25dy-13
山下 来球(国士舘大4年)中堅 174/77 左/左 (大阪桐蔭出身) | |
すべての動作にメリハリがあり、外野守備でも一球一球周囲に声をかけ、積極的に試合に参加する 山下 来球 。その野球への真摯な姿勢は、今年見た選手の中でも特に印象深い。 走塁面:☆☆★ 2.5 一塁までの駆け抜けタイムは4.25秒強で、ドラフト候補の基準タイム(4.1秒)にやや劣る。リーグ戦での盗塁数も1個程度で、足を売りにするタイプではない。 守備面:☆☆☆★ 3.5 中堅手としての打球への反応や入り方はまずまずで、決して下手ではない。常に気を緩めず、打球に集中してプレーする。肩の強さは 中の上 程度で、センターから本塁への返球でランナーを牽制できるレベル。守備面での不安は少ない選手だ。 守備では一定の評価ができるが、走塁でのアピールは少ない。左打ちの外野手として、この点がどう評価されるかが鍵となるだろう。 (打撃内容) 大阪桐蔭時代は控え選手だったが、国士舘大入学後は東都二部で3度のベストナインを獲得。今春は 12試合、0本塁打、4打点、1盗塁、打率.333(リーグ平均.280)と安定した成績を残した。 <構え> ☆☆☆★ 3.5 左打席から前の足を軽く引き、グリップの高さは平均的。腰の据わりや両眼で前を見据える姿勢、全体のバランスは理にかなっており、安定した構えと言える。 <仕掛け> 早め 投手の重心が下がり始めるタイミングで動き出す「早めの仕掛け」を採用。このタイミングは、対応力を重視するアベレージヒッターに多く見られる。 <足の運び> ☆☆☆☆ 4.0 足を軽く浮かせて回し込み、ベースから離れた方向に踏み出すアウトステップを採用。始動から着地までの「間」が十分で、速球や変化球にも対応しやすい。内角への意識が強いタイプと言える。 踏み込んだ足はインパクト時にブレず、逃げていく球や低めの球にも開きを抑えて食いつきやすい。ただし、内角のさばきはどうなのかもう少し見てみたい。 <リストワーク> ☆☆☆☆ 4.0 打撃準備の「トップ」は自然体で、力まずボールを呼び込める。バットの振り出しはインサイドアウトではないが、外の球を捉えるロスは少ない。インパクト時もバットヘッドが下がらず、広い接地面でボールを捉え、フェアゾーンに飛びやすい。インパクト後の大きなスイング弧で、鋭い打球を生み出していた。 <軸> ☆☆☆☆ 4.0 足の上げ下げが静かなため、目線の上下動は小さい。体の開きを我慢でき、軸足も崩れずスイングできる。軸足の内ももの筋力も強く、強い打球を生み出す原動力となっている。 (打撃のまとめ) 技術的に確かなものがあり、完成度の高いスイングをする。特筆すべき飛距離や難しい球を巧みに捉えるセンスはないが、甘い球を逃さず鋭く弾き返す打撃が特徴だ。 (最後に) 打席での高い集中力と意識が感じられる選手だ。東都二部ながら確かな実績を持ち、動作分析からも技術の優秀さがうかがえる。プロで主力選手として即戦力となるかは未知数だが、長く球界で活躍できるマインドを持つ。チームに貢献できる好選手として、この春最も印象に残った。 蔵の評価:☆ (下位指名級) (2025年 春季リーグ戦) |