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日渡 騰輝(19歳・BC茨城)捕手 173/89 右/左 (霞ヶ浦出身) 
 




  「ディフェンスは水準以上」





 選抜チームで生で見たときには、正直ピンと来るほどのものは感じられたなかった 日渡 騰輝 。 しかし、改めて見てみると、ディフェンスに関しては、プロで指名される水準には達しているのかなといった印象を持った。


(ディフェンス面)

 ミットをしっかり投手に示し、フレーミングを意識したキャッチングで、ピタッと止めて捕球できている。それほど機敏そうに見えなかったり、あまり全身でボールを止めに行くといった感じには見えないものの、ワンバウンド処理にも素早く対応。
捕球全般に関しては、プロに入っても見劣りしないのではないかと思われる。

 投手との意思疎通もそれなりにできていそうだし、返球も軽く返すなど、俺が俺がといった我の強いキャッチャーでも無さそうだった。イニング間送球は 1.9秒~2.0秒以上のものが多い。しかし実戦では、
捕ってから素早く、地肩もまずまず。よく鍛えられているなといった印象で、インテリジェンスや繊細さを感じるタイプではないが、総合力でプロの水準に達していると評価できそうだ。





(打撃内容)

 
パワフルな左の強打者といった感じで、流してもスタンドインできた当たりには驚いた。ちなみに独立一年目の成績は、63試合 2本 23点 0盗 打率.238厘 。

<構え> ☆☆☆☆ 4.0

 
前の足を軽く引いて、カカトを浮かして立ちます。グリップを高めに添えて、腰の据わり具合、両眼での見据え方、全体のバランスなどにも優れた構えです。

<仕掛け> 遅すぎ

 
投手の重心が下る時に動き出して、一度ベース側につま先立ちします。本格的に動き出すのは、リリーフ直前という「遅すぎる仕掛け」を採用。このなると、プロレベルの球速・日本人の筋力を考えると、立ち遅れる危険性を感じます。

<足の運び> 
☆☆☆ 3.0

 
小さく、ベースから離れた方向に軽くアウトステップしてきます。始動~着地までの「間」が短いので、狙い球を絞り、その球を逃さない「鋭さ」が求められます。アウトステップするように、やや意識は内角寄りにありそうです。

 それでも踏み込んだ足元は、インパクトの際に我慢。そのため、アウトステップ気味でも甘めの外角球や低めの球ならば、ついて行くことができそうです。実際に、流してレフトスタンドに叩き込む場面をみました。また、内角の球にも開くことなく、スパンと振り切れていました。


<リストワーク> 
☆☆☆☆ 4.0

 
早めに準備である「トップ」の形を作れているので、始動が遅くても速い球に立ち遅れないようにしています。バットの振り出し自体は、ロス無くインパクトまで振り抜けています。バットの先端もヘッドも下がっていませんし、スイング軌道は力強く無駄も少なく理想的です。

<軸> 
☆☆☆☆ 4.0

 
目線の上下動が少ないので、球筋を錯覚を起こすことなく追いやすい。体の開きも我慢でき、軸足も力強く強烈な打球を生み出す原動力になっています。

(打撃のまとめ)

 
タイミングの取り方や柔軟性に課題
があるように感じますが、足元もしっかり止まっていますし、体の開きも抑えられスイング軌道にも優れます。軸も安定していて力強いので、しっかり捉えられるようになれば、打撃でも存在感を示せる可能性を秘めます。


(最後に)

 
相当捕手としての練習を重ねてきた跡を感じますし、打撃もしっかり振り込んでいるのだなというのが、プレーから伝わってくる選手です。まだまだ時間はかかるかもしれませんが、好感の持てる選手でした。生で見た時になんとも思わなかったので (支配下級)の評価はしませんが、将来的には一軍に絡んで来られる資質は充分あるのではないかと期待しています。


(2023年 BCリーグ選抜)