24dy-8


 




神里 陸(国学院大3年)捕手 170/76 右/左 (東海大相模出身) 





「ディフェンスセンスはNO.1」





 東海大相模時代は、強肩・強打の捕手として知られ、兄はDeNAの 神里 和毅 としても注目されてきた 神里 陸。 しかし今は、アマチュア球界でも、屈指のディフェンス力を誇る捕手へと成長を遂げている。


(ディフェンス面)

 小さく体をまとめ、投手から的が見やすい体勢で構えることができる。細かくジェスチャーを交えながら、
常に周りと対話しながらプレーすることができるタイプ。ミットもしっかり示し、そのグラブを地面に下ろすような癖もない。高校時代から足回りがよく、フットワークも機敏なタイプで、キャッチング全般に大きな欠点は見当たらない。打球への反応も素早く、一球一球集中してプレーをしていることが伝わってくる。

 捕ってからも素早く、二塁までの到達タイムは、1.8秒台中盤~1.9秒台前半ぐらいとまずまず。地肩自体も悪くなく、プロに混ぜても 中の上 クラスの送球はできているのではないのだろうか。そして何より、
リードセンスが素晴らしい。ここで、この球をという裏をかく配球が絶妙で、相手はバットを振ることなく天を仰ぐことも少なくない。ただし、裏をかく大胆さが裏目に出て、内角の球を打たれてしまうケースも見られる。しかし、これだけリードを考えられる捕手は、学生球界広しと言えども、他にはほとんどいないのではないのだろうか。ことディフェンス力に関しては、プロを意識できる素材だと言えよう。





(打撃内容)

 ディフェンス力に磨きがかかる一方で、打撃でのアピールは薄まってきている気がする。
3年春は、打率.231厘。秋は.147厘で、チームでも9番にすわるなど、打撃での期待が高いとは言えない打順なのだ。

<構え> 
☆☆☆☆ 4.0

 前の足を引いて、グリップは高めに添えます。背筋を伸ばし、両眼で前を見据える姿勢や全体のバランスもとれた構えをしている。

<仕掛け> 平均

 投手の重心が沈みきったあたりで動き出す、「平均的な仕掛け」を採用。この仕掛けは、ある程度の確実性と長打力を兼ね備えた、中距離打者や勝負強さを売りにするポイントゲッターに多くみられる始動のタイミングとなっている。

<足の運び> 
☆☆☆★ 3.5

 足を上げて回し込み、ベースから離れた方向に軽く踏み出すアウトステップ。始動~着地までの「間」はそこそこで、速球でも変化球でもスピードの変化にはそれなりに対応。アウトステップするように、内角への意識が強いタイプではないのだろうか。

 踏み込んだ
前の足も、インパクトの際にはブレません。そのため、逃げてゆく球や低めの球にも食らいつくことができます。あとは、流しへの意識がどの程度あるかでも、成績は変わってきそうです。

<リストワーク> 
☆☆☆★ 3.5

 打撃の準備である「トップ」を作るまでは自然体で力みを感じないのは好いのだが、
バットを引くのが遅れ「トップ」の形を作れるのが遅れがち。バットの振り出し自体は、インパクトまでロスなく振れている。内角も体を開かないでさばくことができ、それでいて大きな孤を描いてしっかり振り抜いて来る。捉えた打球は、強烈な打球として飛んでゆく。確実性には課題を残すが、けしてひ弱さなタイプではない。

<軸> 
☆☆☆☆ 4.0

 足の上げ下げも静かで、目線の上下動は小さい。体の開きも我慢でき、
軸足の内モモの筋肉が発達しており、強烈な打球を生み出す原動力になっている。

(打撃のまとめ)

 スイング軌道にも癖がないし、受け止める下半身もしっかりしている。しいて確実性が低い原因を考えると、バット引くのが遅れ「トップ」を作るのが遅れているからだと思われる。そのため、早めにバットを引くことを心がけ、打撃の準備をしっかり作ってから振り出したいということぐらいだろうか。 そのため、根本的な打撃な資質が低いとは思わない。


(最後に)

 
捕手としての適性に優れ、何よりリード勘に優れたものを持っている。こういった選手は、なかなか一年の中で出会わないので、貴重な存在だと言えるのではないのだろうか。ただし、大学からプロに入るためには、やはり打力があること。そして、肩が強いことが求められる。肩自体は合格レベルあるかもしれないが、打撃の方で評価が上がらないで、指名までには至らないという可能性は充分あるだろう。まずは、大学からプロを目指すのであれば、打力でのアピールも不可欠となる。そういったところまで変化が見られるのか、注視して見守って行きたい。


(2023年秋 秋季リーグ戦)