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 柴崎 聖人(24歳・王子)中堅 173/83 右/左(岐阜第一-大経大出身)
 




 「今回は指名されるか?」





 大学時代に有力視されながらも指名漏れを経験した 柴崎 聖人。社会人2年目を迎え、再びドラフト指名解禁の年が巡ってきた。果たして今秋、その名は呼ばれるのだろうか。

走塁面:
☆☆☆★(3.5

 一塁到達タイムは左打席から4.0秒前後。昨年の公式戦でも27試合で8盗塁と及第点の数字を残している。プロで「足」を最大の武器にできるかは評価が分かれるが、コンスタントに次の塁を狙える走力があるのは間違いない。

守備面:
☆☆☆★(3.5

 打球への反応や落下点までの入りには余裕がある。大学時代の右翼手から、現在は中堅手を担う。かつては「中の上」程度と見ていた地肩も、実際はさらに力強そう。センターラインを任される選手の中でも、相当な強肩の部類に入るだろう。





(打撃内容)

 難しい球を拾うというより、甘い球を確実に仕留める「強打者」のイメージが強い。

OPS
.988 (出塁率+長打率。打撃の総合的な貢献度を示す指標。一般に.900を超えればリーグ屈指の強打者とされる)

IsoP
.243 (長打率ー打率。純粋な長打力を表す指標。一般に.200を超えれば優秀なパワーヒッターとされる)

BB/K
0.65 (四球÷三振。選球眼や打席での粘りを示す指標。1.0に近いほど優秀とされるが、強打者としては及第点


 打率 打数 安打 本塁打(ニ・三塁打 打点 三振 四死球 出塁率 長打率
.330 103 34 4(12) 21 23 15 .415 .573


<構え> ☆☆☆★(3.5)

 左打席でグリップを高く添える強打者スタイル。両目でしっかりと前を見据える姿勢が良く、
リラックスした中にも適度な集中力が感じられる。

<仕掛け>
平均

 投手の重心が沈み込んだタイミングで動き出す「平均的な仕掛け」を採用。確実性と長打力を兼ね備えたポイントゲッターによく見られる始動だ。
大学時代よりも動作に余裕が生まれている。

<足の運び>
☆☆☆★(3.5)

 ベースから少し離れた位置に踏み出すアウトステップ。始動から着地までの「間」が確保されており、緩急への対応力もある。インパクトの際、踏み込んだ
前足がブレずに壁を作れているため、外角や低めの球にも食らいつくことが可能だ。

<リストワーク>
☆☆☆★(3.5)

 トップの形を自然に作れており、力みなくボールを呼び込めている。スイングの弧が大きく、それが強烈な打球を生む源泉となっている。
失投を逃さず、フルスイングで捉えきるタイプと言える。

<軸>
☆☆☆☆(4.0)

 目線の上下動が少なく、体の開きも我慢できている。特によく発達した
内腿の筋肉が、力強い回転軸を支えている。

(打撃まとめ)

 アベレージを稼ぐ天才肌というより、長打力を武器とする強打の外野手。OPS
.988という驚異的な数値が示す通り、その破壊力は社会人球界でも屈指だ。三振数は少なくないが、それ以上に長打を量産できる魅力があり、今すぐプロの1軍に混ざっても相応のパフォーマンスを発揮できるレベルにある。


(最後に)

 「1年目から外野のレギュラー争いに加わってほしい」という球団のニーズに応えられる即戦力候補だ。走守も水準以上であり、特に
肩の強さはプロでも目を引く。ドラフトでは3位前後、今後のアピール次第では上位指名も十分に狙える。これからの動向が非常に楽しみな、社会人野手を代表する一人だ。


(2025年 日本選手権)









柴崎 聖人(大阪経済大4年)右翼 173/80 右/左 (岐阜第一出身)  





「能力の割に数字が」





 能力の割に、思ったほどの数字を残していないという印象を持つ 柴崎 聖人 。下級生の頃から、関西六大学では、目をひく好選手だった。


走塁面:
☆☆☆★ 3.5

 一塁までの到達タイムは、左打席から 3.9秒前後 と、プロに混ぜても俊足の部類。しかし、リーグ戦での盗塁数は、2年春の6盗塁を除けば、毎シーズン3個以下と物足りない。脚力の割に盗塁技術が劣るのか、そこまで走力への意識が高くないのかわからないが、彼の能力を考えれば、もう少し足でアピールできるのではないのだろうか。

守備面:
☆☆☆★ 3.5

 あまり難しい打球を捕球する場面が観られていないのだが、落下点まで余裕を持って入られている。そういった意味では、上手いとは言えないまでも、基準レベル~ それ以上の守備力はあるのかもしれない。地肩に関しても、中の上 レベルはありそうで、低く強い送球で返球できていた。

 現状、走力や守備をプロで売りにできるかは微妙なものの、水準~それ以上の 守備や走力がありそうではある。秋には、そういった部分に変化が観られるのか? あるいは、私自身、もう少し彼の守備や走力についての理解を深めてゆきたい。





(打撃内容)

 この春は、打率.333厘 だったものの、3年春には.375厘、3年秋には.420厘の高打率を残している。確かに小力があるというかパンチ力はあるものの、ここまでの通算本塁打は2本と多くはない。オーバーフェンスするというよりも、
二塁打・三塁打が多いタイプの長打力ではないのだろうか。器用さ上手さよりも、強い打球を右に左へと鋭く打ち返すタイプの打者だった。

<構え> 
☆☆☆★ 3.5

 ほぼ両足を揃えたスクエアスタンスで、グリップの高さは平均的。腰の据わり具合や両眼で前を見据える姿勢は悪くなく、全体のバランスとしては並ぐらいだろうか。

<仕掛け> 遅すぎ

 投手の重心が下る時にベース側に爪先立ちして、本格的に動き出すのはリリース直前という「遅すぎる仕掛け」を採用。日本人の筋力やヘッドスピードを考えると、ここまで遅いタイミングでの始動だと、なかなかプロの球を木製バットで打ち返すのは容易ではない。

<足の運び> ☆☆☆ 3.0

 
小さくステップして、ベースから離れた方向に踏み出てくる。始動~着地までの「間」がないので、あらかじめ狙い球を絞り、その球を逃さないようにする「点」の打撃になる。アウトステップするように、内角への意識が強そうだ。

 踏み込んだ前の足は、
インパクトの際にブレずに我慢。したがってアウトステップでも、甘めの外角球や高めのボールには対応できる。

<リストワーク> 
☆☆☆★ 3.5

 
打撃の準備である「トップ」を作るのは自然体だが、始動が遅いだけにバットを引くのが遅れないように注意したい。スイング軌道も、けしてインサイドアウトではない。そのためアウトステップするのも、内角のスペースをある程度確保したいからではないのだろうか。

 それでも外角の球を捉えるのには大きなロスは感じないし、ヘッドも下がらずにしっかり叩けている。けしてボールを遠くに運ぶタイプのスイングではないが、きっちり最後まで振り切れている。


<軸> 
☆☆☆☆ 4.0

 
足の上げ下げが小さいので、目線の上下動がとても小さい。そのため、錯覚を起こすことなく球筋を追うことができている。体の開きも我慢できており、軸足も安定している。それだけ、調子の波は少ないのではないのだろうか。また、軸足の内モモの筋肉も発達しており、強烈な打球を生み出す原動力になっている。

(打撃のまとめ)

 
錯覚を起こさない姿勢ができており、ボールを的確に捉えやすい。スイングも、難しい球を上手く捉えるというよりも、自分の打てるポイントの球を逃さないといったタイプではないのだろうか。そういった割り切りができているのであれば、安定して良い成績が残せそう。


(最後に)

 
三拍子バランスの取れた選手ではあると思うが、それほど長打力のない左打ちの外野手となると、ドラフトでは過小評価されやすい。それだけに、実力以上に指名順位は低いのではないのだろうか。そういった意味では、指名は下位指名~育成ゾーンあたりではないかとみている。秋までに、プロで売りにできるものをスカウトに印象づけられるかに懸かっている。私自身もう少し能力を見極めてから、最終評価をしてゆきたい。


蔵の評価:
追跡級!


(2024年 春季リーグ戦)