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| 織田 翔希(横浜3年)投手 186/76 右/右 | |
オフシーズンに作成した寸評の中で、言われているほど 織田 翔希 は圧倒的な存在ではないと書いた。一冬越えて、そのあたりがどう変わったのかを考えてみたい。 (投球内容) この選抜では、初戦の神村学園戦に先発し、7回2/3を投げて、7安打・1四死球・5三振・2失点の内容で甲子園を後にした。世代NO.1との呼び声の高い投手だっただけに、そういった期待に見合うほどの内容ではないまま終わってしまった感は強い。 ストレート 常時145キロ前後~MAX150キロ ☆☆☆☆ 4.0 球威でねじ伏せるというよりも、キレのあるスピンの効いた球で空振りを誘うタイプ。それゆえに、甘く入ると打ち返されやすく、投げミスが許されにくい投球になってしまう。しかし、この日打たれていた 田中 翔大(神村学園3年)左翼手と対峙した時には、140キロ台後半を連発するなど、ギアを上げた時のボールには見るべきものがあった。要所での甘さやアバウトな制球により、この日はヒットを浴びるケースも少なくなかった。安定してワンランク上の球威や球速を出すこと、普段の制球力の向上など、夏に向けて課題を残していることがハッキリした。 横変化 スライダー ☆☆☆ 3.0 小さく横にズレる、カットボールのようなスライダーでカウントを整える。ただし、この球で空振りを奪うようなキレはなく、また甘く入って痛打を浴びるケースも少なくない。 縦変化 フォーク・チェンジアップ ☆☆☆ 3.0 追い込む前から、左打者などには積極的に縦の変化を使ってくる。この球も空振りを誘うというよりも、引っ掛けさせたり、カウントを整えたりするのに使われるケースが多い。 緩急 カーブ ☆☆★ 2.5 余裕が出てくると、緩いカーブも交えてくる。ただし、使う頻度は少なく、それほど投球に大きな役割は担っていない。 その他 ☆☆☆☆ 4.0 クイックは0.9秒前後と高速であり、目配せなどもして走者はスタートを切りにくい。牽制なども適度に織り交ぜ、時々ボールを長く持ったりして、打者や走者を焦らすような投球術も見られる。フィールディングなども悪くなさそうだが、神村学園戦ではベースカバーに遅れる場面も見られた。それでも総じて、野球センスや投球以外の動作のレベルも高いと言えよう。 (投球のまとめ) 秋から目に見えて大きな成長は感じられなかったものの、クイックはかなり速くなっており、細部への追求は怠らなかったのだろう。特に、打たれた打者に対しギアを上げた時のボールには目を見張るものがあり、こういった球を安定して投げられるようになれば、プロでもローテーションを担っていける、そういった未来像を描きたくなるボールだった。 (投球フォーム) セットポジションから、足を引き上げる勢いや高さは並ぐらい。気になるのは、軸足一本で立った時に、膝から上がピンと伸び切ってしまい、直立気味になること。そのため、バランスを取ろうとする力みが感じられ、制球を乱す要因になりかねない。 <広がる可能性> ☆☆☆ 3.0 引き上げた足を地面に向けて伸ばすので、お尻はバッテリーライン上に残りがち。したがって、体を捻り出すスペースは十分ではなく、カーブやフォークのような、捻り出して投げる球種には適さない投げ方だ。 前に広めにステップすることで、体を捻り出す時間は平均的。そのため、曲がりの大きな変化球よりも、スライダーやチェンジアップ、高速で変化する球などで投球の幅を広げていくタイプなのではないだろうか。すなわち、カーブのような緩い球での緩急や、縦に鋭く落ちて空振りを誘うといった球種はモノにしにくい。 <ボールの支配> ☆☆★ 2.5 グラブはフォームの最後に、体から離れがち。したがって軸のブレも生じ、両サイドへのコントロールもアバウトになりやすい。足の甲での地面の捉えが浮いてしまいがちで、浮き上がろうとする力が抑えられない。力を入れて投げると、ボールが高めに集まったり、抜けやすい。「球持ち」自体は悪くないが、まだ打者の高めのボールゾーンに抜けてしまう球も少なくない。 <故障のリスク> ☆☆★ 2.5 お尻の一塁側への落としが十分ではないので、カーブやフォークといった球種を投げる際に窮屈になりやすい。そういった意味では、肘への負担も考えないといけないだろう。それ以上に気になるのが、ボールを持っている肩が上がり、グラブを持っている方の肩が下がりがちだということ。腕の送り出しに無理があるので、肩への負担も少なくはなさそうだ。そこまで力投派ではないので、疲労を溜めすぎるといったことはないと思うのだが。 <実戦的な術> ☆☆☆ 3.0 「着地」までの粘りは平均的で、体の開きも並ぐらい。ボールが早く見えすぎることはないと思うが、フォームが直線的なのでタイミングは合わされやすい恐れはある。 腕は適度に振れているが、打者が吊られやすいほどかは微妙。ボールにはある程度体重を乗せてから投げられているが、重心が一塁側に流れるなどして、作り出したエネルギーをロスしてしまっている。 (フォームのまとめ) フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、極端な欠点はないものの、特別優れているところも見当たらない。そのため、まだまだ全体の動作に粘りが欲しい。制球を司る動作には粗さがあり、故障のリスクも低くはない。将来的に、武器になるほどの変化球を習得できるかも微妙で、フォーム的には結構リスキーな素材だと評価する。 (最後に) 最終的には、1位の12名の中に入ってくる可能性は高いのではないかと見ている。しかし、世代屈指の存在なのか、プロでも高い確率でモノになるのかと言われれば、懐疑的な見方をする。それでも3年目ぐらいには、一軍でもローテーション投手に育っていく、そんな未来像を描きたくなる好素材なのは間違いないだろう。今は、夏までのさらなる成長を待ちたい。 蔵の評価:☆☆☆(上位指名級) (2026年 センバツ大会) |
| 織田 翔希(横浜2年)投手 185/75 右/右 | |||||||||||
確かに良い素材なのだけれども、競合相手に力で圧倒できるほどかと言われると疑問が残る 織田 翔希 。これは、彼に限らず今年の候補全般に言えることではないのだろうか。 (投球内容) 少し突っ込むようなフォームから投げ込んでくる。この秋の成績では、WHIP 1.04〈出塁許容率が低い優秀値〉、K/9 10.85〈9回あたり奪三振数が非常に高い〉、K/BB 4.30〈制球の良さを示す好比率〉)
ストレート 145キロ前後~150キロ ☆☆☆★ 3.5 適度な勢いと角度を感じさせる球質で、この球を魅せ球に使ってくる。それほど細かいコントロールはないが、両サイドに大まかに散らせてくる。高校レベルであれば上位クラスだが、強豪校相手だと高めに浮けば逃さず打ち返されたりする。それだけボールの力そのものに圧倒的なものは感じられない。 横変化 スライダー ☆☆☆ 3.0 右打者を中心に、横滑りするスライダーを使ってくる。打者の空振りを誘うような球ではないが、カウントを取れてくる。 縦変化 チェンジアップ ☆☆☆ 3.0 結構縦の変化を多く織り交ぜてくる。ただし、ストンと落ちるような球ではなく、むしろカーブのような緩い軌道でシュート回転してくる。この球はチェンジアップというよりも、パームボール的な色彩が強い。 緩急 カーブ ☆☆☆ 3.0 緩いカーブを結構多く使ってくる。この球も他の球種とのアクセントだったり、カウントを整えるのに使ってくる。 その他 ☆☆☆☆ 4.0 クイックは1.1~1.2秒ぐらいと平均的。走者への目配せもきちんとできている。牽制も適度に鋭く、フィールディングの動きも悪くない。適度にボールを長く持つなど、そうした投球センスは持ち合わせている。 (投球のまとめ) まだ真っすぐで圧倒するというよりも、速球を魅せておきながら変化球で仕留めるタイプ。コンビネーションで組み立てて投球を作っていくスタイルと言っても過言ではない。特に高いK/9(9回あたり10.85奪三振)とK/BB(4.30)から、変化球を活かした空振り誘発と制球の良さが光る。一冬越えて、さらにボールに勢いや凄みが出てくれば良いが、今のままでは物足りない。その辺を最終学年でどう変わっていくのか、注視したい。 (投球フォーム) セットポジションから、足を引き上げる勢いや高さがある。そういった意味では、フォーム序盤からエネルギー捻出の高いリリーフタイプのように思える。軸足一本で立った時に、膝から上がピンと伸び切ってしまい「トの字」のように直立した立ち方になってしまっている。余計な力が入って制球を乱したり、前に突っ込むようなフォームになりやすい。実際、彼の投球では体が突っ込む場面がよく見られる。 <広がる可能性> ☆☆☆ 3.0 引き上げた足を地面に向けて伸ばすので、お尻の一塁側への落としは甘くなりがち。そういった意味では、カーブやフォークを投げられないことはないものの、曲がりが鈍くなりやすい。「着地」までの地面の捉えは並ぐらいで、球速のある小さな変化で投球の幅を広げていくタイプになるのではないだろうか。 <ボールの支配> ☆☆☆★ 3.5 グラブは最後まで体の近くにあるので、外に逃げようとする遠心力を内に留めることができている。したがって軸はブレにくく、両サイドのコントロールはつきやすい。足の甲での地面の捉えが浅いので、浮き上がろうとする力を十分に抑えられていない。「球持ち」も並ぐらいで、力を入れて投げるとボールは上吊りやすい。 <故障のリスク> ☆☆☆ 3.0 お尻の落としに甘さが残る割に、カーブやフォーク系の球を積極的に使ってくる。そういった意味では窮屈になりやすく、肘などを痛めないように注意したい。腕の送り出しを見ると多少無理は感じられるが、そこまで悲観するほどではない。フォームもそこまで力投派ではないので、疲労を溜めやすいほどではなさそうだ。 <実戦的な術> ☆☆☆ 3.0 「着地」までの粘りは平均的だが、少しフォームが直前的でボールが見やすいように見える。そのため球筋が読まれやすく、腕の振りが良くても縦の変化を振ってもらえないことも少なくない。フィニッシュ時の地面の蹴り上げなどは悪く見えないが、投げ終わった後に一塁側に重心が流れ、作り出したエネルギーをロスしてしまっている。 (フォームのまとめ) フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、「開き」や「体重移動」にまだ改善の余地がありそうだ。制球を司る動作は高めに抜けやすい部分で注意が必要で、窮屈になりやすい割にカーブやフォークを投げることも多く、肘などへの負担は少なくない。将来的に武器になるほどの変化球を習得できるかと言われると微妙で、決め手不足で伸び悩む可能性もある。 (最後に) 秋までの投球を見る限り、そこまで絶対的な存在ではないように思える。防御率2.27に加えWHIP 1.04と出塁を抑える能力は優秀だが、ボールそのものの威圧感がもう一歩。2026年度の上位候補全般に言えるのだが、彼も最終学年での成長次第ではないだろうか。そうした上積みがなければ、順位も下がってきそうだ。今のところは1位の候補ではあるが、決定的とは言えない。彼の投球内容や成績を見ていても、それを強く実感する。 (2025年 秋季神奈川大会) |