26dy-7





伊藤 櫂人(中央大4年)三塁 178/84 右/右 (大阪桐蔭出身) 
 




 「数少ない長距離候補」





 26年度のドラフト戦線において、一発の魅力がある長距離打者はなかなか見当たらない。そんな中、東都通算15本塁打を誇る 伊藤 櫂人 は、数少ない候補の一人となる。


走塁面:
☆☆★(2.5)

 一塁までの塁間は、右打席から4.75秒前後。左打者換算で4.5秒ほどと、かなり遅い。ただし大学下級生時には4.35秒前後(左換算4.1秒相当)と、プロ基準レベルの走力を記録している。今春も13試合で1盗塁。全く動けないわけではないが、プロで足を売りにしていくタイプではないだろう。

守備面:
☆☆☆(3.0)

 大阪桐蔭時代から三塁守備は悪くなかった。ガッチリした体格になり俊敏さは鈍ったが、決して下手な選手ではない。肩も基準以上だが、今春3失策を記録したように、安定感には欠ける傾向にある。





(打撃内容)

 今春は4本塁打を放ち、三塁手として2度目のベストナインを受賞した。

<セイバーメトリクス補足>

 特筆すべきは「
OPS(出塁率+長打率)」が1.067という高い数値を記録している点です。OPSとは打者の「出塁する能力」と「長打を打つ能力」を合計した指標で、得点との相関が極めて高いことで知られます。打率以上の長打力と出塁能力を兼ね備えた、チームの得点源になり得るポテンシャルを証明しています。

 打率 打数 安打 本塁打(ニ・三塁打 打点 三振 四死球 出塁率 長打率
.316 38 12 4(0) 6 15 8 .435 .632


<構え> ☆☆☆(3.0)

 右打席でスクエアスタンスで構え、グリップを高めに添える。腰は深く沈めるが、
両目で前を見据える姿勢には不満が残る。体を動かさずに構えているので、全体的に固く見える傾向がある。

<仕掛け>
平均

 投手の重心が沈みきった底で動き出す「平均的な仕掛け」。ある程度の確実性と長打力を兼ね備えた、中距離打者やポイントゲッターに見られるタイミングだ。

<足の運び>
☆☆☆★(3.5)

 足を引き上げ、真っ直ぐ踏み出す。始動~着地までの「間」はそこそこで、速球・変化球に対応。真っ直ぐ踏み出す点から、内角外角ともにさばきたいタイプだろう。前の足はインパクトで動かず、逃げる球や低めにも食らいつけるため、
右方向へ大きな飛球を飛ばせる。

<リストワーク>
☆☆☆☆(4.0)

 トップを早めに作れており、速い球に立ち遅れにくい。振り出しにロスはなく、インパクトでヘッドが下がらないため広い面でボールを捉えられる。基本的に引っ張りで長打を生み出すタイプで、
大きなスイング弧が強烈な打球の原動力となっている。

<軸>
☆☆☆★(3.5)

 頭の動きや目線の上下は少なめ。体の開きも我慢できているが、軸足が前に崩れがちなため
突っ込みには注意。足の内転筋は強そうで、これが強烈な打球を生んでいる。

(打撃のまとめ)

 強打者だが動作に悪い癖はない。柔軟性には課題が残る可能性があるが、極端な脆さはなく、大物打ちであれば許容範囲。あとはプロの速い球に対し、どの程度長打で異彩を放てるかだろう。


(最後に)

 昨年の 繁永 晟(中央大-楽天3位)に比べると、長打という意味では伊藤に分がありそうだ。人間性は未知数だが、強打タイプの内野手が不足する今年のドラフト戦線では貴重な存在。右打ちの三塁手は人気ポジションであり、指名の可能性は高いと見ている。イメージ的には、少し 村田 修一(日大-DeNA-・巨人)を彷彿とさせる選手だ。今後の活躍にも、注視して行きたい。


蔵の評価:
☆☆(中位指名級)


(2026年 春季リーグ戦)