで体から離れるため、軸にブレが生じやすい懸念がある。足の甲で地面をしっかり捉えており、球持ちも良く見えるのだが、左右の出し入れよりも「高低の制御」に課題を残している。 <故障のリスク> ☆☆☆★(3.5) お尻を落とせない構造ではあるが、現時点で負担の大きいカーブやフォークを多投していないため、故障に対して過度に神経質になる必要はない。腕の振りにも無理はなく、力投派でもないため疲労蓄積も緩やかだろう。むしろ、根本的な体力や筋力の不足をどう補うかが今後の課題だ。 <実戦的な術> ☆☆☆★(3.5) 着地までの粘りは平凡だが、ボールの出どころを隠す意識は感じられる。腕がしっかり振れているため、打者はタイミングを狂わされやすい。リリース時に適度な体重移動ができているため、ウェートトレーニング等で筋力が向上すれば、打者の手元での球威・圧力は劇的に変わるはずだ。 (フォームのまとめ) フォームの4大動作(着地、球持ち、開き、体重移動)で見ると、特に「着地」までの粘りがさらに欲しい。動作の割に制球が不安定なのは、筋力不足によりリリースの再現性が低いためではないか。故障のリスクは低いものの、フォームの構造上、武器になるほどの変化球を習得できるかが懸念材料となる。 (最後に) 素材としては間違いなくA級だが、実戦力や総合力の面ではまだ未完成。最終学年でこの「未完成な素材」がどこまで磨かれるかによって、高卒でのプロ入りの成否が決まるだろう。現状は実力よりも期待値が先行しているタイプだが、プロが注目するだけの資質は十分にある。その成長曲線をしっかりと見極めていきたい。 (2025年夏 兵庫大会) |