25ｄｙ-15
| 常谷 拓輝（北海学園大４年） 遊撃 １８０／８５ 右／右 （札幌静修出身） | |||||||||||||||||||
大学選手権が終わった時点で、「本会議（支配下ドラフト）では厳しいかもしれないが、育成指名なら可能性はあるのではないか」と書いた 常谷 拓輝 。実際にドラフトでは、日本ハムから育成枠で指名された。 走塁面：☆☆★ 2.5 一塁到達タイムは右打席から平均4.5秒（複数試合計測）。左打者に換算すると約4.25秒で、ドラフト候補としては「中の下」レベル。4年秋のリーグ戦でも盗塁は1つだけと、走力を前面に押し出すプレースタイルではないことは変わらなかった。 守備面：☆☆☆★ 3.5 派手なスピードや柔らかいグラブさばきはないが、遊撃手として堅実な動きを見せる。深い位置からの送球も正確で、プロ基準を満たす守備力を持つ。春は10試合で2失策だったが、秋は10試合で1失策と安定感が増した。 守備の印象は大きく変わらず、プロでも二遊間で勝負できる選手であり、その可能性は十分にあると判断する。 （打撃内容） 秋の打率は.389で、春の.361と大きな変化はない印象。通年で見ても劇的な向上は感じられなかった。最終学年の打撃成績は以下のとおり。 出塁率（OBP：塁に出る確率）.489 → 大学レベルでは極めて優秀 長打率（SLG：打球の価値を表す）.611 → パワーも十分に示せている OPS（出塁率＋長打率）1.100 → 大学通算でも1を超える好打者水準 三振率 9.7%（90打席換算9個程度） 四球率 20.0% → コンタクト能力が高く選球眼も優れている
＜構え＞ ☆☆☆★ 3.5 スクエアスタンスで前足のかかとを軽く浮かせ、グリップの高さは平均的。やや後ろ足に重心を預けつつもバランスは悪くない。両目でしっかり前を見据える姿勢は取れている。 ＜仕掛け＞ 早め 投手の重心が下がりきったタイミングで動き出す「早めの仕掛け」を採用。この仕掛けは、対応力を重視したアベレージヒッターに多くみられる始動のタイミングです。始動のタイミングは、春から変わっていませんでした。 ＜足の運び＞ ☆☆☆★ 3.5 足をしっかり引き上げてからベース側に踏み込むインステップを採用。始動から着地までの「間」はそこそこで、速球・変化球への対応力はまずまず。インステップ気味のため外角球への意識が強いが、その分内角を詰まらされる場面も目立った。特に内角の捌きでゲッツーを喫するケースがあった。 踏み込んだ前足はインパクトの局面でブレずに我慢できており、低めや逃げる球にも食らいつける素地はある。ただ、タイミングの取り方にはもう一工夫欲しい。 ＜リストワーク＞ ☆☆☆★ 3.5 グリップを早めに捕手方向に添えるため、「トップ」は比較的早く作れている。しかしトップは上手く作れておらず、タイミングのズレが残る。スイングは上から振り下ろすインサイドアウト軌道で、ボールを捉えるまでのロスは少ない。 そのためバットのしなりを十分に活かせておらず、プロの強い球に対応できるかは未知数ではあるが、大学時代はバレル率（理想的な打球速度・角度の割合）もそれなりに残しており、コンタクトの質自体は悪くなかった。 春は、少し遠回りに出る感じだったので、それに比べるとスイング軌道自体はロスは減っていたようには見えた。バットの先端であるヘッドまでは下がらないので、フェアゾーンにボールは飛びやすい。 ＜軸＞ ☆☆☆★ 3.5 足の上げ下げがはっきりしているため目線の上下動は平均的。体の開きは我慢できており、軸足を支点にきれいに回転できている。インステップの影響で内角のさばきが窮屈になりやすい点は今後の課題だろう。 （打撃のまとめ） 春に比べると構えの違和感が減り、スイング軌道も改善傾向にある。一方で、タイミングの図り方や内角の窮屈さは依然として残っており、劇的な進化は感じられなかった。 数字的には出塁率.489・OPS1.100と大学ではトップクラスの成績を残しているが、これは選球眼の良さとコンタクト能力の高さに支えられた部分が大きい。 （最後に） 二遊間を守れる水準以上の守備力は確かにあるが、打撃は「極端に弱い」とまでは言わないものの、数字ほどのインパクトはプロではすぐには出せない可能性が高い。そういった意味では支配下級（☆）の評価には届かず、育成枠での指名は妥当だったと思う。 ただし、大学での三振の少なさ（K%9.7%）と高い出塁能力はプロでも通用する素地がある。プロの舞台で内角対応とパワーを付ければ、一軍戦力として期待が膨らむ選手ではないのだろうか。 （2025年 プロアマ交流戦） |
| 常谷 拓輝（北海学園大４年） 遊撃 １８０／８５ 右／右 （札幌静修出身） | |
春の関東遠征時からプロ志望と聞いていた 常谷 拓輝。当初はドラフト指名が難しいと感じていたが、大学選手権の3試合を観戦後、指名の可能性も見えてきた。 評価基準：各項目は5点満点で、☆1つにつき1点、★は0.5点として採点。ドラフト候補としての総合的なポテンシャルを基に、走塁・守備・打撃を分析。 走塁面：☆☆★（2.5/5.0） 一塁到達タイムは右打席から平均4.5秒（複数試合計測）。左打者に換算すると約4.25秒で、ドラフト候補としては中の下レベル。4年春までのリーグ戦通算1盗塁と、走力を全面に押し出すプレースタイルではない。 守備面：☆☆☆★（3.5/5.0） 派手なスピード感や柔らかいグラブさばきはないが、遊撃手として堅実な動きを見せる。深い位置からの送球も正確で、プロ基準を満たす守備力を持つ。プロでも二遊間（二塁・遊撃）を担える可能性が高い。 打撃内容 2025年春のリーグ戦（10試合）で打率.361、2本塁打、6打点。6月の大学選手権では12打数6安打（打率.500）と結果を残した。 構え：☆☆☆（3.0/5.0） 両足をほぼ揃えたスクエアスタンスで、前足のかかとを浮かせる。グリップを高めに構え、腰は浅め。やや独特なバランスだが、両目でボールを捉える姿勢は良好で、球筋を正確に追えている。 仕掛け：早め 投手の重心が下がるタイミングで動き出す「早めの仕掛け」（対応力を重視するアベレージヒッター型）。 足の運び：☆☆☆★（3.5/5.0） 足を上げ、ベース側に踏み込むインステップ（外角への意識が強い打撃フォーム）。始動から着地までの時間は十分だが、タイミングの「間」の取り方に工夫が欲しい。踏み込んだ前足はインパクト時に安定し、逃げる球や低めにも対応可能。右方向への打球も多く、内角はやや窮屈。 リストワーク：☆☆☆（3.0/5.0） 打撃準備の「トップ」（バットを構える位置）は自然体で、力まずボールを呼び込める。バットの振り出しはインサイド・アウト（内側から外への軌道）ではないが、ロスは少ない。インパクト時にバットヘッドが立っており、ボールとの接地面が広く、フェアゾーンに打球を飛ばしやすい。甘い球を確実に捉える技術は優れているが、難しい球をさばくとか、そういった特別なものは感じなかった。 軸：☆☆☆★（3.5/5.0） 足の上げ下げが静かで、目線の上下動は少ない。体の開きも抑えられているが、足元がやや窮屈に見えるので、内角のさばきが課題か？ 打撃のまとめ 独特なフォームを修正し、実戦的な打撃スタイルを確立。ドラフト候補の中では圧倒的な打力はないが、打てる球を逃さず捉える精度は評価できる。 総合評価 常谷は攻守に安定感があり、特に遊撃での堅実な守備が強み。長打力や走力は平均的だが、右打ち遊撃手としての希少性は高い。本会議での指名は微妙なものの、育成枠なら「二遊間候補」として複数の球団が興味を示す可能性がある。秋のリーグ戦で打撃のさらなる進化で、本会議での指名を目指して欲しい。 蔵の評価：追跡級！ （2025年大学選手権） |