24sy-5
| 知念 大成(25歳・オイシックス新潟) 外野 181/75 右/左 (沖縄尚学-沖縄電力) | |||||||||||||||||||
昨年はイースタン・リーグ首位打者に輝きながらドラフト指名漏れとなった 知念 大成 。しかし今年も2年連続の最多安打を記録し、打点王に輝いた。指名漏れという悔しさをバネに、モチベーションを切らさず結果を残し続けた精神力も高く評価できるポイントだろう。 走塁面:☆☆☆★ 3.5 左打席から一塁到達タイムは3.85秒前後。プロの基準で見ても上位クラスの脚力を持ち、むしろ「もっと走ってもいい」と思わせる選手だ。2024年は111試合で12盗塁、2025年は116試合で5盗塁を記録。積極的に盗塁を狙うタイプではないが、走力自体は一軍でも十分通用するレベルにある。 守備面:☆☆☆★ 3.5 打球判断は凡庸で、「上手い外野手」という印象は薄い。それでも脚力を活かした守備範囲は広く、外野からの送球も 中の上 程度はありそう。一軍で中堅を任せるのは微妙だが、両翼なら問題なくこなせそうだ。今季は114試合で失策2と、守備の安定感も平均的だ。 (打撃内容) 昨年比で打率は低下したものの、本塁打は倍増、打点も大幅に伸びた。→ 長打力の成長を示すIsoP(打率を除いた長打力指標)は.139→.204と急上昇。四球率(BB%)5.1%・三振率(K%)10.1%と選球眼・コンタクト能力も優秀で、イースタンではBABIP(運を除いた安打率).302と打球運に恵まれた面はあったものの、それでも突出した打撃内容であることは間違いない。
(2025年 イースタン・リーグ成績)
<構え> ☆☆☆★ 3.5 左打席で大きく足を引いて構え、グリップを低く置く独特のスタイル。腰を深く沈ませるクセのある構えだが、両目でしっかり前を見据えており理にかなっている。昨年から、構えはほぼ変わっていない。 <仕掛け> 遅すぎ 投手の重心が沈み込むタイミングで軽く足を寄せ、本格始動は「遅め〜遅すぎ」。普通の打者なら通用しないタイミングだが、手元のバットコントロールが異常に優れているため成立している特殊タイプ。最初の動き出し自体は平均的であることから、本質的には中距離ヒッター・ポイントゲッター型と言える。 <足の運び> ☆☆☆ 3.0 ほぼ足を上げずアウトステップ気味に着地。始動〜着地までの「間」がないため、狙い球を絞り切る鋭さが求められる。内角への意識が強く窺えるが、その分外角低めや逃げる球への対応は難しそう。 ただし、体勢を崩されてもハンドリングと膝の柔軟性でボールを捉える技術は抜群。この部分は彼の“天性の特殊能力”だ。 <リストワーク> ☆☆☆★ 3.5 トップの位置は自然で力みがないが、バットを引くのが遅れがちで速球に立ち遅れるリスクはある。スイング軌道はインサイドアウトではないものの、それでも大きく開いた構えのおかげで内角を強くさばけている。 グリップを最初から下げておくことで早くからライン(ボールの軌道)に入れることができ、始動の遅れを補っている、ヘッドを残してちょこんと叩くバットコントロールはまさに天才的。 <軸> ☆☆☆☆ 4.0 足の上げ下げがほぼないため目線のブレが極めて少ない。体の開きも我慢でき、軸足の強さと粘りも申し分ない。 (打撃のまとめ) 構えからスイングまで極めて独特なメカニズムだが、それを成立させる天性のハンドリング能力がある。理屈やセオリーから大きく逸脱しているが、「これでいい」の域に達している。 二軍で2年連続タイトル級の成績に加え、K%10%台前半+IsoP.200超えという稀有なコンタクト&パワーの両立を見せている。問題は一軍の球速・キレに対応できるかだが、この指標の安定感を見る限り、慣れと経験を積めば十分対応可能と見る。 (最後に) 正直、育成枠で獲るような選手ではない。肩も足もあり、打撃には天才的な資質が詰まっている。一軍でどれだけやれるのか非常に楽しみな存在だ。数年後にはレギュラーとして活躍していても全く驚かないし、ルーキーイヤーから結果を残す可能性すらある。 指名漏れの悔しさをバネに2年連続タイトルを獲った精神力も素晴らしい。育成枠ながら、2025年ドラフトで最も“お買い得”な指名の一つとなりそうだ。 蔵の総合評価:☆☆(中位指名級) (2025年 イースタン・リーグ) |
| 知念 大成(24歳・オイシックス新潟) 外野 181/75 右/左 (沖縄尚学-沖縄電力) | |
今年から、ファームに参加することになった オイシックス新潟 。そのチームに在籍する選手が、イースタン・リーグで首位打者を獲得した。その男の名前は、知念 大成 。 走塁面:☆☆☆★ 3.5 一塁までの到達タイムは、左打席から 3.95秒前後。このタイムは、プロに入る左打者の中でも、俊足の部類 には入る。盗塁なども試みるが、めっぽう足が速いとか、盗塁技術が高いようには見えなかった。イースタンでは、111試合で12盗塁 といったことで、足をガンガン売りにするほどではないのかもしれない。 守備面:☆☆☆★ 3.5 打球勘などを観ていると、それほど上手い外野手に見えませんでした。それでもこの脚力を生かし、守備範囲などはそれなりには広いと思います。投げても150キロぐらい出るという話もありますが、外野からの返球を見る限り、中の上 ぐらいなのかなといった感じには見えます。他の試合では、もっと強い送球が観られるのかもしれませんが。 現状、守備・走力 などは、中 ~ 中の上 ぐらいかなといった印象で、むしろ身体能力含めて、もう少しNPBでこの辺を伸ばせればといった感じがします。しかし、けして、ただ打つだけの選手ではないということは頭の片隅に置いておきたい。 (打撃内容) 元ヤクルトの 岩村 明憲 を似たような、パンチ力としぶとさを併せ持った強打者です。今シーズンは、111試合 4本 39点 打率.323厘 で、イースタンリーグの首位打者を獲得。また、長打率が.431厘をマークしており、これもリーグ2位の好成績でした。 <構え> ☆☆☆★ 3.5 前の足を大きく引いて、グリップを低く添えています。腰を深く沈めて、かなりクセの強い構えです。それでも、両眼で前をしっかり見据えれておりますし、個人的には理にかなっていてアリだと思います。彼なりの、強いこだわりを構えからも伺えます。 <仕掛け> 遅め 投手の重心が沈む時に開いていた足をベース側に戻すのですが、本格的に動き出すのは「遅めの仕掛け」のタイミング。通常、この手動きをする選手は、リリース直前に小さくステップする選手が多いのですが、この選手はそうなっていないので、このタイミングでも立ち遅れません。 この仕掛けは、ボールをできるだけ引き付けてから動き出すのは、生粋のニ番打者や天性の長距離打者のようにも思いがちですが、大方は最初に動き出すタイミングに、タイプは起因することが多いです。そのため、本質的には対応力を重視した、アベレージヒッターなのではないのでしょうか。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 足を軽く上げて、ベースから離れた方向に踏み出すアウトステップを採用。始動~着地までの「間」は短めなので、狙い球を絞り、その球を逃さないことがも求められます。アウトステップするように、内角への意識が強いようには感じました。 踏み込んだ足元も、インパクト際にブレずに我慢。そういった意味では、逃げてゆく球や低めの球にも食らいつくことが期待できます。実際観ていても、追い込まれてからはシブトイ打撃をする選手なのだなといった気がします。 <リストワーク> ☆☆☆☆ 4.0 打撃の準備である「トップ」を作るのは自然体で、力みなくボールを呼び込めているところは良いところ。バットの振り出しは、けしてインサイドアウトの当てにゆくスイングではなく、適度にバットのしなりも生かして強く振り切ることができています。 バットの先端であるヘッドも下がらず、広め面でボールを捉えています。したがって、ボールもフェアゾーンに飛びやすいです。手元でもハンドリングの良さを生かし、上手くバットがコントロールできている点は非凡です。 <軸> ☆☆☆☆ 4.0 足の上げ下げが静かなので、目線の上下動は小さい。体の開きもそれなりだし、実際にレフト方向にも狙っている時には流すことができている。何より軸足の内モモの筋肉が発達しており、打球も力強い。 (打撃のまとめ) 強く振り切れる潔さに加え、追い込まれるとハンドリングの良さを活かしシブとさも兼ね備えている。打撃には、職人気質のこだわりも感じられ、なかなか面白い打者なのではないのだろうか。ぜひ来季は、一軍でのバッティングを観てみたい。 (最後に) 大卒2年目の年齢で、イースタンで首位打者を獲得。自チームに所属しているチームならば、翌年のプロスペクトになりうるほどの内容です。打撃にも非凡なものが感じられますし、それでいて脚力も肩も悪くない。そう考えると、やはり本会議級の評価はしなくては行けないでしょう。 まさに一年目から即戦力が欲しい球団にとっては、興味深い選手だと思います。なかなか評価され難い左打ちの外野手ですが、どんな評価をされるのか? 個人的には大変興味があります。 蔵の評価:☆☆ (中位指名級) (2024年 イースタン・リーグ公式戦) |