22ky-10





山里 宝(亜細亜大4年)遊撃 173/71 右/右 (神戸国際大付出身) 





 「確実性が課題」





 動きは悪くないものの失策が多く、長打の破壊力はあるが打率が残らないなど、攻守ともに確実性に課題がある 山里 宝。今春は高校時代と同様、ショートのポジションに戻ってプレーした。


走塁面:
☆☆☆★(3.5)

 一塁到達タイムは右打席から4.15秒前後(左換算3.9秒相当)。プロでも
俊足の部類と言える。チームのリードオフマンとして挑んだ今春はリーグ戦で5盗塁を記録。圧倒的な走力や盗塁技術があるわけではないが、プロでも年間10盗塁程度は期待できそうだ。

守備面:
☆☆☆(3.0)

 高校時代からフットワークが軽快なショートだった。しかし
地肩の弱さがあり、下級生までは大学でもセカンドを守っていた。厳しい体勢からの送球に乱れが生じやすく、今春は11試合で3失策と安定感に欠ける。処理後に丁寧に土を払い投手に返すなど気遣いができる丁寧な選手だが、根本的な身体能力の物足りなさが失策に繋がっている印象だ。プロでは、セカンドへのコンバートが現実的かもしれない。





(打撃内容)

 打率こそ低調だったが、高い出塁率と長打力が光った。

<セイバーメトリクス補足>

 注目すべきは「
OPS(出塁率+長打率)」が0.896と非常に高い点です。打率は.237ですが、選球眼の良さ(四死球の多さ)と長打力の高さが、得点貢献の要となっています。「出塁できる長距離砲」という個性的な打者といえます。


 打率 打数 安打 本塁打(ニ・三塁打 打点 三振 四死球 出塁率 長打率
.237 38 9 3(1) 5 9 10 .396 .500


<構え>
☆☆☆(3.0)

 右打席から前の足を引いてつま先立ち。グリップを下げ、腰を深く構える。両目で前を見据える姿勢や全体のバランスなど癖が強いが、本人がしっくりくる形を優先しているようだ。

<仕掛け>
遅め

 開いていた足をベース側に移動させ、本格的に動き出すのは「遅めの仕掛け」。ボールを極力引きつけてから始動する、天性のスラッガーに多いタイミングだ。高校時代からの試行錯誤を経て、今年は現在の形に落ち着いている。

<足の運び>
☆☆☆(3.0)

 足を軽く上げて回し込み、真っ直ぐ踏み出す。始動~着地までの「間」は短く、狙い球を逃さない鋭さが求められる。
インパクトで足元が動きやすく、外角や低めに弱さを見せるのは、引っ張りにこだわるあまりの弊害か。

<リストワーク>
☆☆☆☆(4.0)

 トップは自然体で力みがない。振り出しにクセはなくロスなく振り抜ける。インパクト後の
大きなスイング弧が非常に印象的で、捉えた時の飛距離は体格を遥かに上回る。

<軸>
☆☆☆(3.0)

 目線の上下動は並だが、足元が動くため「開き」を抑えきれていない。ただし軸足の形は崩れず、手元まで呼び込んでの軸回転スイングはできている。

(打撃のまとめ)

 打撃へのこだわりが強く、非常に個性的な選手だ。対応力には課題を残すが、ロスなく大きな弧を描くスイングは魅力的。
小柄でも想像以上の飛距離を誇る稀有な存在である。


(最後に)

 数字以上に強烈なインパクトを残す打者だが、肩の弱さから遊撃・三塁を守り続けるのは厳しい。それだけに「強打の二塁手」を求める球団のニーズに合致するかが鍵だ。今年は二遊間候補が全カテゴリーで不足しており、ドラフト4位前後での指名も期待できそうだ。


蔵の評価:
☆☆(中位指名級)


(2026年 春季リーグ戦)


 





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山里 宝(亜細亜大3年)二塁 173/71 右/右 (神戸国際大付出身) 
 




 「粗っぽい一発屋になっていた」





 神戸国際大附属時代、その類まれな打撃センスを絶賛した 山里 宝。しかし、大学3年秋のシーズンは打率.140と低迷。一方で3本塁打を放つなど、かつての「センスの塊」の面影は薄れ、かなり粗っぽさが目立つ打者へと変貌していた。最終学年において、彼はどのような姿を見せてくれるのだろうか。


【走塁・守備面】

走塁:評価:
☆☆☆ 3.0

 右打席からの一塁到達タイムは4.45秒前後(左打者換算で4.2秒前後に相当)。ドラフト候補としては「中の下」レベルであり、プロで足を武器にするタイムではない。しかし、2年秋には7盗塁を記録するなど、状況判断やスタートの良さは備えている。1番打者を任されることもあるだけに、実際の走力は計測ラップ以上のものがあるはずだ。最終学年ではその「走りの質」を再確認したい。

守備:評価:
☆☆☆★ 3.5

 高校時代はフットワーク、スローイングともに軽快なショートであったが、地肩の強さを考慮してか、大学ではセカンドを主戦場としている。セカンドでは打球に対して正面で入る丁寧なプレーが光るが、3年秋は14試合で2失策。実際のプレーから受ける印象に比べると、数字上の安定感は一歩譲る。

 現状では守備・走塁が突出しているわけではなく、評価の軸はやはり「打撃」になるだろう。





【打撃成績・分析】

 高校時代から小柄な体格に似合わぬ飛距離を誇っていたが、最大の魅力は
ボールを呼び込む「間」の取り方にあった。

■ セイバーメトリクス補足

BB/K
0.52 (四球÷三振。選球眼とコンタクト能力の指標。0.5を切ると「粗い」と判断されやすく、かつてのセンス型から強振型へスタイルが変化していることを示唆している)

IsoP
.163 (長打率-打率。純粋な長打力を示す指標。二塁手としては非常に優秀な数値であり、打率の低迷に反して「当たれば飛ぶ」魅力は増している)

三振率
.228 (4.3打席に1回三振を喫する計算。秋の低迷期はさらに悪化しており、確実性の向上が最優先課題だ)


 打率 打数 安打 本塁打(ニ・三塁打 打点 三振 四死球 出塁率 長打率
.206 92 19 4(3) 7 21 11 .326 .369


【打撃メカニズム詳細】

<構え> 評価:
☆☆☆ 3.0

 右打席で前足を少し引き、踵を浮かせて構える。グリップの高さは平均的で、やや捕手側に引いて添えている。後ろ足に体重を乗せ、両目で前を見据える姿勢は悪くないが、高校時代に比べると打席での張り詰めたような
集中力が影を潜めているようにも感じる。

<仕掛け>
早め

 投手の重心が沈むタイミングで足を大きく引き上げる。これはアベレージヒッターに多い「対応力重視」の始動だ。高校時代は足を下ろしてから再度ステップする「遅すぎる仕掛け」だったが、現在はよりシンプルに打ちに行く形を模索しているようだ。しかし、それが彼に合っているかどうかはわからない。

<足の運び> 評価:
☆☆☆☆ 4.0

 足を大きく回し込み、ベース側に踏み込むインステップ。着地までの「間」がしっかり取れており、この
「待てる」感覚こそが彼の真骨頂だ。しっかり踏み込む分、外角球を強く意識していることが伺える。インパクトの際も踏み込んだ足がブレず、低めの変化球にも食らいつける強さがある。ただし、現在は無理に引っ張るケースが目立ち、強引に引っ掛ける場面も目立つ。

<リストワーク> 評価:
☆☆☆★ 3.5

 トップの形を早めに作れるため、速球に振り遅れる心配はない。ただし、リストワークに遊びが少ない分、柔軟な対応力は犠牲になっている可能性がある。スイングは上から叩く意識が強く、ボールの下を叩いて角度を付けるのが上手い。フェゾーン(有効な打球エリア)への確率は高くはないが、インパクト後のフォロースルーで打球を押し込む力があり、飛距離を生んでいる。

<軸> 評価:
☆☆☆★ 3.5

 足の上げ下げが大きいため、やや目線がブレて
ボールを追ってしまう傾向がある。インステップで強く踏み込む分、内角の捌きは窮屈になりがちだ。真ん中から外寄りの甘い球を引っ張り込んだ時の破壊力は、目を見張るものがある。


【総評】

 高校時代の「鋭さ」が影を潜め、現在は「粗い一発屋」のような危うさを孕んでいる。そのへんは、打席に入る時にも現れている。ニ遊間を担う選手にしては、バッターボックスのラインを踏んで入るなど、あまり細かいことは気にしない強打者タイプ的な思考を感じる。それでも打席に入るまでのルーティンには、打撃へのこだわりは感じられるのだが。まして、本塁打を量産できるセンスと、ボールを呼び込める独特の「間」は、教えられて身につくものではない。

 守備・走塁で圧倒するタイプではないだけに、ドラフト指名を勝ち取るには
「打撃の精度」の再建が不可欠だ。状況に応じた打撃と、自慢の長打力をいかに高い次元で融合させられるか。感性に優れた選手だけに、あまり技術論に縛られすぎず、本来の感覚を取り戻してほしい。最終学年での爆発次第では、大学からのプロ入りも十分にあり得る逸材だ。


(2025年 秋季リーグ戦)








山里 宝(神戸国際大付2年)遊撃 169/64 右/右 





 「内山ぐらいやれるのでは?」





昨夏の甲子園で、北海の 木村 大成(ソフトバンク3位)左腕 を、全くもろともせずに3安打を放って魅せた 山里 宝 。そのプレーをみて、星陵からヤクルトに3位指名された 内山 壮真 ぐらいの力量があるのではないかと思わず思ってしまったのが、この 山里 宝 だった。

走塁面:☆☆★ 2.5

一塁までの塁間は、右打席から4.45秒前後ぐらい。これを左打者に換算すると、4.2秒ぐらいと平凡なタイムだった。実際走っている姿をみると、走力を売りにするような選手には見えなかった。

守備面:☆☆☆★ 3.5

下級生ながらチームのショートを任されているように、打球への反応、キャッチング・フットワークなど、適度に上手いショートには見えました。ただし、あまり地肩が強いようには見えず、その点でプロのショートとしてはどうなのか?といった疑問は持ちました。

体格も含めて、身体能力で魅了するというよりも、高い野球センスが際立つタイプではないのでしょうか。


(打撃内容)

北海の木村から、レフト方向へ3本の二塁打を打っただけでなく、レフトポール際にも特大のファールを打って、そのスイング・飛距離に驚かされました。また討ち取られた打撃も含めたサードゴロ含めて、打球は極めて引っ張り中心に巻き込む傾向が強いです。

<構え> ☆☆☆★ 3.5

前の足を引いて後ろ足に体重を預けつつ、グリップも捕手側に引いて平均的な高さで構えます。背筋を伸ばして全体のバランスは悪くなく、両眼で前を見据える姿勢もそれなりといった感じがします。打席では、適度なリラックスしながらも集中力が感じられます。

<仕掛け> 早すぎ

投手が重心を下げ始める前に、すでに動き出していることがあり、これは「早すぎる仕掛け」です。なぜこの段階での始動がまずいかというと、投手が投げるタイミングをまだ変えることができるからです。投手の重心が下がり始めてから動き出せば、投手を投げるタイミングを基本的に操作することはできません。

<足の運び> ☆☆☆★ 3.5

足を長い時間引き上げつつ、ベース側にインステップしてきます。始動~着地までの「間」は充分とれ、速球でも変化球でもスピードの変化には対応しやすいはず。踏み込んで来るように、外角球への意識が強いのですが、引っ張って巻き込む打撃なので、甘めの外角球をしっかり拾うことに主眼が置かれているのかもしれません。

踏み込んだ前の足はしっかり止まっており、逃げてゆく球や低めの球にも喰らいつくことはできます。ボールを上手く呼び込む感性や「間」を持てているところが、この選手の一番の魅力ではないのでしょうか。

<リストワーク> ☆☆☆☆ 4.0

あらかじめ捕手方向にグリップは引かれているのですが、完全には引ききっていないので自然体の力みのないボールの呼び込みになっています。バットの振り出しも、上からシンプルにインパクトまで下ろす感じのインサイドアウトの軌道。バットのしなりをとか、木製バットだとどうなのか? という部分はあるものの、打球の多くが引っ張りなので、センターから右方向を意識しないのであれば、これでありなのでしょう。

インパクトの際にもヘッドの下がりも小さく、広い面でボールを捉えられ打ち損じの少ないインパクト。ボールの押し込みも良く、スイングの前を大きくとって、フォロースルーも使って飛ばすので、体は小さくても打球は遠くにまで飛んでゆきます。

<軸> ☆☆☆ 3.0

足の上げ下げもそれなりにありますし、目線の上下動は並ぐらい。自分からボールを追いかけて、体が突っ込まないように注意したいところ。体の開きは我慢できていますが、インステップする分、少し足元は窮屈に見えます。そのためボールをさばく時は、少し軸足を後ろにズラして回転することが多いように見えました。

(打撃のまとめ)

素晴らしいのは、やはりボールを呼び込むまでの感性・間のとり方にあります。そのため、高い確率でボールをしっかり捉えることができています。特に振り出しからは最短距離でボールを捉えながらも、インパクトの時の押し込み(エネルギーの集約)が良く、フォロースルーも使って、一気にエネルギーを遠くに放出できます。したがって体は小さくても、爆発的な打撃を可能にしているのではないのでしょうか。


(最後に)

体格・肩・走力 という部分では、正直高校からプロとなると見劣るものはあります。しかし、こと打撃センス・技術・嗅覚という意味では、高校生では突出した存在であるように思います。個人的には、ぜひ高校からプロの世界に飛び込んできて欲しい特別な才能持ち主だと評価しています。


(2021年夏 甲子園)