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内田 悠斗(桐蔭2年)投手 180/68 右/右 





 「結構器用」





 肉体的にはまだ未完成ながら、走者を背負ってからの落ち着きや、状況に応じたピッチングを見ていると、非常に「器用さ」を感じさせるのが 内田 悠斗 だ。2年夏の時点では背番号8を背負い、名門・市立和歌山戦の先発を託されるなど、そのポテンシャルの高さは県内でも指折り。26年度の和歌山を代表する右腕へ成長する予感に満ちている。


(投球内容)

ストレート:135キロ〜MAX143キロ 
☆☆☆(3.0)

 まだバラつきがあり、状況に応じて130キロ台の制球重視と140キロ超の力勝負を使い分けている。
指にかかった時の低めの威力は目を見張るものがある。大まかに両サイドへ散らすコントロールは備わっており、四球で自滅するような危うさがない点は先発として高く評価できる。

横変化(スライダー):
☆☆★(2.5)

 120キロ弱の小刻みな変化。時折甘く浮くこともあるが、基本的にはカウントを稼ぐためのツールとして機能している。

縦変化(フォーク/チェンジアップ?):
☆☆☆★(3.5)

 彼の最大の武器。130キロ台中盤と球速があり、
打者の手元でスッと沈む。タイミングの外し方はチェンジアップのようでもあるが、落差と鋭さはフォーク系のそれだ。2年夏の時点で、すでに勝負球としてある程度の精度を誇っている。

緩急(カーブ):
☆☆★(2.5)

 投球のアクセントとして稀に織り交ぜる。空振りというよりは、目線を外してカウントを整える役割が主だ。

守備・牽制:
☆☆☆★(3.5)

 クイックタイムは1.15〜1.20秒前後と標準的だが、走者への目配せや鋭い牽制を怠らない。走者からすれば「盗塁を仕掛けにくい」タイプだろう。ピンチでも視野の広さを感じさせるが、今後、投げるタイミングを変えるなどの、さらなる「マウンドでの駆け引き」を覚えれば一層面白くなる。

(投球のまとめ)

 低めの直球と鋭い縦の変化球という、投手の理想的な「軸」を持っている。肉体の成長に伴い、これらの精度と球威が底上げされれば、最終学年にはドラフト候補として名前が挙がってきても不思議ではない。



(投球フォーム)

 セットポジションからゆったりと足を高く引き上げる。自分の「間」を大切にする、
先発タイプのリズムだ。軸足一本で立った際のバランスが良く、膝に遊びを持たせながら力みなく立てている。

<広がる可能性> 
☆☆☆(3.0)

 お尻の一塁側への落としはまだ甘いが、体を捻り出すスペースはある程度は確保されており、フォークやカーブを操るための構造は整っている。現状は球速差の少ない小さな変化が主体だが、股関節の使い勝手が良くなれば、より奥行きのある投球が可能になるだろう。

<ボールの支配> 
☆☆☆(3.0)

 グラブを抱え込む意識はあるが、フィニッシュで体が開きやすく、顔が外を向く癖がある。腕が体から離れて出る「遠回り」の軌道(外旋気味)になりやすいため、制球の再現性には課題が残る。

 足の甲での
地面の捉えが浮きがちな点も、ボールが上ずる一因だろう。「球持ち」の良さでカバーしているものの、高低の再現度を高めたい。

<故障のリスク> 
☆☆☆(3.0)

 現状は縦の変化が多すぎないため負担は限定的だが、重心移動の甘さを腕の振りで補おうとすると、肘への負担が懸念される。腕を「ブン」と肩主体で回す傾向があるため、体が出来てきた際、筋力に頼りすぎた投球にならないよう注意が必要だ。

<実戦的な術> 
☆☆☆(3.0)

 「着地」までの粘りは並だが、出どころをある程度隠せているため、打者はタイミングが取りにくい。まだ絶対的な球威・圧力が足りず、甘い球を打ち返される場面も見られるが、ウェートアップによって体重をボールに乗せられるようになれば、手元での威力は劇的に変わるはずだ。

(フォームのまとめ)

 「着地」の粘りを作り、高低の制球力を安定させることが次なるステップ。特に、顔と腕の角度が開きすぎる「外回り」の動作を修正できれば、体への負担を減らしつつ、より強い球を投げ込めるようになる。ただし、このことにより腕が振れなくなる恐れもある。この辺の欠点と長所を、どう折り合いをつけて行くかは難しい判断となる。


(最後に)

 肉体的には発展途上だが、投手としての
「視野」と「思考」という、教えられて身につくものではない資質を備えている。高校卒業までにプロのレベルに達するかは成長速度次第だが、大学・社会人を経てでもプロの門を叩けるだけのポテンシャルは十分。己を追求し続けられる環境さえあれば、大化けする可能性を秘めた好右腕だ。


(2025年夏 和歌山大会)