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| 川尻 啓人(亜細亜大4年)投手 189/93 右/左 (高岡商出身) | |||||||||||||||
圧倒的な球威と球速を誇り、搭載しているエンジンは一番ではないかと思われる 川尻 啓人。リーグ戦の後半につれて、だいぶ地に足の着いた投球ができるようになったと感じられた。 (投球内容) 4年春は6試合に登板し、うち4試合で先発。ただし、先発しても試合中盤で降板することが多い。 <セイバーメトリクス補足> 特筆すべきは「K/BB」が3.29という高い水準である点です。K/BBは「奪三振数÷与四死球数」で算出され、投手の制球力と安定感を示す指標です(3.0を超えると優秀とされます)。また「WHIP」も1.21と安定しており、球威のみならず、走者を出す確率が低く抑えられている点が、実戦力の向上を証明しています。
ストレート:☆☆☆☆★ 4.5(常時150キロ前後~中盤) 今年の先発投手の中では、球威・球速ともに頭一つ抜けている。細かいコントロールには欠け、高めに集まりがちな球筋だ。元来、球威で詰まらせるタイプだが、現在は序盤ならば高めの直球で空振りを奪える。ただし、球勢が鈍ると高めに浮いたり、開きの早いフォームの影響でヒットを浴びることも少なくない。現状、ゾーン内でファウルや空振りを誘える領域は限定的だ。 横変化:スライダー ☆☆☆ 3.0 縦の変化成分が多い。精度は発展途上で、カウントを容易に奪うまでには至っていない。 縦変化:スプリット ☆☆★ 2.5 使用頻度は高いが、なかなか空振りを奪えていない。意識付けまではできていても、仕留めるまでには至らない。 緩急:カーブ ☆☆ 2.0 たまに使用するが、ストライクゾーンへの制球が安定せず、余裕のある場面での使用に限られる。 その他 ☆☆★ 2.5 クイックは1.15~1.20秒と若干遅め。走者への目配せも課題で、フォームを盗まれる懸念はある。フィールディングも決して上手いとは言えない。ボールを長く持つなどの投球術は未熟だが、走者を背負っても落ち着いて投げられるようにはなってきた。 (投球のまとめ) 以前のような荒っぽさは薄まり、許容範囲に収まりつつある。制球が安定してきたことで、精神的な余裕が生まれているのだろう。成長途上ではあるが、下級生時代よりも確実に実戦力は向上している。 フォーム分析 広がる可能性 ☆☆☆ 3.0 引き上げた足を地面に伸ばしがちなため、お尻の一塁側に甘さが残る。変化球のキレも鈍りやすい。「着地」までの地面の捉えは平均的だが、昨年より改善が見られる。現状は武器となる変化球の習得が課題となる。 ボールの支配 ☆☆☆★ 3.5 グラブは最後まで内に抱えられており、遠心力を抑えられている。軸はブレにくく、両サイドへのコントロールは可能だ。足の甲での地面の捉えが少し浅いためボールが高めに浮きやすいが、「球持ち」自体は悪くない。 故障のリスク ☆☆☆★ 3.5 お尻の落としに甘さを残しつつ変化球を多投するため、肘への負担には注意したい。ただし腕の送り出し自体は無理がなく、力みすぎた感じはない。 実戦的な術 ☆☆☆ 3.0 打者からタイミングが図られやすい傾向がある。腕は適度に振れているが、開きが早いため、せっかくの縦変化も振ってもらえない要因になっている。地面の蹴り上げは良く、エネルギーの伝達効率は良い。 (フォームのまとめ) 「着地」と「開き」に改善の余地がある。足の甲での捉えが浮きがちなのが高めの要因だが、将来的に武器となる変化球を見出せるかが鍵だ。肘のケアを怠らなければ、さらなる飛躍が期待できる。 総評 まだ志半ばの内容ではあるが、昨年より明確な改善の跡が見られる。実戦的な投球ができるようになりつつあり、何より持っている素材がA級だ。現状でも上位指名(2位以内)が意識でき、秋にさらなる向上があれば1位指名の可能性も見えてくる。今は、その成長を静かに見守りたい。 蔵の評価:☆☆☆(上位指名級) (2026年 春季リーグ戦) |
| 川尻 啓人(亜細亜大3年)投手 188/84 右/左 (高岡商出身) | |||||||||||||||||||
大学での実績には乏しいが、ドラフト指名された 齊藤 汰直(広島2位)あたりと比べても、真っ直ぐの威力では勝って見えたのが、この 川尻 啓人 だ。最終学年でのアピール次第では、一躍上位候補に浮上してきても不思議ではない能力の持ち主である。 (投球内容) リーグ戦通算で11試合に登板し、まだ勝ち星を挙げたことはない。気になるのは、3年秋のリーグ戦での登板がなかったことだろう。夏場の試合などでは元気に投げていたのだが……。3年秋までの通算成績は以下の通り。 【セイバーメトリクス指標の解説】 K/BB:奪三振と与四球の比率。3.00を超えると優秀とされる。 WHIP:1イニングあたりに許した走者数。1.20未満ならエース級。 K9(奪三振率):9イニング換算で奪う三振数。9.00を超えると非常に高い。 BB9(与四死球率):9イニング換算で出す四死球数。
ストレート:常時145キロ前後〜150キロ強(評価:☆☆☆☆ 4.0) この選手の最大の長所は、真っ直ぐの球威・球速で押せるところにある。与四死球率(BB9)6.58と制球は荒っぽいが、被安打がイニング数より少ない点は魅力。ゾーン内にしっかり投げ込めれば、相手を詰まらせたり打ち損じを誘ったりするケースが多い。 横変化(スライダー)(評価:☆☆☆ 3.0) スライダーである程度カウントを整えることができている。打者の空振りを奪うほどのキレはないが、この球の存在は大きい。 縦変化(スプリット)(評価:☆☆★ 2.5) 高速で小さく沈むため、空振りを誘うというよりは、引っ掛けさせて打ち取る役割が多い。 その他(評価:☆☆☆ 3.0) クイックは1.05~1.10秒前後と基準以上。ただ、走者への目配せがもう一つのため、フォームを盗まれないか気になるところだ。適度な牽制やボールを長く持つなど、スタートを切りにくくする工夫が必要だろう。 (投球のまとめ) 指標を見ても、高い奪三振率(K9: 8.56)を誇る一方で、防御率や制球面に課題を残す。あくまで強い真っ直ぐで押す投球に終始しており、技術・実績ともにまだ乏しい印象。それでも、最終学年に「大化け」を期待したくなる素材である。総合力をどこまで引き上げられるかだが、現状ではリリーフ適性の高い素材と感じる。 (投球のフォーム) ノーワインドアップから足を引き上げる勢いと高さがあり、序盤から高いエネルギーを捻出できている。そういった意味でもリリーフタイプの投手だろう。軸足一本で立った際、膝にさほど余裕はないが、全体的にバランス良く立てている。 <広がる可能性>(評価:☆☆★ 2.5) 引き上げた足を二塁側に送るため、お尻の一塁側への落とし(ヒップファースト)には甘さが残る。それでもカーブやフォークが投げられないほどではなさそうだ。むしろ問題は「着地」が早いことで、体を捻り出す時間が確保できていない点にある。そのため、曲がりの大きな変化球よりも、球速のある小さな変化を中心に組み立てることになりそうだ。 <ボールの支配>(評価:☆☆☆☆ 4.0) グラブを最後まで内に抱え、遠心力を抑えられている。軸がブレにくいため、両サイドへのコントロールはつけやすいはずだ。足の甲での地面の捉えも良く、ボールが浮き上がるのを抑えられている。「球持ち」も悪くなく、高めに抜けるミスも少ない。これだけ投球動作の質が良い割に、BB9(与四死球率)が改善されない要因は、指先の感覚(リリース)の繊細さがまだ足りないためかもしれない。 <故障のリスク>(評価:☆☆☆★ 3.5) お尻の落としに甘さはあるが、無理な捻りは見られず、変化球も負担の少ないスプリットが中心。現状、故障に対して神経質になる必要はなさそうだ。腕の振りを見ても肩への負担は少なそうに見える。 <実戦的な術>(評価:☆☆☆ 3.0) 「着地」までの粘りが淡白で、ボールの出所も平均的。決して「タイミングの取りにくい」フォームではない。しかし、分かっていても詰まらされるだけの球威があるのが彼の強みだ。腕は振れているが「開き」が早いためか、打者がボールを長く見られる(吊られにくい)感覚がある。 (フォームのまとめ) 「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」の4大動作のうち、「着地」と「開き」に改善の余地がある。制球を司る動作は良い割に、実戦で制球を乱す要因を突き止めたい。真っ直ぐ以外の変化球で、何か一つ武器になる球が習得できれば化けるはずだ。 (最後に) 現状は素材型の域を脱しておらず、期待半分・不安半分といったところ。しかし、WHIP(1.32)が示す通り、走者を出す割には打たれていないポテンシャルは非常に魅力的だ。最終学年に才能を開花させ、彼が上位戦線に食い込んでくるようだと、豊作と言われる26年度ドラフト戦線はさらに盛り上がることになるだろう。 (2025年 春季リーグ戦) |