23kp-40





高橋 翔聖(鶯歌工商高)投手 187/81 右/右 





「ドラフト直前に浮上」





 今年も、外国の学校に通っている選手を、ドラフトで指名しようという動きがあるらしい。そんな話の中で浮上してきたのが、この 高橋 翔聖 だった。父親は台湾籍で、母親が日本人だという。現在、台湾の高校で 徐 翔聖 の名前でプレーしている投手だという。


(投球スタイル)

 映像のみでの確認だが、まだ
体ができあがっていない感じの未完成な投手といった印象。試合前の成績をみると、13回 10安 0四死 18三振 2自責点 と、安定感のある成績を残していた。

ストレート 常時140キロ前後~140キロ台中盤 
☆☆★ 2.5

 球威・球速という意味では、日本のドラフト候補に混ぜても際立つほどのものではない。まだ体ができていないので、体が強くなった時に、ビシッとした球が投げられるかに期待といった素材ではないのだろうか。両サイドに散らせて来る投球スタイルだが、
高めに集まったり抜けたりと、高低への制球に課題を残す。甘く入ると、まだまだ力で押し込むほどの迫力は感じられない。

変化球 スライダー 
☆☆★ 2.5

 
横に大きく滑るスライダーを武器にしているが、変化球は基本この球がほとんど。あとは、微妙に動かすような球速のある変化を交えているのかもしれない。一応持ち球としては、カーブ・スライダー・チェンジアップ・ツーシーム等などがあるとのこと。しかし現状は、スライダーとのコンビネーションで、少々単調に見える。

その他

 クィックは、1.15~1.20秒ぐらいと平均的。フィールディングなどの反応や動きは悪くなかったが、まだ微妙な出し入れをとか、「間」を意識してといった投球術は観られない。

(投球のまとめ)

 あくまでも恵まれた体格から投げこむ正統派で、体ができてきた時に、どんなボールを投げ込んでくる来られるのか?といった部分に期待しての指名ではないのだろうか? 荒れ荒れといった素材ではないので、ある程度ボールが変われば使えるようになりそうといった未来像は描けるタイプかもしれない。





(投球フォーム)

 実際よくわからない部分も多いので、フォームを分析して将来像を考えてみたい。セットポジションから、足を引き上げる勢いは静かで、それほど高い位置まで引き上げては来ない。軸足一本で立ったときにも、膝がピンと伸びがちで、少し直立気味には立ってしまっている。しかしそこから力みは感じられないので、この部分はあまり気にしなくても良さそうだ。

<広がる可能性> 
☆☆☆★ 3.5

 引き上げた足を高い位置でピンと伸ばしてくるので、
お尻は一塁側にしっかり落とせている。したがって体を捻り出すスペースは確保できているので、カーブやフォークといった捻り出して投げる球種には適しているだろう。

 「着地」までの地面の捉えはまだ平均的なので、もう少し粘りが欲しいところ。そうすれば、体を捻り出す時間が確保でき、曲がりの大きな変化球の習得も期待できそうだ。

<ボールの支配> 
☆☆☆ 3.0

 グラブは最後まで体の近くにあり、外に逃げようとする遠心力は抑えられている。したがって、両サイドのコントロールの狂いは少なそう。一方で、
足の甲での地面の捉えがまだ浅いので、浮き上がろうとする力は抑えられていない。そのためか? ボールが高めに集まりやすく、抜け気味な球もみられる。「「球持ち」や、指先の感覚も悪くは無さそう。体ができてくれば、比較的制球力の高い投手になれそうな気はしている。

<故障のリスク> 
☆☆☆☆ 4.0

 お尻が落とせているので、カーブやフォークといった球種を投げるのにも無理は感じられない。腕の送り出しをみても、肩への負担も少なそう。現状は、力投派といった感じでもないので、疲労も溜め難いのではないのだろうか。そのため、故障ののリスクは少なそうなフォームに見えた。

<実戦的な術> 
☆☆★ 2.5

 「着地」までの粘りは平均的だが、
ボールの出処が早く見えている。したがって、コースを突いたり甘くない球でも、踏み込まれて打ち返されやすい。

 腕は投げ終わったあと身体に絡むなど粘っこさは感じる一方で、
しっかり体重を乗せてからリリースできていないので、打者の手元までの強さが物足りない。この辺がうまく連動してくると、打者の手元でも勢いが落ちない球が投げられるようになるのではないのだろうか。今後は、「着地」までの時間を稼ぎ、体重がグッと乗ってからリリースを迎えるようなフォームを目指したい。

(フォームのまとめ)

 フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」 では、
「開き」や「体重移動」に課題を感じる。制球は高めに集まりやすさがあるが、故障のリスクは低そうで、投球の幅もまだまだ広げて行けそうな可能性は感じさせるフォームだった。良い面と悪い面が同居するので、どっちの部分が全面に出てくるかで投球内容も変わってきそうだ。


(最後に)

 もし彼が日本の学校の在籍していても、内容的には育成会議で指名があるかないかぐらいだったかと思います。ただし、体格にも恵まれ、まだまだ良くなる余地も多く残されていることからも、今後の球団の育成力や本人の意識次第では、大きく化けても不思議ではありません。ただし個人的には、まだ「旬」の時期といった感じはしないので、
 を付けるまでの評価には至りませんでした。