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| 的場 吏玖(天理大3年)投手 186/71 右/右 (大阪電通大高出身) | |||||||||||||||||||
高校時代から大阪では話題の投手で、天理大に進んでからも順調に実績を重ねてきた 的場 吏玖 。しかし、依然として線が細く、高校時代と同様にボールや体の強さといった部分には物足りなさを残している。大学からのプロ入りを果たすには、ここを抜本的に変えられるかどうかに懸かっていると言えるだろう。 (投球内容) 2年春に5勝0敗の好成績を残し、続く秋はリーグ2位の防御率を記録。さらに昨年は、年間を通して6勝負けなしと、今や関西を代表する好投手の一人に数えられている。 【指標による分析】 WHIP:1.03 (1イニングあたりに出した走者の数。1.10未満ならプロでもエース級とされる) 非常にランナーを出しにくい、安定した投球ができていることを示している。 K/BB:2.84 (奪三振と与四球の比率。3.50を超えると超優秀とされる) 2.84は良好な数字。四球で自滅するタイプではなく、制球力の高さが裏付けられている。 BB9:2.74 (9イニング換算でいくつ四球を出すか) 3.00を切っており、大学球界では十分に合格点の制球力。
ストレート(130キロ台後半〜140キロ台前半):☆☆★ 2.5 良く言えばキレ型、厳しく言えば球威不足。両サイドに散らして投げミスを抑えているが、時折高めに浮いた球を痛打されるケースが目立つ。昨今のドラフト候補右腕としては、球速・球威ともに物足りなさは否めない。最終学年でこの真っ直ぐの質がどこまで向上しているかが、最大のチェックポイントだ。 横の変化(スライダー・カット):☆☆☆★ 3.5 小さく動くカットボールと、大きく曲がるスライダーでカウントを整える。これらの精度とキレは高く、実戦的だ。 縦の変化(フォーク):☆☆☆ 3.0 縦の変化も積極的に混ぜる。まだ見極められる場面もあるが、落差と精度自体は悪くない。 緩急(カーブ):☆☆★ 2.5 稀に緩いカーブを織り交ぜるが、投球に余裕がある時に限られており、頻度は高くない。 その他(守備・術):☆☆☆★ 3.5 クイックは1.05~1.10秒前後と基準以上。ベースカバーや牽制の鋭さもあり、野球センスと運動能力の高さが窺える。 (投球フォーム) セットポジションから足を高く引き上げる。本質的には先発タイプなのだろう。軸足で立った際に膝が伸び切らず、力みのないバランスの良い立ち姿が印象的だ。 <広がる可能性>:☆☆☆☆★ 4.5 引き上げた足を高い位置で維持し、お尻を無理なく一塁側へ落とせている。体を捻り出すスペースが確保されているため、カーブやフォークなどの縦の変化球を投げる際も無理がない。将来的にはさらに大きな武器となる変化球を習得できそうな予感がある。 <ボールの支配>:☆☆☆☆ 4.0 グラブを最後まで内に抱え込み、遠心力を制御できている。軸がブレにくいため両サイドの制球が安定し、足の甲で地面をしっかり捉えているため、球の浮き上がりも抑えられている。 <故障のリスク>:☆☆☆☆★ 4.5 お尻の落としがスムーズで、変化球を投げても体に窮屈さがない。腕の振りも自然で、肩への負担は少ないだろう。現状は力投派ではないため、疲労の蓄積も抑えられそうだ。 <実戦的な術>:☆☆☆☆ 4.0 着地までの粘りがあり、球の出どころが隠されているため、打者からすればタイミングが取りづらい。投げ終わった後の腕の振りも鋭いが、現状は体重(ウェート)が足りず、手元での強さに欠ける。しかしエネルギー伝達の仕組みは出来上がっている。 (フォームのまとめ) 「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」というフォームの4大要素において、大きな欠点が見当たらない。制球を司る動作は理想的で、将来的に化ける可能性を十分に秘めている。正直なところ、ここまで私の求める形を体現できている投手は、これまでに数えるほどしか見たことがない。 (最後に) 未完成な筋力ゆえに「ボールの強さ」という大きな課題はあるが、投球フォームに関しては私がこれまで分析してきた中でも、間違いなく最高峰の一人だ。 高校時代からの課題である「体重増加とそれに伴う球威向上」。ここを最終学年でクリアできるのであれば、ドラフト会議でも強く推していきたい魅力的な素材である。 (2025年 リーグ戦) |