25ky-36
| 江崎 歩(福井工大福井3年)遊撃 168/67 右/左 | |||||||||||||||||||
170cmに満たない小柄な体格ながら、コースに逆らわない巧打と相手の隙を突くセーフティバントを決め、グラウンドを所狭しと動き回る 江崎 歩 。 走塁面:☆☆☆★ 3.5 左打席から一塁までを4.1秒前後で駆け抜ける脚力は、プロの基準レベルに達している。驚異的なスピードではないが、積極的にセーフティバントを仕掛けて揺さぶりをかけたり、3年夏の大会では4試合で3盗塁を決めるなど、走力を前面に押し出したプレーを見せる。プロで「足を売りにできるか」は微妙なラインだが、走力以上の走塁センスを備えているのは間違いない。 守備面:☆☆☆★ 3.5 難しい体勢からでも送球が乱れず、動きの良さが目立つ。捕ってからの動作も素早く、投手としても140km/h超のボールを投げられるなど地肩も悪くない。プロでショートを任せられるかは微妙な印象だが、センターラインで十分に勝負できるタイプだと評価している。 打撃内容 3年夏の大会では、打率.643のハイアベレージを残し、チームを決勝まで導きました。3年夏の4試合での打撃成績なのです
参考までにセイバーメトリクス指標を算出すると ・出塁率(OBP:塁に出る総合的な確実性).688 ・長打率(SLG:一打あたりの塁打生産力)1.000 ・OPS(OBP+SLGのシンプルな総合打撃指標)1.688 ・IsoP(純粋な長打力=SLG-打率).357 と、4試合という限られたサンプルながら極めて高い数値を残している。 <構え> ☆☆☆★ 3.5 左打席で前足を軽く引き、かかとを浮かせて構える。グリップは高めに置き、捕手側に引いて添えている。腰の据わりと両目で前を見据える姿勢は良好だが、全体のバランスは並程度。 <仕掛け> 平均 投手の重心が下がりきったあたりで動き出す「平均的な仕掛け」を採用。確実性と長打力を兼ね備えた中距離打者や、勝負強さを売りとするポイントゲッターに多く見られるタイミング。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 足を上げてベース側から離れる方向に踏み出すアウトステップを採用。始動から着地までの「間」はそこそこで、速球・変化球への対応力は十分。内角への意識が強く感じられる。それでいて踏み込んだ前足はしっかり止まっており、低めや逃げる球にも食らいついていく。体を上手く残しながら流し打ちが上手い選手。 <リストワーク> ☆☆☆☆ 4.0 あらかじめ捕手側にグリップを引いているため、トップの作成が早い。バットの出も内からスムーズで、インパクトまでロスが少ない。ヘッドを落とさず広い面で捉えることができ、フェアゾーンに打ち返す確率が高い。三振ゼロはBABIP(運や守備の影響を除いた打球の安打確率)が非常に高いことを示唆しており、コンタクトの質の良さが数字にも表れている。まだ非力な部分が残っており、ここが今後の課題だろう。 <軸> ☆☆☆☆ 4.0 足の上げ下げが静かで目線のブレが少なく、体開きも我慢できている。軸足の粘りも感じられ、軸の安定感は高い。 (打撃のまとめ) リストの柔らかさと高いコンタクト能力が最大の武器。4試合だけでもK%(三振率)0%、BB%(四球率)12.5%と選球眼も悪くない。一方で高校生らしい非力さも残っており、現時点ではセンスとコンタクトで打っている印象が強い。現代野球ではコンタクトだけでなく長打力も求められるため、IsoPや硬式でのSLGをどこまで伸ばせるかがプロでの生き残りの鍵になるだろう。 (最後に) 決して長打で魅せるタイプではないため、センターラインでの守備力と走塁センスで存在感を示したいところ。野球センスは極めて高く、追求心もある選手だ。いかに自分の「生きる道」を見つけられるか。その意味では、まさに育成枠での指名が似合う素材と言えるのではないのだろうか。 (2025年夏 福井大会) |