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村川 凪(23歳・徳島ID)外野 174/63 右/左 (如水館-四日市大出身) | |
村川 凪 のスピード感は、まさに足のスペシャリストを実感させられるものがある。四日市大時代には、1シーズン16盗塁を記録するなど3度の盗塁王に輝いている。また四国アイランドリーグでも、63試合で40盗塁で盗塁王に輝いている。 走塁面:☆☆☆☆★ 4.5 ちょっとしたショートゴロでも内野安打にしてしまう脚力の持ち主で、早い時には一塁まで3.7秒前後で到達するプロでもトップクラスの脚力の持ち主。小柄故に加速までが早く、野球に適した脚力の選手だと言えよう。プロでもその足で代走要員・緊迫した場面での盗塁をも期待できる存在になりうる選手ではないのだろうか。 守備面:☆☆☆☆ 4.0 この脚力を活かし、広い守備範囲を誇る。ただ守備範囲が広いだけでなく、キャッチングや打球勘も悪く無さそう。センターだけでなくライトも任されたりと、肩もかなり強い選手との印象。代走だけでなく、守備固めとしても期待できるのも彼の強味ではないのだろうか。 足はプロで売りにできるほどだし、守備も一軍に混ざっても違和感はないレベル。特に彼の年齢を考えると、ファームでじっくりというよりは、足や守備だけでも一軍に置いてみても思わせるものがある。特にベイスターズは、ここぞの場面で盗塁をできる選手がいないだけに、そういったマークされる中でも盗塁をできれば、一年目から一軍に抜擢される可能性は充分にありそうだ。 (打撃内容) 巧打者という感じで、右に左へと打ち返すタイプ。独立リーグでは、打率.265厘。大学通算で、.262厘 と、プロ入りする選手としては打撃が弱いのは確か。アイランドリーグでの40安打のうち、二塁打2本、三塁打1本、本塁打0 という成績が示す通り、基本的に単打が圧倒的に多い。 <構え> ☆☆☆☆ 4.0 前の足を引いた左オープンスタンスで、グリップは低めに添えられている。背筋を伸ばし全体のバランスはそれなりで、両眼で前を見据える姿勢は好い。特に打席では、リラックスして構えられているところは好いところ。 <仕掛け> 早め 投手の重心が下がり始める時に動き出す、「早めの仕掛け」を採用。早めに動き出していろいろな球に対応しようとする、アベレージヒッターに多く見られる始動のタイミングです。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 足を上げて、ベースから離れ方向に踏み出すアウトステップを採用。足を上げて降ろすまでに「間」が取れているので、速球でも変化球でもスピードの変化には幅広く対応しやすい。アウトステップするように、基本的に内角への意識が強いタイプ。 アウトステップで、足元も比較的早く地面から離れるタイプ。そのため甘めの外角球や高めの球にまでは対応して流せるが、外角の厳しい球や低めの球にいかに対応できるかではないのだろうか。走力を活かす意味で、一歩目を早く踏み出そうということに特化したスイングにはなっている。そのへんが、ちょっとひ弱さにも繋がっているのかもしれないが。 <リストワーク> ☆☆☆☆ 4.0 打撃の準備である「トップ」を作るのは自然体で、力みが感じられないところは好いところ。バットの振り出しも、けしてインサイドアウトではないものの、外角球に対してもロスはなく素直にバットが出てくる。バットの先端であるヘッドを残し、フェアゾーンにボールを飛ばせるところは好いところ。コースに逆らわない、巧打者らしいスイングとなっている。 <軸> ☆☆☆★ 3.5 足の上げ下げは静かで、目線の上下動は小さい。身体の開きも、なんとかインパクトまでは我慢。少々走り打ちの部分があるが、彼の足を活かしたいので、それもありかと。軸足の形や強さはさほどではないが、粘りは適度に感じられた。 (打撃のまとめ) けして橋にも棒にもという感じではないが、やはり打撃はプロレベルではありません。しかし彼に求められているものは、まさに足のスペシャリストとしての走力と守備固めに使えればという部分。あまり、打撃のレベルアップに時間をかける必要はないのではないかと考えています。彼は、レギュラーを定着を目指すことよりも、チームにいないパーツとして一軍枠に入り込むことが求められると思いますので。 (最後に) 緊迫する場面やマークされる中でも、盗塁を決められるかが彼の生命線になります。守備力・肩もあるので、足でアピールできればそのまま一軍に定着できるのではないのでしょうか。野球に適した走力なので、ベイスターズにはいない足のスペシャリストとしての活躍が期待されます。☆ は付けられませんが、機能すればDeNAの野球を変えうる男になるはずです。 (2021年 アイランドリーグリーグ戦) |