26kp-10
| 堅田 徠可(高知中央2年)投手 170/72 右/右 | |
昨年夏の高知大会決勝戦。戦前の予想に反してマウンドに上がった 堅田 徠可。最速151キロを記録したその快投ぶりに、明徳義塾も動揺したのは間違いなかった。 (投球内容) 先発が予想された投手が肘痛に見舞われ、急遽マウンドに上がることになった堅田。試合序盤は明徳にリードを許すなど苦しい展開が続いたが、8回にこの日最速の 151キロ を記録。結局、2失点7奪三振の粘りの投球で明徳を撃破した。決して勢いだけで押し切った試合ではなかったのだ。 ストレート:常時145キロ前後〜MAX151キロ(評価:☆☆☆☆ 4.0) ゾーン内での細かい制球力はそれほど高くなく、枠の中に勢いのある球をポンポンと投げ込むスタイル。ただし、左打者の内角には厳しい球が決まることが多い。明徳戦の8回のピンチで150キロ台を連発した際、球数はすでに110球を超えていた。そのスタミナと気持ちの強さは圧巻であり、何よりその時の気迫のこもったボールは素晴らしかった。 横の変化:スライダー(評価:☆☆☆ 3.0) 打者の手元でキュッと曲がるスライダーのキレも悪くない。この球でしっかりカウントを整えることができている。 縦の変化:スプリット(評価:☆☆☆★ 3.5) ピンチの場面、カウントを悪くした「3-1」からでも、積極的に縦の変化を使い空振りを誘っていた。その精度と落差には本人も自信を持っているのだろう。落差自体は大きくないが、勢いのある真っ直ぐとの見極めは困難で効果的だった。 緩急:? 試合を観る限り、緩い球は確認できなかった。 その他(評価:☆☆☆★ 3.5) クイックは1.05〜1.15秒前後と基準以上。走者に目配せをしつつ、牽制も適度に鋭い。細かい駆け引きを弄するタイプではないが、ピンチでも堂々としており、気持ちがブレないのが長所だ。まさに「投げっぷりの良い投手」を体現するような投球であった。 (投球のまとめ) ここぞの場面での馬力と度胸は素晴らしい。決して速球だけでなく、変化球のキレや精度にも高いものがある。2年夏の時点で、これほどの大舞台で最高のパフォーマンスを発揮してしまったことが、逆にその後の成長を妨げないか、燃え尽きを心配するほどだ。それでも、最後の夏には再びあの熱投が戻ってくる日が来るはずだ。 (投球フォーム) セットポジションから足を引き上げる勢いや高さは適度にある。フォームを見ると、やはりリリーフ的な色彩が強い投手という印象を受ける。軸足一本で立った際、膝から上がピンと伸びきりやすく、力みが見られる。無理にバランスを保とうとするあまり、制球を乱す要因となっている。 <広がる可能性> 評価:☆☆ 2.0 引き上げた足を地面へ下ろすだけでなく、二塁側へかなり送り込んでいる。そのためお尻がバッテリーライン上に残りやすく、カーブやフォークといった縦に割れる球種にはあまり適していない。現在使っているのが握りの浅いスプリットであるという部分をどう見るべきか? 「着地」までの地面の捉えも早く、体を捻り出す時間も短い。そのため曲がりの大きな変化球よりも、球速のある小さな変化を中心に投球の幅を広げていくタイプだろう。現状、スライダーの曲がりやスプリットのキレを効果的に使えており、そこまで神経質になる必要はないのかもしれない。 <ボールの支配> 評価:☆☆☆ 3.0 グラブを最後まで内に抱え、外に逃げようとする遠心力を抑え込んでいる。したがって軸はブレにくく、両サイドへの制球はつけやすい。一方で、足の裏での地面の捉えが短い。そのため浮き上がろうとする力を十分に抑え込めているとは言えず、リリースでもボールを押し込みきる前に離してしまうことが多い。結果として、ボールが高めに浮いたり抜けたりすることも少なくない。 <故障のリスク> 評価:☆☆★ 2.5 お尻の落としが不十分なため、下半身に十分なスペースを確保できず、投球動作が窮屈になりやすい。スプリットは比較的負担が少ないとはいえ、肘のケアには十分に気をつけていただきたい。 腕の送り出しを見る限り、肩への負担は少なそうだ。ただし力んで投げる傾向もあり、疲労が蓄積しやすいタイプではないだろうか。 <実戦的な術> 評価:☆☆☆★ 3.5 「着地」までの粘りに欠けるため、フォームが一辺倒になりやすい。それでもボールの出どころは平均的で、腕もしっかり振れているため、打者は釣られやすいのだろう。 まだ十分に体重が乗り切る前にリリースを迎えてしまうことが多く、打者の手元での威力という意味では、さらなる伸びしろを残している。 (フォームのまとめ) フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」において、動作全体にもう一歩の粘りが欲しい。制球に関しては高低の精度に課題を残す。故障のリスクとしては、力投派ゆえの消耗や、動作の窮屈さからくる肘への負担が懸念される。将来的には、大きな変化球を習得するより、球速のある小さな変化を中心に投球の幅を広げていくことになりそうだ。 (最後に) 2年夏の高知大会決勝で、燃え尽きていないかという心配はある。それだけに、最終学年に向けてどこまで成長を遂げていけるのか、慎重に見極めていきたい。しかし、あの時見せたパフォーマンスは紛れもなく本物だ。再びあの熱い投球を見せてくれる日が戻ってくると信じ、その時を静かに待ちたい。 (2025年夏 高知大会) |