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秋山 俊(中京大4年)中堅 180/84 右/左 (仙台育英出身) | |||||||||||||
平塚合宿の紅白戦、第一打席からフルスイングでライトスタンドに叩き込んだ 秋山 俊。ドラフト上位候補の左腕・山城 京平(亜細亜大)を相手に放った豪快な一撃は、彼の打撃がプロ級であることを全国に知らしめた瞬間だった。 このレポートでは、秋山の打撃、走塁、守備を詳細に分析し、ドラフトでの可能性を探る。評価基準:☆1つ=1.0点、★=0.5点(5点満点) 走塁面:☆☆☆ 3.0 一塁到達タイムは、左打席4.3秒前後を記録。このタイムは、プロの左打者平均(約4.1秒)に比べやや遅く、ドラフト指名選手としては標準以下だ。2025年春季リーグ戦(13試合)での盗塁は1個にとどまり、突出したスピードはない。プロでは足を売りにする可能性は低いが、打撃を補う最低限の走力は備えている。 守備面:☆☆☆★ 3.5 チームではセンターを守るが、打球への初動や追球スピードは平均的で、プロの中堅手としては守備範囲にやや物足りなさが残る。それでも、地肩の強さは水準以上。ライトやレフトであれば、プロでも十分対応可能な守備力を発揮できそうだ。 打撃内容2025年春季リーグ戦(13試合)で4本塁打、15打点、打率.388(リーグ3位)を記録。大学選手権でも3試合で1本塁打、3打点、打率.556と圧倒的な活躍を見せた。平塚合宿でも、山城の速球をライトスタンドに運ぶなど、好調を維持。甘い球を見逃さない集中力と長打力が際立つ。 <構え> ☆☆☆☆ 4.0 スクエアスタンスで両足をほぼ揃え、グリップをやや下げて構える。腰の据わりは良好で、両眼で投手を捉える姿勢に安定感がある。打席でのリラックスした雰囲気は、プレッシャー下でも冷静さを保てる証だ。 <仕掛け> 平均的 投手の重心が底に達するタイミングで始動する「平均的な仕掛け」を採用。確実性と長打力をバランスよく備えた中距離打者に多く見られるタイミングで、勝負強さを発揮しやすい。 <足の運び> ☆☆☆☆ 4.0 軽く足を上げ、真っ直ぐ踏み出す。始動から着地までの「間」は適切で、速球にも変化球にも柔軟に対応可能。内角・外角を幅広くさばくスタイルで、インパクト時に足元が安定。逃げていく球や低めの球にも食らいつき、右方向から左方向まで広角に打ち返す。リストの強さが光り、スタンドインする打球も多い。 <リストワーク> ☆☆☆☆ 4.0 「トップ」の形は自然体で、力まずボールを呼び込める。バットの振り出しはスムーズで、ヘッドが下がらず広い面でボールを捉える。打球に角度をつけるタイプではないが、大きなスイング弧で強烈な打球を生み出す。バットを引くタイミングの遅れに注意が必要だが、現状では大きな問題はない。 <軸> ☆☆☆☆ 4.0 足の上げ下げは静かで、頭の動きが少ない。体の開きを我慢でき、軸足は地面から真っ直ぐ伸び、調子の波は小さい。軸足の内腿の筋肉は適度に発達し、長打力の原動力となっている。 (打撃のまとめ) 秋山の打撃は、技術と集中力の融合が魅力だ。甘い球を逃さない集中力と、想像以上の長打力はプロでも即戦力となり得る。特に、変化球への対応力と広角打法は、打率と長打の両立を可能にする。
秋山俊は、打撃でチームの主軸を担える左の中距離ヒッター候補だ。走塁や守備はプロ基準でやや平凡だが、打撃の技術と集中力は一級品。過去の類似タイプとなると 丸佳浩(広島-巨人)のように、打撃を武器に長く活躍する可能性がある。ドラフトでは、左打ち外野手の需要と守備力のバランスから、4位前後での指名が予想される。この順位で将来の主軸打者を獲得できれば、球団にとって魅力的な選択となるだろう。プロの舞台ではどんなドラマを見せてくれるだろうか? 蔵の評価:☆☆(中位指名級) (2025年 平塚合宿) |