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山形 球道(立教大4年)左翼 172/82 右/左 (興南出身) | |
2025年春の東京六大学リーグ戦で三冠王(打率.444、5本塁打、17打点)に輝いた 山形 球道。抜群の打撃力を武器に、学生球界で注目を集めている。本レポートでは、走塁、守備、打撃の各項目を分析し、NPBでの可能性と今後の課題をドラフト目線で評価する。 走塁面:☆☆ 2.0 一塁到達タイムは左打席から4.15~4.20秒と、ドラフト候補としては 中の下レベル。13試合で盗塁は0(試み1)と、積極的な走塁は見られなかった。そのため、プロで走力でアピールにするタイプでは無さそう。走塁での貢献は、二塁打の量産や得点力向上に限定されそうだ。 守備面:☆☆ 2.0 下級生時はセンターやライトを経験したが、今春はレフトを守っていた。13試合で失策0、補殺1と安定感はあるが、際立った守備範囲や強肩は見られない。練習中の動きでは、ライナー性の打球への初動や落下点判断にやや不安が残る。肩の強さは平均的で、NPBではレフトが最適。右翼や一塁も状況次第で可能だが、センターでは厳しそうだった。 打撃内容 今春のリーグ戦(13試合、54打席)で打率.444、5本塁打、4二塁打、17打点、OPS1.325を記録。左打者ながら、右投手よりも左投手への対応力が光った。神宮球場(外野が狭め)の恩恵はあるものの、打球速度や角度からも、長打力は本物と言える。 構え:☆☆☆★ 3.5 前足を軽く引き、グリップを高めに構える強打者型。腰の据わりは良好で、両目で投手を捉える姿勢に威圧感がある。全体のバランスは安定しており、打席では強打者の雰囲気に満ちている。 仕掛け:早すぎ 投手の足上げに合わせて自身も足を上げ始める「早すぎる仕掛け」。タイミングの取り方は独特で、変化球への対応力は高いが、プロの投手が意図的にタイミングをずらすと苦戦する可能性がある。しかし、まずは壁に当たるまでは、このスタイルを貫いて欲しい。 。 足の運び:☆☆☆★ 3.5 大きく足を引き上げるスタイルで、アウトステップ気味に踏み込む。内角を強く意識したフォームで、始動から着地までの「間」が広く、速球(や変化球にも幅広く対応可能。踏み込んだ前足はインパクトでも動かず、低めや甘い球に開きを抑えて食いつける。 リストワーク:☆☆☆★ 3.5 トップをしっかり作らないまま振り出すが、バットの振り出しはスムーズで、インパクトまでロスがない。大きな弧を描くスイングで、強い打球を広角に飛ばせる。ボールを見極める能力も高く、ボール球を我慢して振らない。 軸:☆☆☆★ 3.5 足の上げ下げが大きいが、目線の上下動は抑えられている。軸足の内ももの筋力が発達しており、体の開きを我慢して長打を生み出す原動力になっている。 打撃のまとめ 山形はバットを振れる選手で、それでいて確実性(打率.444)と長打力(5本塁打)を兼ね備える。天性の超長距離砲ではないが、パンチ力のある中距離打者として、勝負強いポイントゲッターの役割が期待できる。イメージとしては、DeNAの佐野恵太(六大学出身)に近く、広角に打ち分ける技術と中軸の打点を稼ぐ力を持つ。 今後の可能性と課題 強み:打撃の総合力(確実性・長打力・勝負強さ)は、NPB中軸候補としての可能性を感じさせる。特に左打者ながら、左投手の方を得意としている。 課題:走塁と守備でのアドバンテージが乏しい、打撃重視のタイプ。プロの高速変化球やタイミングずらしへの対応力向上が求められる。守備では、派手なプレーよりも堅実性でアピールしたい。 秋季リーグの期待値:打撃でも春同様のアピール続け、守備での安定感を見せれば、本会議での指名も現実味を帯びてくる。代表合宿などに選ばれ、そこでのアピールをぜひしたいところ。 総評 山形球道は、打撃でチームを牽引する将来の中軸候補。走塁・守備のアピールには欠けるが、打撃のポテンシャルはNPBでも異彩を放てる可能性を秘めている。秋季リーグでコンスタントな成績を残し、守備の粗さを補えば、2025年ドラフト本会議での指名も期待できる。今後の動向を継続して追跡したい。 蔵の評価:追跡級! (2025年春季リーグ戦) |