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| 榊原 七斗(明治大4年)中堅 173/76 左/左 (報徳学園出身) | |||||||||||||||||||||||||||||||
今春のリーグ戦は平凡な成績に終わった 榊原 七斗。しかし、改めてその所作の一つひとつを見ていると、やはり「プロに行くべき選手」だと感心させられる。現状の分析と、今後の可能性について考察してみたい。 走塁面(☆☆☆★ 3.5) 一塁到達タイムは、左打席から3.9秒~4.0秒前後。プロの選手として比較すれば「中の上」クラスの脚力だ。リーグ戦の成績を見ても、毎シーズンの盗塁数は0~1個程度であり、走力を売りにするタイプではない。決して遅くはないが、足で相手をかき回すタイプのプレーヤーではないだろう。 守備面(☆☆☆☆ 4.0) 彼の高い身体能力が最も活きているのは、走塁ではなく守備だ。打球に対する勘と判断力に優れ、広い守備範囲を誇る。特に感心したのは、打席に入る際、サインを確認しながらでもバッターボックスのラインを一切踏まない点だ。「今、自分の足がどこにあるか」を常に意識できている証左であり、これは外野フェンスとの距離感についても同様に、常に把握してプレーできているはずだ。守備の安定感は、こうした日々の緻密な積み重ねによるものだろう。 高校時代はドラフト候補に挙がるほどの投手でもあっただけに、外野からの送球も強肩の部類に入る。圧倒的なレーザービームを連発するタイプではないものの、プロの中堅手に求められる地肩の強さは十分に備えている。将来的には、外野の「名手」と呼ばれる領域に到達できる可能性を秘めている。 打撃内容 今春は通算打率を下回る数字に終わり、ベストナインも逃した。しかし、彼は好打者というよりも、長打の多い中距離ヒッターの色彩が強い。六大学通算11本塁打という数字がそれを証明している。今回は、3年秋までの通算成績と今シーズンの成績を比較し、打撃傾向がどう変化したのか検証したい。
(セイバーメトリクスによる比較・考察) 一見すると、春の成績は「打率の低下」や「本塁打の減少」といった停滞を感じさせるかもしれません。しかし、打撃の傾向を指標で分解すると、彼の「中距離ヒッター」としての本質的なアプローチには大きな変化がないことがわかります。 ISO(純長打率)の維持 説明: 打率(単打)を除いた「長打力」のみを抽出した指標です。どれだけ長打が打てているかを純粋に評価します。 分析: 通算と今春を比較しても、極端な低下は見られません。打率は下がりましたが、安打を放った際の「長打が出る確率」は維持されており、彼のスイングが崩れていないことを示しています。 BB/K(選球眼・打席内での我慢強さ)の微増 説明: 三振一つに対してどれだけ四球を選べているか。打席内での冷静さと、ストライクゾーンを管理する能力を示す指標です。 分析: 成績不振の時期であっても、三振が増えておらず、四球を選べている点は特筆すべきです。これは守備面で見せた「ラインを踏まない」という緻密さが、打席でも「ゾーンを外れた球に手を出さない」という形で発揮されている証拠です。 BABIP(打球の運)の低下 説明: 本塁打を除いたインプレー打球が安打になった割合。打者個人の能力だけでなく「運」の要素も大きく影響します。 分析: 通算成績と比べて今春のBABIPは明らかに低下しています。つまり、打球は飛んでいるものの、守備範囲に飛ぶといった「運に恵まれない」ケースが多かったことを示唆しており、数字ほど彼の打撃の状態は悪くないと推測できます。 (今後の可能性) 成績だけを見れば「不振」の一言で片付けられてしまうかもしれませんが、数字の裏側には安定した選球眼と変わらぬ長打へのアプローチが残されています。彼がプロで「レギュラー候補」として期待される理由は、この「数字が悪くても崩れない基礎能力」にあります。 春のリーグ戦は運が味方しなかったかもしれませんが、守備で見せるような緻密な状況判断能力は、打席でも必ず結果として結びついてくるでしょう。彼のような「守備が計算でき、かつ選球眼がブレない選手」は、プロの現場ではどんな打順でも機能する貴重なピースとなりそうです。 (最後に) 春のリーグ戦の内容には落胆しましたが、改めて守備から打撃の端々に至る「所作」を観察し、セイバーメトリクスの数字を分析したことで、彼がプロで活躍して行ける選手であるという確信は強まりました。 また打席に入るまでの入念な足場の作り方などを見ていると、この選手が打撃にも並々ならぬ意識で取り込めていることが伺われます。ドラフトでは評価され難い「左打ちの外野手」という部分を差し引いても、秋のドラフトでは 上位指名される選手 だと評価します。 蔵の評価:☆☆☆ (上位指名級) (2026年 春季リーグ戦) |
| 榊原 七斗(明治大3年)中堅 173/76 左/左 (報徳学園出身) | |||||||||||||||||||
走攻守三拍子揃った好打者タイプという印象を持っていたが、改めてじっくり観察すると、想定以上に長打力を備えた「強打者寄り」の選手であることに気がつかされた 榊原 七斗 。 走塁面:☆☆☆ 3.0 一塁までの塁間タイムは、左打席から4.05〜4.15秒前後。ドラフト候補の左打者としては平均的な数値である。六大学進学後、3年秋までのリーグ戦で67試合に出場しているが、盗塁数はわずか2個。チームの核弾頭を務めてはいるものの、足で果敢にアピールしていくタイプではないようだ。 守備面:☆☆☆☆ 4.0 広い守備範囲を誇り、打球判断や落下点までの入り方を見ても、その守備能力は高い。高校時代は全国指折りの左腕として140キロ前後の直球を投げていただけに、肩は「中の上〜上の下」クラスの強さがある。守備・走塁に関しては、最終学年でさらに詳細な動きと、ポテンシャルの上限を見極めていきたい。 打撃内容 3年春のリーグ戦で4本塁打、秋も3本塁打を放っており、想像以上の長打力を秘める。普段の打球はセンターからライト方向が多いが、逆方向へ流してもスタンドインさせられるパンチ力がある。 【打撃指標の分析(セイバーメトリクス)】 OPS:.903 出塁率と長打率を足し合わせた、打撃の貢献度を表す指標。.900を超えればリーグ屈指の強打者とされる。打率以上に、四死球を選べる能力と長打による進塁能力が高いことを裏付けている。 IsoP:.236 「純粋な長打力」を測る指標(長打率-打率)。.200を超えると強力な長打打者とされる。単打だけでなく、本塁打を含めた外野の頭を越す打球が多いことを示している。 BB/K:0.51 選球眼とコンタクト能力のバランスを示す指標(四死球÷三振)。三振数はやや多めだが、長距離砲としては許容範囲内。自身のスイングを貫きつつ、一定の選球眼も維持できている。
<構え> ☆☆☆★ 3.5 左打席で前足を大きく引き、グリップはやや下げ気味に添える。背筋を伸ばした立ち姿のバランスは標準的だが、両目でしっかりと投手を見据えられているため、視覚的な錯覚を起こすことなく球筋を追える構えとなっている。 <仕掛け:平均> 投手の重心が下がりきった時に動き出す「平均的な仕掛け」を採用。このタイミングは、確実性と長打力を兼ね備えた中距離打者や、勝負強さが売りのポイントゲッターに多く見られる。 <足の運び> ☆☆☆☆ 4.0 足を大きく引き上げ、ベースから離れる方向へ踏み出すアウトステップを採用。始動から着地までの「間」がある程度確保されており、緩急への対応力もそれなりに備えている。アウトステップの通り内角への意識が高く、実際の打球も右方向が中心。インパクトの際も足元がブレずに止まっているため、逃げていく外角球や低めにも食らいつける。流してもスタンドへ運べる長打力は大きな魅力だ。 <リストワーク> ☆☆☆☆ 4.0 トップを自然体で作れており、力みなくボールを呼び込めている。スイングは上からインパクトまでロスがなく、非常に無駄のない軌道を描く。ヘッドを立てて置くというより、ボールの下を叩いて角度をつけるのが巧みなタイプだ。鋭い踏み込みとヘッドスピードを武器に、ボールを「強く叩き切る」強打者の資質を感じさせる。 <軸> ☆☆☆☆ 4.0 目線の上下動が小さく、体の開きも我慢できている。軸足が地面から真っ直ぐ伸びて安定しており、内腿の強い筋肉が強烈な踏み込みを可能にしている。 総括 決して対応力のみを重視したスイングではなく、強い踏み込みとヘッドスピードでボールを叩き潰すタイプ。特にIsoP(長打力指標)の高さが示す通り、打球に角度をつけるのが上手く、長打が生まれやすい。 将来像としては、打率3割を狙うアベレージヒッターというより、打率.270前後でも15〜20本塁打を記録し、高いOPS(貢献度)を叩き出す「破壊力を伴った強打者」への成長が期待される。 走力自体は備わっているため、あとは盗塁技術と意識次第で評価はさらに跳ね上がるだろう。高い守備力と、指標でも証明された破壊力を秘めた打撃は、センターを補強したい球団にとって極めて魅力的な素材。ドラフトでも、上位指名を十分に期待できる逸材だ。 (2025年秋 神宮大会) |
| 榊原 七斗(報徳学園3年)投手 173/74 左/左 | |
全国の高校生左腕の中でも、その実力は全国でも屈指のレベルにあるのではないかと思われるのが、この 榊原 七斗 。もしプロ志望届を提出するとなれば、中位前後の指名を意識できる有力な候補になりそうだ。 (投球内容) この春は、兵庫を制してチームを近畿大会に導く活躍でした。また打っても中軸を任されるなど、打者としての才能にも優れています。 ストレート 常時140キロ前後~MAX144キロ ☆☆☆★ 3.5 適度に勢いのあるまっすぐを、立ち上がりから低めに集めることができます。驚くような球威・球速があるわけではないのですが、この真っ直ぐを魅せてからの変化球、あるいは変化球を魅せてからの真っ直ぐは効果的。何より、真っすぐのコマンドがしっかりしているところには好感が持てます。投球の土台がしっかりしているので、真っ直ぐがさらに今後磨かれて来ると楽しみです。 変化球 スライダー・カーブ・チェンジアップ ☆☆☆☆ 4.0 その真っ直ぐ以上に魅力的なのが、変化球のキレやブレーキ。スライダーやチェンジアップには空振りを誘えるものがありますし、カーブでもしっかりカウントを整えられます。そういった球を、両サイドに散らせて来る技術があります。 (投球のまとめ) 凄みのある素材というよりも、総合力に優れたサウスポーです。進学が基本線なのか? あまり騒がれていませんが、実力的には全国でも3本の指に入るであろうサウスポーだと考えられます。夏にさらに上積みがあれば、上位候補としてマークされる存在かもしれません。仮に大学などに進んでも、下級生から活躍できそうなタイプです。 (投球フォーム) ランナーがいなくても、セットポジションから投げ込みます。足を引き上げる勢いは並ですが、比較的高い位置まで引き上げてきます。軸足一本で立ったとき、膝に余裕がないのは気になります。それでも、比較的バランスをとって立つことはできていました。 <広がる可能性> ☆☆★ 2.5 前に倒れ込むように重心を下げてくるので、お尻の三塁側(左投手の場合は)への落としは甘くなりがち。身体を捻り出すスペースは充分確保できていないので、カーブやフォークを投げるのには窮屈になりがちかと。 「着地」までの粘りも平凡で、それほど身体を捻り出す時間は確保できていません。その割に、各変化球のキレ・曲がりは大きく確保できている珍しいタイプの選手だと言えるでしょう。 <ボールの支配> ☆☆☆☆ 4.0 グラブはしっかり最後まで抱えられているので、外に逃げようとする遠心力を内に留めてくることができています。したがって軸はブレ難く、両サイドへのコントロールも安定しやすいです。 足の甲での地面の捉えがしっかりできているので、浮き上がろうとする力も抑え込めています。立ち上がりから低めに集められるのは、この部分の動作と「球持ち」自体も比較的前で放せているからではないのでしょうか。 <故障のリスク> ☆☆☆ 3.0 お尻の落としが甘い割にカーブを使ってくるので、窮屈になって肘への負担はなどは考えられます。しかしながら、カーブを投げる頻度はそれほど高くはないですし、現状はフォークなども投げていないようなので、それほど悲観しなくても良いのかもしれません。 若干グラブを持っている肩が下がり、ボールを持っている肩が上がり気味ですが、これも極端ではないので身体のケアに注意していれば、肩への負担もそれほど大きくは無さそう。現状は力投派でもないので、負担はそこまでは無さそうですが。 <実践的な術> ☆☆☆ 3.0 「着地」までの粘りがそれほどないせいか? 左腕にしてはややボールが早く見えてくる感じです。そのためフォーム的には、それほど打者が苦にするタイプには見えません。 腕はしっかり振れているので、速球と変化球の見分けは困難で吊られやすい。まだ重心がしっかり乗ってからリリースできているといったほどではないのと、時々バランスを崩して重心が流れるので、そのへんが改善して来ると、真っ直ぐにも球威・圧みたいのが加わるようになるのではないのでしょうか。「体重移動」に関しては、まだ発展途上な気がします。 (フォームのまとめ) フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、「球持ち」以外は意外にまだまだなのかなと感じました。それでも制球を司る動作に優れている点は評価でき、動作の割に各変化球で空振りを奪える点は評価ができます。故障のリスクはさほど高くはありませんし、あとは「体重移動」のエネルギー効率を上げたり、打ち難いフォームを追求するなどができてくると、実戦的な投手になれそうです。 (最後に) 総合力の高いピッチングに比べると、フォーム的にはまだまだ発展途上だったのがわかった。その辺は伸びしろだとも言えるわけで、今後改善して行ければ更に高いパフォーマンスが期待できそう。あまり高校からプロの匂いがして来ない選手ではあるものの、プロ志望届を提出すれば、中位前後の指名は期待できるぐらいの力はすでにあるのではないのだろうか。ぜひ、夏の甲子園に来て頂きたい全国指折りのサウスポーでした。 (2022年 春季大会) |