26kp-17
| 北添 颯志(高知商2年)投手 182/69 右/右 | |
今年の四国地区において、純粋な素材としてはNO.1の評価を与えられるのが、この 北添 颯志 だ。スラリとした投手体型から放たれる140キロ台の直球は、次世代の本格派を予感させるに十分な威力を備えている。 【投球内容】 2年秋にはエースとしてチームを四国大会へ導き、選抜出場を決めた英明を相手に激闘を演じた。夏の時点では粗削りな面も目立ったが、短期間で急成長を遂げている。 ストレート:140キロ前後~MAX143キロ(☆☆☆ 3.0) リリーフ登板時など、直後に制球を乱す場面も見られたが、ひとたび落ち着けば両サイドへ勢いのあるボールを投げ込む。最大の長所は、この球威を維持しながらボールを低めに集められる点にある。 変化球:スライダー(☆☆★ 2.5) 現在はスライダーとのコンビネーションが主体。ただし、この球の精度にバラつきがあり、カウントを悪くする原因となっている。高次元での投球を安定させるには、スライダーの精度向上、あるいは第3の球種の習得が待たれる。 マウンド捌き 状況に応じてパッとプレートを外すなど、投手らしいセンスを感じさせる。登板直後の安定感に課題を残すが、本質的なマウンド捌き自体は悪くない。 【投球のまとめ】 夏の時点では「速い球を投げる素材」の域を出ていなかったが、秋の四国大会での快投により、一気に実戦的な凄みが増してきているようだ。ポテンシャルの高さはすでに「素材型」という言葉だけでは片付けられないレベルに達しつつあるのかもしれない。 【投球フォーム】 セットポジションから、勢いよく高く足を引き上げる。軸足一本で立った際、膝から上が伸び切る傾向はあるが、引き上げた足を二塁側に送ることで軸のバランスを保つ工夫が見られる。 広がる可能性(☆☆☆ 3.0) 引き上げた足を地面に向けて直線的に伸ばすため、お尻の一塁側への落とし(ヒップファースト)が甘くなりやすい。しかし、カーブやフォークの習得が不可能なレベルではない。 着地までの時間を稼ぐため、ステップを少し前に送ることで「間」を作っており、早すぎる着地(開き)を防いでいる。現状は大きな曲がりの変化球よりも、球速差の少ない小さな変化球を軸に投球の幅を広げる適性がある。 ボールの支配(☆☆☆★ 3.5) グラブを体の近くで抱え込み、遠心力を内部に留める動作ができている。これにより軸がブレにくく、本来は両サイドの制球を安定させやすいメカニズムを持っている。 地面の捉え(足の甲の使い)に浅さは残るものの、低めに球が集まるのは球持ちが平均水準にある証拠。筋力アップと共にリリースが安定すれば、制球力のある本格派へ進化するだろう。 故障のリスク(☆☆☆ 3.0) ヒップファーストの甘さはあるが、負担の大きい縦の変化球を多投していない現状では、大きなリスクとは言えない。肩の上下動(右肩が上がり、左肩が下がる動作)に多少の癖は見られるが、神経質になるほどではなく、疲労蓄積も比較的少ないタイプと推察される。 実戦的な術(☆☆☆ 3.0) 着地までの粘り、ボールの出どころの隠し方は平均的。打者にとって特別苦になるフォームではないが、タイミングを合わせやすいほど淡白でもない。 課題はフィニッシュ。投げ終わった後の地面の蹴り上げが弱いのは、作り出したエネルギーを指先に伝えきれていない証拠。これは技術以上に、線の細さ(ウェート不足)が根本的な要因だろう。 【フォームのまとめ】 「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」の4大動作すべてにおいて、さらなる「粘り」が欲しい。制球を司る基本的な使い方は悪くないため、体格の向上に伴い、勝負球となる変化球の習得が最優先課題となる。 【総評】 素材としては申し分ないが、高卒即プロ入りを実現できるかどうかは、この一冬のフィジカル強化(体重増加・筋力アップ)の成果にかかっている。身体の厚みが増し、直球の出力が常時140キロ台後半で安定してくれば、スカウト陣の評価は一変するはずだ。 もしフィジカル面が物足りないと判断されれば、大学等でワンクッション置く道も考えられるが、その高い潜在能力は「プロの領域」を十分に狙えるもの。春の訪れと共に、どれだけ「強さ」を増した姿を見せてくれるか、非常に楽しみな存在だ。 (2025年夏 高知大会) |