25ky-2
半田 南十(日大藤沢3年)遊撃 175/72 右/両 | |
守備や走力に際立ったものはなくとも、対応力のある打撃には光るものがある 半田 南十 。そういった意味では、全国クラスの実力を持つショートストップと言えるだろう。 走塁面:☆☆☆ 3.0 一塁までの到達タイムは左打席から4.1~4.2秒程度で、ドラフト候補としては平均的。実際の走塁を見ると、速さやスピード感はそれほど感じられず、際立った印象はない。 守備面:☆☆☆ 3.0 春季大会の川和戦を現地で観戦した際、打球への反応や動きのスピードは平均的で、細かい動きが得意な選手ではない印象を受けた。そのため、ショートでなければサードや外野が適しているように見えた。ただし、日体大との交流戦では、動きの良いプレーを見せていた。深い位置からの送球でも余裕を持って刺せる場面があり、地肩の強さは水準以上だと感じられる。 プロでショートを守れるかと問われれば、確かにやや厳しいかもしれない。しかし、サインプレーを効果的にこなし、ゲームメイクできる資質は持ち合わせているようだ。打撃は長打で魅せるタイプではないが、対応力のある打撃で「打てる二遊間」としてアピールしたい選手と言える。 打撃内容 春季大会の川和戦では、好投手の 濱岡 蒼太 に対し、しっかりタイミングを合わせて鋭いスイングを見せていた。第2打席では、しぶとく拾ってライト前に運ぶバッティングを披露。一方、日体大戦では、大学生投手のスピードにやや対応しきれていない印象を受けた。 構え:☆☆☆ 3.0 左打席からスクエアスタンスで、前足のかかとを浮かせ、グリップを下げて構える。腰はあまり沈まず、全体のバランスは平均的だが、両目で前をしっかりと見据えている点は評価できる。構え自体は、昨年から大きな変化はないようだ。 仕掛け:遅すぎ 日体大戦のスイングをもとにフォームを分析すると、この打席では「遅すぎる仕掛け」を採用。投手のリリース前後で動き始めるため、日本人のヘッドスピードや筋力を考慮すると、NPBレベルの球を木製バットで打ち返すのは難しい始動タイミングと言える。 ただし、昨年は「早めの仕掛け」を取り入れるなど、投手や状況に応じて複数の始動パターンを使い分けている様子が見られる。そのため、この点は大きな懸念材料ではないだろう。 足の運び:☆☆☆ 3.0 小さくステップして、ほぼ真っ直ぐ踏み込む。始動から着地までの「間」が短いため、事前に狙い球を絞り、その球を逃さない対応力が求められる。昨年はアウトステップ気味に踏み込んでいたが、今回は変化したのか? 単に打球方向の違いによるものかもしれない。 気になるのは、インパクト時に足元が動いてしまう点。昨年は我慢できていただけに、現在はやや上半身主導のフォームになっている可能性がある。内角への意識は強いものの、左右に打ち分ける幅広い対応力を持つ選手だ。 リストワーク:☆☆☆☆ 4.0 打撃の準備である「トップ」の形は自然体で、力まずにボールを呼び込めている。バットは内側からスムーズに出てきて、インパクトまで無駄がない。スイングの弧も大きく、昨年よりボールの下を叩いて打球に角度をつける傾向が見られるように感じたが、たまたまの可能性もある。 軸:☆☆☆★ 3.5 足の上げ下げが小さいため、目線の上下動は少ない。体の開きを我慢できていない場面が気になるが、我慢できている時もあるため一概には言えない。軸足の形は安定しており、調子の波は比較的小さいタイプと考えられる。 打撃のまとめ 下半身の使い方に課題はあるものの、上半身のスイング軌道、しぶとさ、優れた当て勘は評価できる。この選手の最大の魅力は、対応力に優れた打撃にあると言えるだろう。 最後に 守備や走力は際立っておらず、打撃も長打より対応力が勝るタイプ。そのため、センターラインを守れなければ魅力が半減する可能性がある。その意味で、ドラフトでの評価はそれほど高くはならないかもしれない。その辺は、夏までのパフォーマンスを注視し、能力をさらに見極めて行きたい。 蔵の評価:☆(下位指名級) (2025年 日体大との交流戦) |
半田 南十(日大藤沢2年)遊撃 175/72 右/両 | |
25年度は、神奈川球児の当たり年。そんな神奈川でも、注目したいのが、この 半田 南十 。横浜高校や東海大相模以外にも、プロを意識する選手がいるのが、25年度の特徴の一つだと言えよう。 (守備・走塁面) 残念ながら、一塁までのタイムは計測できていない。見ている感じでは、滅法足が速い感じはしないものの、適度に動ける能力はありそう。遊撃手としても、まずまずの動きを見せ、地肩も悪くない。ただし、少し下がって捕ってしまう傾向が強いので、その辺でグランドによって守備も左右されるタイプかもしれない。まだまだドラフト候補として垢抜けて上手いとは思わないが、この一年でどのぐらい成長するかではないのだろうか。 現状は、守備も走塁も、ドラフト候補としては 中 ~ 中の上 ぐらいと見ていて、肩に関しては、中の上 ぐらいはありそうな印象を受けている。 (打撃内容) この夏の伊志田戦の模様を見たのだが、3打数3安打と、打撃では大当たりの試合だった。第二打席に一二塁間を破るヒットを放ち、第三打席にはライトスタンドにホームラン。第四打席にはあわやホームランになるかといったフェンス直撃打を放っていた。夏はチームの1番・遊撃手として、21打数8安打 打率.381厘 といった成績を残している。 <構え> ☆☆☆ 3.0 前の足を少しだけ引いてカカトを浮かせ、グリップは低めに添えている。腰はあまり据わらず、両眼で前を見据える姿勢はそれなりだが、全体のバランスとしては並ぐらいだろうか。 <仕掛け> 早め~遅すぎまで 投手の重心が下る時に動き出す「早めの仕掛け」を採用する時もあれば、一度引き上げた足を地面に下ろしてから再度足を上げる「遅すぎる仕掛け」を使う時もあるなど、始動のタイミングはいろいろです。基本は「早めの仕掛け」で、対応力を重視したアベレージヒッターに多く見られる仕掛けです。。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 足を軽く上げて回し込み、ベースから離れた方向に踏み出すアウトステップを採用。始動~着地までの「間」は取れていて、速球でも変化球でもスピードの変化には幅広く対応できます。アウトステップするように、内角への意識が強いタイプではないのでしょうか。 踏み出した前の足もなんとか我慢できているので、アウトステップでも外角や低めの甘めの球ならば充分に対応できそう。ただし、打球は、引っ張りの打球が多そうな気はします。 <リストワーク> ☆☆☆★ 3.5 打撃の準備である「トップ」の形は早めに作れており、速い球に立ち遅れる心配はなさそう。けして、インサイド・アウトでバットが出てくるわけではないのですが、アウトステップするので、ある程度スペースは確保できています。バットの先端であるヘッドの下がりもキツくないので、打球はフェアゾーンに飛びやすい感じです。特に、スイングの弧が大きく、強い打球を生み出します。 <軸> ☆☆☆☆ 4.0 足の上げ下げは大きくないので、目線の上下動は少なめ。身体の開きも我慢できていますし、軸足にも適度な安定感と粘りは感じます。 (打撃のまとめ) 特別打てる幅が広い感じではないものの、タイミングの取り方は悪くないので、対応力が勝ったタイプのように見えます。スイングの弧は大きいものの、スイング自体は打球に角度は付けたり、フォロースルーを活かして遠くに運ぶタイプでもありません。現状のスイングならば、長打よりも率の方に比重の置かれたスイングではないのでしょうか。 (最後に) 現状は、ドラフト候補としては走攻守全てに 中~中の上 ぐらいと、突出した感じではありません。良く言えば総合力に優れており、悪く言えば特徴がないとも言えることができ、最終学年でいかにインパクトを与えられるかが鍵になりそうです。そうは言っても、全国的にも上位のショートだと言えると思うので、最終学年では春季大会から球場に足を運んで確認したい選手でした。 (2024年夏 神奈川大会) |