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新城 楓雅(奈良大付2年)投手 188/80 右/右 





 「スカウト好みの素材」





 旧チームではリリーフとして経験を積み、新チームからはエースの重責を託された 新城 楓雅 。体格、リーチの長さともにプロのトレンドに合致する「投手体型」であり、マウンドに立つだけで周囲を威圧する雰囲気がある。


【2025年秋季成績と分析指標】

WHIP
0.93(1イニングあたりに許した走者数。1.00を切ればプロ級の制圧力)

K/9
7.20(9イニング換算の奪三振数。長身から投げ下ろす角度の利が表れている)

K/BB
2.40(奪三振と四死球の比率。3.0を超えると優秀とされるが、素材型としては及第点)


投球回数
被安打
四死球 奪三振  防御率
15回 9 5 12 0.60


(投球内容)

ストレート:135キロ〜140キロ中盤 
☆☆★(2.5)

 2年夏の時点では130キロ台後半がメインだったが、秋には最速140キロ台中盤まで引き上がった。特筆すべきはWHIP
0.93という数字。球筋が高いという課題はありながらも、1イニングに一人もランナーを出さない計算であり、長身ゆえの角度が打者にコンタクトを許していないことがわかる。

変化球(スライダー):
☆☆☆(3.0)

 横滑りする軌道でカウントを整える。K/9
7.20という奪三振率を支えているのは、追い込んでからのこのスライダーの精度だろう。

変化球(チェンジアップ・パーム?):
☆☆★(2.5)

 非常に球速が遅く、シュート回転しながら沈む独特の球種。パームボールに近い変化を見せる。モノにできれば、さらに奪三振率(K/9)の向上が期待できる。

(投球のまとめ)

 現状は「完成」には程遠いが、K/BB
2.40という数字からは、大型投手特有の「自滅する危うさ」が比較的少ないことが見て取れる。タイプとしては 達 孝太(日本ハム)に近く、この制圧力のままスケールアップできれば、ドラフト上位候補への浮上も現実味を帯びてくる。





(投球フォーム)

 セットポジションから、勢いよく高々と足を引き上げる。序盤からエネルギーを放出するスタイルで、資質としては
リリーフ向きの爆発力も感じさせる。

<広がる可能性> 
☆☆(2.0)

 引き上げた足をそのまま直線的に下ろすため、軸足のお尻がバッテリーライン上に残りやすく、体を捻り出すスペースが不足している。そのため、カーブやフォークの習得には工夫が必要だ。現状は、球速差のある小さな変化を磨くのが現実的な路線だろう。

<ボールの支配> 
☆☆☆(3.0)

 グラブを内に抱え込み、体の開きを抑える意識は高い。軸がブレにくく、左右の制球は安定しやすい構造だ。ただし、リリースの瞬間に
足の甲が浮きやすく、力むとボールが上ずる傾向がある。球持ちが良いだけに、抜けるような球はあまり見られない。

<故障のリスク> 
☆☆☆(3.0)

 負担の大きい縦の変化球を多用していないため、現時点での肘への懸念は少ない。腕の振りにも無理はなく、肩への過度な負担は見られない。力任せに投げるタイプではないため、疲労蓄積の面でも比較的安心できる。

<実戦的な術> 
☆☆★(2.5)

 「着地」までの粘りがやや淡白で、
ボールの出どころが打者から見えやすいのが難点。角度はあるが、打者からすればタイミングを合わせやすい要素を含んでいる。しかし、体重移動の改善と筋力アップが進めば、打者の手元で伸びる「体感速度の速い球」へと進化するはずだ。

(フォームのまとめ)

 フォームの4大動作で見ると、
「着地」と「開き」に大きな改善の余地がある。足元の安定感が増せば、高めに集まりやすい制球も改善されるだろう。何よりも「武器になる変化球」を見出せるかが、今後の命題となる。


(最後に)

 非常に恵まれた資質の持ち主であり、順調にいけば最終学年には150キロ到達も期待できる。制球や変化球の精度など課題は山積しているが、その「未完成さ」こそが最大の魅力。プロの世界で磨けば化けるという評価を下す球団も現れるはずだ。一冬越えて、どの程度「投手らしく」変貌を遂げているか、確認できる日が待ち遠しい。


(2025年夏 奈良大会)