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尾田 剛樹(23歳・BC栃木)中堅 175/74 左/左 (高野山-大阪観光大出身) 





「俊足ぶりが光っていた」





 BCリーグ選抜の試合を見た時に、その俊足ぶりは光っていた 尾田 剛樹 。今年のドラフトで、中日から育成3位で指名された。


走塁面:
☆☆☆☆ 4.0

 観戦した試合では、一塁まで左打席から 4.0秒前後到達。セーフティバントで揺さぶったり、出塁すればすかさず盗塁を仕掛けるなど、
走力を全面に押し出したプレースタイルだ。リーグ戦でも、65試合32盗塁を決めるなど、最大の売りが脚力であることは間違いない。

守備面:
☆☆☆★ 3.5

 打球への反応、落下点までの入り、キャッチングなどに大きな狂いはなく、俊足を活かして守備範囲も狭く無さそうだ。肩の記憶が正直ないのだが、送球に関してはそこまで際立つものがなかったからではないのだろうか。プロフィール上は、遠投100メートルということになっている。






(打撃内容)

 独立参加一年目の成績は、
65試合 0本 26点 .292厘 。野手の間を鋭く抜けて、そんな感じの左の好打者だった。

<構え> 
☆☆☆☆ 4.0

 前の足を引いて、カカトを浮かせて構えます。グリップの高さは平均的で、背筋を伸ばし両眼で前を見据える姿勢や全体のバランスは悪くない。構えからも、
適度な集中力が感じられ、それが力みに繋がっていない。

<仕掛け> 平均的な仕掛け

 投手の重心が下がりきったあたりで動き出す、「平均的な仕掛け」を採用。この仕掛けは、ある程度の確実性と長打力をバランスよく兼ね備えた、中距離打者や勝負強さを売りにするポイントゲッターに多くみられる始動のタイミングです。

<足の運び> 
☆☆☆★ 3.5

 足を軽く上げて、ベースから離れた方向に踏み出すアウトステップを採用。始動~着地までの「間」はそこそこで、速球でも変化球でもスピードの変化にはそれなりに対応。アウトステップするように、内角への意識が強いように思える。

 踏み込んだ足元は、
インパクトの際にもしっかり止まって動かない。そのためアウトステップでも、甘めの外角球や低めの球にも食らいつくことができそうだ。彼の場合は、内角が得意でアウトステップしているというよりも、むしろ内角が苦手だから、さばけるようにアウトステップを行っているのかもしれない。

<リストワーク> 
☆☆☆★ 3.5

 打撃の準備である「トップ」の形をつくるのは自然体で、力み無くボールを呼び込めているのは良いところ。バットの振り出しにも大きなロスは感じず、外角の球に対してはバットの先端であるヘッドは下がらに振り抜けていた。

<軸> 
☆☆☆☆ 4.0

 足の上げさがが小さいので、目線の上下動は少なめ。体の開きも我慢でき、軸足の形も大きくは崩れていない。しいて言えば、あまり
軸足の内モモの筋肉が発達していなそうなので、打球の強さ・飛距離という意味では物足りないのかもしれない。

(打撃のまとめ)

 タイミングの計り方、ボールの呼び込み方などを見ていると、特別なものは感じられなかった。ただし、技術的にはしっかりしたものがあり、
自分が打てるポイントの球には、きっちり捉えて来る能力はありそう。まだスイングに特別の強さ・鋭さは感じられないので、この辺はプロの投手相手に順応するのには数年かかるかもしれない。


(最後に)

 
足という強力な武器があり、センターの守備も無難にこなせれば、そこから使われてゆく可能性は高そうだ。打撃も箸にも棒にもといった弱さは感じられないので、やってゆく中で何かをつかめくると全然変わってくるかもしれない。(支配下級)の評価はできなかったが、育成枠ならば有りの選手ではないかと思って試合を見ていた記憶がある。数年後頭角を現して来るのか、密かに期待して見守って行きたい。


(2023年 BCリーグ選抜)