25ky-18





高藤 快渡(高松商3年)中堅 174/74 左/左 
 




 「センバツ組で最も好感が持てた野手」





 選抜大会に出場していた野手の中で、個人的に最も好感を持てたのは 高藤 快渡 だ。常識的には大学進学タイプに見えるが、高校からのプロ入りもあり得る選手だと感じた。


走塁面:
☆☆☆ 3.0

 残念ながら、選抜では一塁到達タイムを計測する機会はなかった。新チーム結成以降の44試合で盗塁は9個と、際立った数字ではない。チームでは3番や5番を務めることが多く、走力を前面に出したプレースタイルではないようだ。

守備面:
☆☆☆☆ 4.0

 中堅手として広い守備範囲を誇る。打球への反応、落下点への入り、キャッチングに無駄がなく上手い。特に、投手もこなすだけあって、肩の強さが際立っていた

 守備範囲の広さから、秘めた走力はもっと速いかもしれない。守備力は高校生としては上位クラスで、肩の強さはA級の素材ではないのだろうか。






打撃内容

 選抜では初戦敗退となったが、大会を代表するサウスポー・中村心大(早稲田実業)から3安打を放ち、
バットコントロールの上手さが光った。

<構え> ☆☆☆☆ 4.0

 両足を揃えたスクエアスタンスで、前の足のかかとを浮かせて構える。グリップの高さは標準的で、腰の据わりや全体のバランスは良好。両目で投手をしっかり見据え、
打席での集中力も感じさせた。

<仕掛け> 遅すぎ

 投手の重心が下がりきる頃につま先立ちでベース側に動き、本格的な始動はリリース直前という「遅すぎる仕掛け」を採用。このタイミングでは、木製バットでNPBレベルの投手の球速に対応するのは難しそうだが、本人なりのタイミングの取り方だろう。壁にぶつかるまではこのスタイルでも良いかもしれない。

<足の運び> ☆☆☆★ 3.5

 小さくステップし、軽いアウトステップを採用。始動から着地までの「間」が短いため、狙い球を絞り、逃さない「鋭さ」が求められる。アウトステップすることからも、内角への意識が強く見える。

 踏み込んだ前足は
インパクト時にブレず、甘めの外角球や中途半端な低めの球なら食らいつける可能性がある。

<リストワーク>
☆☆☆☆ 4.0

 打撃準備の「トップ」を早めに形成し、始動の遅さを補っている。振り出しはインサイドアウトではないが、外角球をロスなく捉えられる。バットヘッドも下がらず、広い面でボールを捉えるためフェアゾーンに飛びやすい。

 特に
ハンドリングの良さを活かした対応力が魅力で、左右に幅広く打ち返すことができていた。

<軸>
☆☆☆☆ 4.0

 足の上げ下げが小さいため、目線の上下動は少ない。体の開きを我慢でき、軸足にも粘りがある。

打撃のまとめ

 派手な打球を連発するタイプではないが、甘い球を逃さず、技術的に完成度が高い。始動の遅さから、木製バットでの対応に懸念はあるものの、好感の持てるバッティングだった。


最後に

 この手のタイプとしては
脚力のアピールがやや弱いのが気になる。体格も大きくなく、常識的には大学進学でさらに成長してからプロ入りが一般的だろう。しかし、肩の強さという武器と優れた打撃技術を持つ。本人のプロ志向が強いのなら、志望届を提出する価値はありそうだ。そのため、球団によっては指名に動く可能性もあるだろう。個人的には、春の時点でをつけても良いと思わせる数少ない選手だった。


蔵の評価:
(下位指名級)



(2025年 選抜大会)