23kp-49


 




園田 純規(福岡工大城東)投手 184/73 右/右





「素材としては面白い」





 初回にエラーなどで失点が重なり、初戦で敗れてしまった 園田 純規 。しかし、素材としては素晴らしく、プロ志望届を提出すれば、指名されるのではないかとみていた。


(投球内容)

 春季大会では、福岡大会のベスト4まで残った。しかし、夏の大会では、初戦となった博多工業戦で、初回2失点したものの、あとのイニングは抑えたものの、最後の夏を終えることになった。
均整の取れた体格投げ下ろす、正統派の投手といった感じがする。


ストレート 常時140キロ前後~140キロ台中盤ぐらい 
☆☆☆ 3.0

 普段は140キロ前後ぐらいと驚くほどの球威や球速はないものの、勝負どころでは140キロ台中盤ぐらいの勢いのある球を投げ込んでいる。打者の両サイドに散らせつつ、力を入れた
高めの速球には思わず吊られて空振りが誘える。今後、まだまだ良くなりそうだという予感をさせてくれる投手だ。ちなみに敗れた試合では、9イニングを投げて5安打・2四死球 と、制球は安定していた。

変化球 カーブ・スライダー・フォークなど 
☆☆☆ 3.0

 結構ブレーキの効いたカーブで、しっかりカウントを整えて来る。横滑りスライダーも織り交ぜるが、フォークのような縦の変化はまだ発展途上。
打者を仕留めきれるほどの変化球はないが、カーブやスライダーの曲がりは悪くない。夏の大会でも、9回を投げて9個の三振を奪っている。

その他

 クィックは、1.0~1.1秒ぐらいとまずまず。フィルーティングの動きも悪くなく、走者への目配せはそれほどでもないが、パッと間合いが悪いとマウンドを外すようなセンスを持っている。

(投球のまとめ)

 現状は、驚くような球や大きな特徴はないものの、素直に今後の伸びて行けそうといった青写真は描けます。体ができた時にどんな球を投げ込めるようになるのか? 今後どういった特徴を出して行くのか? 今後、いろいろな可能性を感じさせてくれる素材です。






(投球フォーム)

 ノーワインドアップから、足を引き上げる勢いは並ですが、高い位置まで引き上げてきます。軸足一本立った時に、膝がピンと伸び来てしまっています。それでも高く上げた足を使い、バランスを保って立てています。

<広がる可能性> 
☆☆☆★ 3.5

 お尻がしっかり一塁側に落とせるフォームなので、カーブやフォークなど捻り出す投げる球種を無理なく投げられるスペースが確保できています。「着地」までの地面の捉えもそれなりで、適度に体を捻り出す時間も確保。まだ武器にできるほどの変化球は身につけられていませんが、今後そういった球を習得できる可能性は高いとみています。特に発展途上のフォークなどは、上手く扱えるようになるのではないのでしょうか。

<ボールの支配> 
☆☆☆★ 3.5

 
グラブは最後まで内に抱えられており、外に逃げようとする遠心力を内に留めることができています。そのため軸のブレは抑えられ、両サイドへのコントロールはつけやすそう。足の甲での地面の捉えが短いので、どうしても浮き上がろうとする力は充分に抑えられていないように見えます。したがって力を入れて投げると、ボールが上吊りやすいのかもしれません。「球持ち」は並で、もう少しボール押し込めるようにリリースできるようになると、低めへの球も増えそうです。

<故障のリスク> 
☆☆☆ 3.0

 お尻は落とせているので、カーブやフォークといった球種を投げても窮屈になることは少なそう。そういった意味では、肘への負担などは少なそうです。しかし、
ボールを持っている肩は上がりグラブを持っている肩は下がるなど、腕の送り出しには無理が感じられます。けして力投派ではないので、そこまで疲労を溜め込むことは無さそうですが、肩へのケアは充分に気をつけて欲しいところです。

<実戦的な術> 
☆☆☆★ 3.5

 「着地」までの粘りはそれなりで、ボールの出どころも隠せています。そういった意味では、打者としては合わせやすいフォームでは無さそうです。腕の振りが強いというほどには見えませんが、
振り下ろした腕は身体に絡んできます。ボールに体重を乗せてからリリースしているようにも見えますが、投げ終わったあと一塁側に重心が流れます。したがってリリースまでに力をロスしてしまっており、打者の手元までの勢い・球威は、そこまでではないのでしょう。

(フォームのまとめ)

 フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、特に悪いとろこもない変わりに、特別優れている部分もありません。この辺は、
まだまだ良くなれる余地が残されているとも捉えられます。足の甲での抑えが短くボールが高めに集まりやすい点、腕の送り出しに無理があり肩への負担が心配なところなどはありますが、将来的に武器になる球を見出だせる可能性があります。これから、どんな特徴を見出だせるかは、本人の努力と意識をどう傾けるかで変わってきそうです。


(最後に)

 
とても良くなりそうというのは強く感じられるのですが、現時点で何が売り? と言われると応えられません。そのため、早々敗れてしまったのも育成まで残ってしまった要因ではあると思いますが、それ以上に現時点ではまだ武器がないことが、ここまで残ってしまった要因ではないかと。ただし、プロの指導や環境であれば、ものになる可能性はありそうで、個人的には (支配下級)の評価もしても良いかなと思っています。結構いろいろなところで、オススメ選手としてあげた選手であり、個人的には将来を期待している一人です。


蔵の評価:(下位指名級)