21kp-21
| 沢山 優介(23歳・ヤマハ)投手 187/83 左/左 (掛川西出身) | |
WBCブラジル代表として、2試合に先発した 沢山 優介。イタリア・イギリス戦で共に4回まで投げ、無失点で抑え込む快挙を見せた。特にイタリアは、WBCで日本をも上回るベスト4まで勝ち残った強豪。そんな強力打線を相手に好投したことで、改めてスカウト達からの再評価が加速している。 (投球内容) グラブを前に大きく突き上げるフォームから、オーソドックスながら芯の強い投球を展開する。WBCでは 2試合・8イニングに登板し、4安打・2四死球・6三振・無失点 と完璧に封じ込めた。 ストレート:145キロ〜150キロ ☆☆☆★(3.5) 変化球を中心に組み立て、時折真っ直ぐを投げ込んでくるスタイル。際立った凄みがあるわけではないが、非常に効果的に使えている。制球も打者の外角中心に集まっており、自滅する危うさは感じられない。高卒3年目に評価した際は140キロ前後で、当時は「打者が差し込まれる球質」を評価したが、現在はそこに純粋な球速が伴ってきた。 横変化(スライダー):☆☆★(2.5) 左打者に対してはスライダーとのコンビネーションで組み立てる。小さく横滑りする変化だが、切れ・精度ともにまだ発展途上。失投の懸念もあり、左投手ながら現状では左打者を得意としているようには見えない。 縦変化(チェンジアップ):☆☆☆☆(4.0) この投手の最大の特徴は、真っ直ぐと見分けがつかないチェンジアップにある。国際大会の舞台でも通用したこの球は、NPBでも武器になるのではないだろうか。 その他:☆☆☆(3.0) クイックタイムは1.05〜1.15秒とまずまず。左投手らしく一塁走者への目配せも安定している。鋭い牽制こそ目立たないが、投球タイミングを変えるなどの工夫が見られ、非常に冷静なマウンドさばきが光るようになってきた。 (投球のまとめ) 力でねじ伏せるタイプではないが、チェンジアップを軸に、時々投じる真っ直ぐを最大限に活かす投球術が確立されている。制球・マウンドさばき共に安定しており、現在のアマチュア球界を見渡しても、左腕では上位ランクに位置する一人と言えるだろう。 (投球フォーム) セットポジションから静かに、かつ高い位置まで足を引き上げてくる。軸足一本で立った際のバランスが良く、膝から上が伸び切ることなくリラックスして立てている。 <広がる可能性>:☆☆☆★(3.5) 引き上げた足を地面に伸ばし気味に着地させるため、お尻の三塁側への落とし(ヒップファースト)には甘さが残る。本来ならカーブやフォークの曲がりが鈍くなりやすい型だが、現状それらの球種は使っていない。 一方で、ステップ幅を大きく取ることで体を捻り出す時間を確保しており、スライダーやチェンジアップの質を高める下地はある。実際にチェンジアップは現時点でプロ級だ。 <ボールの支配>:☆☆☆★(3.5) グラブを最後まで内に抱え込み、遠心力を制御できている。軸がブレにくいため、両サイドへの制球力は安定。足の甲での地面の捉えや「球持ち」には若干の物足りなさがあり、ボールが上吊る懸念はあるが、実際の投球を見る限り大きな破綻はなかった。 <故障のリスク>:☆☆☆(3.0) お尻の落としは甘いが、神経質になるほどではない。気になるのは腕の送り出しで、ボールを持っている肩が上がり、グラブ側の肩が下がりやすい傾向がある。肩への負担は懸念されるが、力みのないフォームなため、致命的な疲労蓄積には至らないのではないか。 <実戦的な術>:☆☆☆★(3.5) 「着地」までの粘りがあり、ボールの出どころも隠せている。投げ終わった後に腕が体に巻き付くような粘りもあり、それがチェンジアップの有効性を高めている。 ただ、体重を完全にリリースに乗せきれているわけではなく、やや「手投げ」に近い感覚があるため、真っ直ぐが打者の手元でグッと伸びてくるような威力には欠けるかもしれない。 (フォームのまとめ) フォームの4大動作(着地・球持ち・開き・体重移動)のうち、「球持ち」と「体重移動」にさらなる改善の余地がある。足の甲の押し付けと球持ちが改善されれば、高めの浮きも解消されるだろう。肩への負担に配慮は必要だが、投球の幅を広げるポテンシャルは十分に感じさせる。 (最後に) 高卒5年目を迎え、NPBでも1年目から一軍の戦力として計算できるレベルに到達しつつある。チェンジアップという絶対的な武器に加え、左腕ながら制球と安定感があるのは大きな強み。これまでの指名漏れが不思議なほどだが、今年のドラフト市場を考えれば中位〜上位での指名も現実味を帯びてくる。 蔵の評価:☆☆☆(上位指名級) (2026年 WBC1次ラウンド) |
| 沢山 優介( 21歳・ヤマハ)投手 185/82 左/左 (掛川西出身) | |
球速こそ140キロ前後だが、角度とボールの出どころの見難さを活かした投球で、打者は差し込まれやすい 沢山 優介 。高校時代も ☆ (下位指名級)の評価をした選手だったが、あれから3年どの程度変わってきたのだろうか? (投球内容) チームではリリーフで起用することは多いが、公式戦でも使われる機会が増えてきた。今年は、順調にゆけば都市対抗の大舞台でも登板の機会があるのではないのだろうか。 ストレート 135~140キロ台前半 ☆☆☆★ 3.5 球威力・球速など、高校時代とさほど変わっていないが、小さめのテイクバックでタイミングがとりずらく、それでいて球筋に角度があり、打者としては球速以上に立ち遅れたり、芯で捉えづらい傾向にあります。そのため、社会人レベルの打者相手でも、真っすぐで振り遅れさせることができています。 ボールも両サイドに散らせるコントロールがあり、四死球で自滅するような危うさはありません。本当のコントロールがあるかは微妙ですが、高校時代よりも安心して観ていられるようになりました。 変化球 スライダー・チェンジアップ ☆☆☆★ 3.5 変化球は、スライダーとチェンジアップを織り交ぜてきます。特に、右打者外角に沈むチェンジアップに威力があり、右打者にとっては厄介です。そのため、左投手ながら右打者を得意としており、むしろ左打者を苦手としている部分があります。 その他 クィックは1.1秒前後とそれなりで、高校時代は投げ急いでしまいバランスを崩すことも少なくありませんでした。そういった意味では、今はだいぶ落ち着いて投げられるようになってきています。 (投球のまとめ) まだゲームメイクして試合を作るとかそういった総合力はありませんが、短いイニングならある程度の確率で抑えられるところまで来ています。そういったプロを想定すると、左の中継ぎ候補 としての期待は広がります。ただし、上記にも書いたように、左打者を苦手としており、左腕としての有り難みに欠けるところをどう見るかではないのでしょうか。そのかわり、右打者には強いのですが ・・・ 。 (投球フォーム) セットポジションから、足を引き上げる勢いや高さはそれなりといった感じです。しかしながら、軸足一本で立った時には、膝から上がピンと伸びがちで力みが感じられるのは気になるところ。それでもバランスは、そこまで トの字 というほど悪くはありませんでした。 <広がる可能性> ☆☆☆ 3.0 引き上げた足は地面に向けて伸ばすのですが、お尻はある程度三塁側に落とせています。そのため、カーブやフォークといったひねり出して投げる球も、今ならば投げられないことは無さそうです。 「着地」までの地面のと捉えは平凡で、体をひねり出す時間は並ぐらい。こうなると曲がりの大きな変化球よりも、球速のある小さな変化球を中心にピッチングの幅を広げてゆく方が合っていそうです。それでも現時点で、チェンジアップのブレーキはプロでも通用しそうです。 <ボールの支配> ☆☆☆ 3.0 グラブは最後まで内に抱えられ、外に逃げようとする遠心力を内に留めることができています。そのため軸はブレ難く、両サイドへのコントロールは安定しています。 しかし、足の甲での地面の捉えは離れてしまい、浮き上がろうとする力を充分に抑え込めんでいません。それを、高い位置から投げ下ろすことで、無理やり抑え込んでいる感じはします。そのせいか? そこまでボールが上吊るとか、高めに集まりやすいというほどではありません。 <故障のリスク> ☆☆☆ 3.0 お尻の落としには甘さは残すものの、カーブやフォークなどの球種はほとんど観られません。したがって窮屈になる機会も少なく、そこまで気にすることはないしょう。 むしろボールを持っている方の肩が極端に上がり、グラブを持っている方の肩が下がっているので、送り出しには無理を感じます。そういった意味では、肩へのケアには充分に注意して欲しいところ。それでも力投派というよりは、まだ体を活かしきれていない感じで、疲労は溜め難いのではないのでしょうか。 <実戦的な術> ☆☆☆ 3.0 「着地」までの粘りは平凡ですが、ボールの出どころは隠せています。また、角度のある球筋のせいで、打者は芯でしっかりは捉え難いのではないのでしょうか。 腕はある程度しっかり振れているので、打者としては吊られやすい。あとは前にグッと体重が乗っている感じではないので、この辺が改善してくると、キレだけなく球威力もある程度兼ね備えた伸びも出てきそうなのですが ・・・ 。 (フォームのまとめ) フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、「着地」や「球持ち」は並ぐらいで、前への「体重移動」に課題があるように思います。ただし、こういったタイプが、下半身が使えるようになった例を私は知りません。足の甲での地面の捉えが浮いてしまっていますが、そこまでボールが上吊っていないので、そこまで気にしなくても良いのかもと。肩への負担が大きいそうなフォームなのと、武器になる球をいかに見出して行けるかが鍵になるとみていますが、チェンジアップはプロでも使える球種ではないかとみています。 (最後に) 高校時代に比べると、制球も安定し落ち着いて投げ込むことができるようになり、安心して観ていられるようになってきました。そういった成長も感じられるのですが、球速含めて技術的にもそれほど大きくは変わっていない点は気になります。社会人でもある程度抑えられるレベルにはなってきているので、会社側の引き止めが無ければ、指名される可能性はそれなりにあるように思います。ただし現状は、良くて中位(3位~5位)ぐらいで、個人的な評価は高校時代と同様のものなります。夏の都市対抗の頃までに、もうワンランク良くなってくると良いのですが・・・。 蔵の評価:☆(下位指名級) (2024年 JABA静岡大会) |
| 沢山 優介(掛川西3年)投手 185/83 左/左 | |
ポンポンと投げ込んで、どんどん自分の気持ちを盛り上げてゆく姿は、選抜優勝投手になった 石田 隼都(東海大相模)左腕によく似たタイプだと思った 沢山 優介 。いま東海地区を代表するサウスポーとして、スカウトからも熱い視線を浴びている。 (投球内容) ややスリークォーター気味なフォームから投げ込む石田に比べると、こちらは結構角度良く投げ込んできます。そして腕を強く振れるので、打者としては差し込まれたり変化球を吊られてしまう勢いがあります。 ストレート 常時130キロ台後半~MAX142キロ ☆☆★ 2.5 観戦した静岡高校戦では、リリーフとして試合中盤から登場。代わってすぐは、コントロールもままならずボールの勢いもイマイチだった。しかし肩が温まってきた2イニング目からは、140キロ前後のボールをポンポンと投げ込んでストライクを先行させ、勢いと優位な状況を作り出して相手を自分のペースに巻き込みはじめます。 先発時の映像をみると、135キロ前後~後半ぐらいとややおとなしくなってしまいます。全体的な球速や、本当のコントロールがないという部分もあり、ドラフト候補としてはやや物足りないものは感じます。ただし、今後の伸び代やリリーフ時の勢いのある投球をみると、将来的に今の物足りなさは解消してゆくのではないか。そして左腕であるという、稀少価値も含めると指名もありなのではないかといった気にはさせてくれます。またボールは荒れるのですが、両サイドにはうまく散ってくれている気がします。 変化球 スライダー・チェンジアップ ☆☆★ 2.5 スライダーとチェンジアップを織り交ぜてきますが、勢いのあるストレートとの球速差や緩急で抑えるタイプ。けして、変化球そのもののキレが鋭いとか曲がりが大きいことで仕留めるタイプではありません。それでも勢いのある腕の振りが、打者の空振りを誘うという意味では優れた特徴があるとも言えるでしょう。 その他 クィックは1.0秒前後と高速で投げ込めるが、むしろ投げ急いで制球を乱す場面があるのは少し気になるところ。牽制はやフィールディングに関しては、残念ながら観戦した試合ではよくわからかった。 (投球のまとめ) ポンポンとテンポよく投げ込み、どんどんストライクを先行させて有利な状況を作るのが上手いです。またその中で、自分の気持ちを盛り上げてゆくのが上手く、イケイケの時にはどんどん勢いをづいてきます。逆に、自分のペースで投球できない時に、本当のコントロールがなかったり、ボールの威力がそこまでではないのがどう出るのか?といった不安な部分も残ります。特に、速球や変化球に絶対的なものがないので、そのへんは 石田隼都 の方がボールの威力・変化球のキレとも上であり、ワンランクもツーランクも現時点では劣る気がします。 (投球フォーム) 今度はフォームを分析して、その可能性について考えてみたいと思います。ランナーがいなくても、セットポジションから投げ込んできます。足を高い位置まで引き上げ、軸足一本で立った時にも実にバランス良く立てています。 <広がる可能性> ☆☆☆ 3.0 引き上げた足を地面に向けて伸ばすので、お尻の三塁側(左投手の場合は)の落としは甘めになります。カーブやフォークといった球種を投げられないことはないと思いますが、ブレーキや落差が鈍る可能性があります。 また「着地」までの地面の捉えも平均的で、身体を捻り出す時間は並ぐらい。空振りを誘うような、武器になる変化球を修得できるのかには疑問は残ります。 <ボールの支配> ☆☆★ 2.5 グラブは最後まで身体の近くにはあるのですが、最後は後ろに抜け気味。それでも、両サイドには適度にボールを散らすことはできています。むしろ足の甲の地面への捉えが浅く、浮き上がろうとする力を抑え込めていない方が問題。そのため、力を入れて投げるとボールが高めに浮きやすい。あるいは、「球持ち」も浅いので、ボールを低めに押し込めないなど高低のコントロールの方がアバウトな印象を受けます。 <故障のリスク> ☆☆★ 2.5 お尻の落としに甘さは残すものの、それほど極端ではありません。ましてカーブやフォークといった球種も観られないので、窮屈になって肘に負担がかかるといったほどではなさそう。 気になるのは、かなりグラブを持った肩が下がりボールを持った肩が上がるなど、腕の送り出しに無理が感じられるところ。そのため、肩への負担はそれなりにあるのではないかと。腕の振りは良いものの、極端に力投派という感じでもないので、その点はあまり気にしなくても良いのかもしれませんが。 <実戦的な術> ☆☆☆ 3.0 「着地」までの粘りは平均的でタイミングが合わせ難いわけではないのですが、ボールの出どころは隠せていて中々ボールが見えてきません。したがって甘く入らなければ、それほど痛手を食らうといったことはないとは思います。 腕はしっかり振れるので、変化球の曲がりは平凡でも吊られて振ったりと効果的になりやすい。ただしボールに体重を乗せきる前にリリースを迎えている感じで、まだまだ打者の手元までに勢いや強い球が投げられているとは言えません。 (フォームのまとめ) フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、「開き」以外の動作にはまだ粘りが足りない物足りなさは感じられます。制球を司る動作は高めに甘く入ったり抜けたりするアバウトさが残り、肩への負担が大きそうなのは気になります。また将来的に、武器になる変化球の修得はどうなのか?という不安も残り、フォームの観点ではリスキーな素材ではあるように思えます。それだけまだ、伸び代を残しているという見方もできるのですが。 (最後に) 大型のサウスポーということを考えると、プロ志望届けを提出した場合には、下位指名~育成あたりでは指名されるのではないかといった気はしています。しかしながら、プロで大成できるのか?といった観点では、現状はどう転ぶかの青写真は描き難いといった選手でもあります。そういった意味では、プロ入りを選択しても、ワンクッション社会人なり大学で成長を促すという判断をしても、どちらでも良いのではと思う部分はあります。あとは、本人がどのような進路を希望するかに懸かっているのではないのでしょうか。ただし個人的には、現時点で ☆ を付けても良いのかなとはみています。 蔵の評価:☆ (下位指名級) (2021年 春季静岡大会) |