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エミール・セラーノ・プレンサ(幸福の科学学園)中堅&投手 189/105 右/右 | |||||||||||||||||||||||||
エミール・セラーノ・プレンサ の打球を見ていると、ただただ笑うしかないほど遠くへ飛ばす。父は、横浜や中日で活躍したドミンゴ・グスマン投手。投げる姿は、まさに父親そっくりだ。 走塁面:☆☆★ 2.5 残念ながら、一塁までの到達タイムは3試合ほど観戦したが確認できなかった。しかし、この巨体でありながら、ベースランニングは想像以上に速い。プロで盗塁を積極的に狙ったり、足を売りにしたりすることはないだろうが、決して動きが鈍い選手ではない。実際にチームでは、センターを任されているほどだ。 守備面:☆★ 1.5 しかし、打球への反応や落下点への入り方を見ると、かなり危なっかしい。また、キャッチングでもミスが多く、ドラフト候補の外野手としてかなり下手な部類に入るだろう。下級生の時に投手として投げる映像を見ると、球速は約130km/hだった。現在は最速145km/hを記録するまでに成長したと聞くが、夏の大会では背番号1を付けながらも登板機会はなかった。 送球の形や返球の精度を見ると、地肩の強さを活かしきれていないプレーが目立つ。ただし、現時点では技術的に劣るものの、転がってくる打球への対応を見ると、腰をしっかり落として捕球するなど決して雑なプレーをしているわけではない。そういった意味では、しっかりとした指導を受ければ、プロでも左翼手あたりで活躍できる可能性はある。また地肩や走力自体は、決して低い選手ではないのだから。 打撃成績(2025年夏 栃木大会)
セイバーメトリクス補足 出塁率 (OBP): .615は高く、打席での出塁能力が優れているが、四死球が1と少ないため選球眼に課題。 長打率 (SLG): 1.333は圧倒的で、打球の質(特に本塁打)が飛び抜けている。 OPS: 1.948はプロ即戦力級の破壊力を示し、MLBトップ選手のOPS1.000超えに匹敵。 構え:☆☆☆★ 3.5 右打席で前の足を軽く引き、バットを高めに寝かせて構える。後ろ足に重心を預けるためバランスは平均的だが、両目で球筋をしっかり追え、コンタクト率(打率.583に反映)が高い。BABIP(安打となる打球の割合)は.500以上と推測され、打球の質が優れている。 仕掛け:遅すぎ 投手の重心が下がるタイミングでつま先立ちし、リリース直前に動き出す「遅すぎる仕掛け」を採用。筋力とヘッドスピードがこれを補い、作新学院戦では140km/h台の速球を難なく打ち返す(ゾーン内打率が高い)。複数のタイミングパターンを持ち、ピッチタイプ別打率の向上余地を示す。 足の運び:☆☆★ 2.5 始動から着地までの「間」が少なく、狙い球を絞るスタイル。アウトステップで内角を意識し、プルヒッティング(引っ張り方向)が多く、本塁打はレフト方向に集中。狭めステップで下半身が止まらないので低めや外角に弱く、ゾーン別打率(外角低め)が低い可能性。wOBA(加重出塁率)は内角高めで突出している。 リストワーク:☆☆☆ 3.0 「トップ」を早く作り、始動の遅さを補う。振り出しはやや遠回りだが、ヘッドが下がらず、強靭なヘッドスピードでカバー。外角のスイングはバットの接地面が広く、ハードヒット率が高く、スプレー角(打球方向の分散)が広い。特大本塁打は、引っ張りによって生まれる。 軸:☆☆☆★ 3.5 静かな足の上げ下げで目線のブレが少なく、コンタクトゾーンが安定。体の開きが早いのは外角打率低下の要因だが、強靭な軸足の内腿筋が打球速度を支え、特大飛球を生む。 打撃のまとめ インハイのさばきが卓越し、ゾーン別ISO(長打力)が内角高めで突出し、あわやホームランというレフトポール際の打球も放っていた。外角低めへの対応が課題で、ピッチバリュー(スライダーやチェンジアップ)が低下する可能性。OPS1.948はプロ上位の長打力を示し、wRC+(得点創出能力)は150超え相当。 最後に 細かい課題は多いが、ボールを飛ばす才能は抜群で、栃木大会のホームランや特大ファールは強烈なインパクトを残した。今年はプロでも飛距離を売りにできそうな素材は何人かいるが、こと飛距離ではこの選手が一番ではないのだろうか。常識的には育成枠指名が妥当だと判断するが、飛ばせる才能は貴重で、一か八かの要素は大きいものの、あえて支配下級の評価(☆)をしてみたい。 蔵の評価:☆(下位指名級) (2025年夏 栃木大会) |